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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第8章 月の王子ヒワ・コサイ
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血の能力

モイナも移動する能力がある事を確信した。


今はそれよりこの兵士達をどうにかしないと・・・


他の3人の兵士も先ほどと同じ様にしてから、下に降ろした。


さて、この兵士達をどうしようか?


「この後どうしようか?」と二人に話し掛ける。


クリカが怒りながら「このまま、ここに置いて行こうよ」


でも、もし誰も助けなかったら死んでしまう事もあるかもしれない。それこそ指名手配にでもなってしまったら大事である。


「ねえモイナ、移動する能力があるの?」


「うん。アイナからコツを教えてもらったんだ。」


「アイナみたいに、触れた人ごと飛ばす事が出来るの?」


「うん。体が触れてれば多分大丈夫だよ。ただね、人は飛べるんだけど、手に持った物は飛ばないんだよ。」


「そうなんだ。だから漁をしたときも使わなかったんだ。」


「それは、マコトにお姫様抱っこしてもらいたいから、使わなかったんだよ」

と平然と言った。


「ではモイナ、この兵士4人と僕とクリカを街まで飛ぶことが出来るのかな?」


「やったことが無いけど、やってみるね」


その言葉にクリカが心配そうに「もし、ダメだったらどうなるの?」


モイナが明るく「分かんない!」


するとクリカが「私はここで車を見てるわ」


「じゃあ、僕とモイナで行ってくるね。すぐに戻るから待っててね」


兵士4人の体をつけて、兵士の両端に僕とモイナの片手で触る。もう片方の手でモイナと手を繋ぎ、6人で円陣になる。


「じゃあモイナ頼む」


モイナが目を瞑ると、一瞬でアイナとカイナと別れた場所に瞬間移動した。


良かった、全員無事に移動している。


僕は両手を固定したイメージを解除した。ただし、ツルはそのままにして話掛ける。

「僕達はまた旅に戻りますね。僕達が向こうに戻ったらツルも外しますから安心して下さい。」


兵士達は黙っているので、「モイナ、行こうか」


「うん」


モイナと手を繋ぎ、クリカがいる場所へ瞬間移動したのであった。


クリカの目の前に移動した。

いきなり表われた僕とモイナに驚く

「キャッ!」

そして、尻もちをついた。

「いた~い!いきなり表われないでよ」


モイナがクリカに「ごめんね、クリカ」


「ううん、モイナはいいのよ」


と言って僕を睨んだ。


えっ!僕?


「まあいいわ。それより、これでいいかしら?」


何がいいか分からないが、クリカが指さす方を見た。


あれ!


車の車輪に土で出来たタイヤの様な物が着いている。


「これで、揺れが無くなるわよ」


これで?


モイナが車輪に手を触れる。

「ねえマコト、これってすごく柔らかいよ」


「土が柔らかい?」

僕も車輪に触れてみた。

なんだこれ?

まるで、グミの様に柔らかく、ちょっと押すと凹むがすぐに元に戻る。まるで無反発性のまくらの様な感覚である。

「これって、クリカの能力?」


ちょっと自慢げに「そうよ、私は地の王女よ。これぐらい簡単よ」


あれ?

「ねえ、もしかして本当は最初にやる筈だったんでしょ?」


クリカが「な・何を言ってるのよ」と動揺している。


「両親が僕達を見送る時に叫んでいたのは、この事だったのでは?」


するとクリカが誤魔化す様に「モイナ、食事の途中だったから、車の中に入ろう」


「うん。食べようクリカ」と手を繋ぎ車に入って行った。


まあいいか


僕も車に乗り、昼ごはんを食べ始める。

クリカが「走って!」と言うと車が動き出した。


これから食事を食べるのに、いくら柔らかい素材に車輪が覆われているとはいえ、道が舗装されていないこの道では揺れるのは必須だ。

せめて食事を食べ終えてから走って欲しかったのだが・・


テーブルにコップを置いて、コップの中に水を入れ始める。


「えっ?零れちゃうよ」


するとクリカが「何で?」


コップに水を注ぐが、水面も揺れない。


確かに動いているのだが、何で?


「ねえ、クリカ?何で揺れないの?」


また自慢そうにクリカが語る

「あの車輪は、地面と一体化するのよ。だから、例え凸凹でも関係ないの。勿論、車も停車しているのと同じなのよ」

??

車輪が一体化?どういう事?


気になる。

「ねえクリカ、ちょっと止めて」

「もう何よ」と面倒くさそうに答える。

「ねえ、ちょっと外で動く所を見せてもらってもいい?」

「まあ、別にいいわよ」

車が止まる。

僕は外に出て、「クリカ、ちょっと動かして」


車が動き出す。

車輪が動くと、車輪が地面に触れた瞬間に地面と同化する。そのため車が上下に揺れない。

まるで、歩く歩道みたいだ。ただ動力が車輪であり、車は一切動かない。

でもこの土より大きな障害物を踏んだらどうなるのだろう?

「クリカ、ちょっと止まって」

車が止まる。

僕は少し大きな石を車輪の前に置いた。

「クリカ、走ってみて」

!!

なんと、石が車輪に当たると石が変形していく。しかし車輪から離れると元の石の大きさに戻った。


「凄い。」


「クリカ、これ凄いよ。」


「当たり前でしょ、私は凄いのよ」

と完全に有頂天になっている。


僕は再度、車に乗る。


「ところでクリカ?泊まれる街があるのは、どの辺だっけ?」

「大きな石が両脇にある所を過ぎれば、そこからすぐに街が見えてくるわよ」


しばらく走っていると、二人は騒ぎ疲れたのか寝てしまう。

二人の寝顔を見て、まるで、娘を見守っていた時を思い出す。


地球ではどうなっているのだろう?


咲子も景子もどうしているのかな?


想い拭けていると、大きな石が両脇にある場所が見えてきた。


僕は二人に語り掛ける

「大きな石を通ったよ」

するとクリカが起き上がり「この石を通れば、もう少しで街よ」

と、いかにも知っていたかのように話し掛けてきた。


大きな石の横を通ると長い長い下り坂があり、坂を下りて更に前方に街が見えた。


モイナが「街だ。マコト早く行こうよ。」

段々と辺りは暗くなってきているのだが、何とか夜になる前には街に着きそうである。


そして、街の入口に到着した。

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