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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第8章 月の王子ヒワ・コサイ
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襲撃

カミン通りに隣接している街なので、5km以上あるカミン通りを横断して、僕達はスワ町に続く一本道の入口に向かう。

クリカの両親も着いてきて、ヨリカが昨日見せてくれたミニカーを道に置いて、ミニカーに向かって念を送ると、みるみる大きくなり、ワゴン車ぐらいの大きさに変わった。

シンデレラの絵本に出てくるような車で大きな車輪が4個ついている。


シンデレラでは馬が引いていたので、馬車だったが、動力が魔法らしいので、魔車と呼ぶのだろうか?

でも、なんか悪魔みたいで気分的には優れないので、取り敢えず車と言う事にしよう。


車の中は、真ん中にテーブルが置いてあって前と後がテーブルを挟んで向かい合わせになっている。


えっ?


前の席が進行方向に背を向ける形になっているので、どう考ても危ない

「これって障害物や人にぶつかりそうになったら、どう避ければいいんですか?」

ヨリカが「スワ国まで行く様に指示すれば、勝手に行ってくれるわよ。」


答えになっていない。

クリカとモイナは先に中へ入って、後ろの席に座る。進行方向に前を向く席だ。

後席だけで3人座れるが、ゆったりとしたいのか2人で席を占拠している。僕はしょうがなく前の席に座る。進行方向に背を向ける席だ。


そして僕が座るとクリカが

「スワ国までお願い」

と車に向かって命令すると、車が動き出した。


まるでタクシーみたいな命令に、こんなに簡単なのかと感心すると共に、不安の方が強かった。

「じゃあ、行ってくるね」

とクリカが両親に手を振り車は走り去った。


僕は後方を向いているので、クリカの両親が見送る姿をずーっと見ていた。


そして、見えなくなりそうな時、何かを叫んでいる様なしぐさを見せる。


「あれ?クリカの両親が何かを叫んでるよ。何か忘れ物でもしたのかな?」


するとクリカが「もう、子離れが出来ていないのよ。しょうがない親だね。無視よ無視。」


まあクリカが、そう言うならいいか。


地面は土で車の車輪は木なので、乗り心地は最悪だ。

少し大きな石を踏むと大きく車体が揺れる。

最初はモイナもクリカも喜んでいたが、1時間も経たずに文句に変わって行く。

モイナ「もう、この車イヤだ。」

クリカ「私もイヤ!」

もう言いたい放題である。


何とかしないと、この文句をずーっと聞くのはかなりつらい。

「クリカ、一旦、車を止めてくれるか?」

するとクリカが「止まって!」と命令する。

車は止まり、3人は一旦外に出て車輪を観察する。

車輪はかなり太い木で出来ていて、確かに頑丈そうだが、固い材質で出来ているため、乗り心地は最悪である。


ゴムでもあればいいのだが?

あるいはゴムに似た材質の物が無いだろうか?


モイナとクリカに質問をする。

「二人共、柔らかくて頑丈な物って知ってる?」

クリカが何かを思いついたように話す。

「水!」

「何で?」

「普段は柔らかいけど、凍ると固いから」


まともな答えが返ってくるとは思わなかったが、僕の質問を「なぞなぞ」と勘違いしたらしい。

「え~と。これは「なぞなぞ」では無くて、この車輪の代わりになるものを探しているんだよ。」

モイナとクリカが「なぞなぞ」の意味が分からない様子だったが、今度はモイナが何かを思いついたようだ。

「それなら、人ってのはどうかな?この前、マコトがお風呂で倒れた時に、最初は柔らかかったけど」

その時点で僕は、モイナの口を塞いだ。

「だから、この車輪の代わりだって言っただろ!」

すると、クリカが「あっ!マコトがモイナを襲ってる!」


もうダメだ。この子達に聞いた僕が馬鹿だった。


「じゃあ二人はちょっと早いけど、車でお昼を食べて待っててね。僕は森に車輪の代わりになるものが無いか見てくるから」

二人は笑顔で「は~い」と言って、車の中に入って行った。


人の世界の森なので、敵がいる訳では無いのだが、なんせ未知の世界である。凶暴な動物が襲ってくるかもしれないので、身を守るため魔法をかける。


「僕の身を守ってくれ」と祈ると、体が青白く光る。それと同時に宙に浮く感覚が僕を襲った。


久しぶりだったので、重力が無い様な感覚が襲ったが、さすがに長い間この状態で生活をしていたので、すぐに慣れる。

「ヨシッ!」

僕は軽く跳んで森に入って行った。

「う~ん。さすがにタイヤの代わりになる物は見当たらないな。」

前方に他の木に比べても断然大きな木が立っているのが見えた。


「あそこに登れば、この辺が見渡せるかな?」


木の根元まで着いた僕は、真上に飛んで上の方の枝に捕まった。そして、その枝から更に上へ軽くジャンプすると、木の頂上に到達した。

ちょっと不安定だが、木にしがみつきながら、辺りを見渡すと僕達の車が目に入った。


あれ?


車に向かって武装した人間が4人で近づいている。

「もしかして、クリカを誘拐しに来たサワ国の兵士か?」

僕は、木の上から車に目掛けて思いっきり跳んだ。


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