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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第7章 地の王女(チワ・クリカ)
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再出発!

クリカの店のドアを開ける。

「ただいま!」


つい言ってしまった。

すると店内に居た客が僕を一斉に見る。


我に返り、「すいません」と言いながらカウンターに行くと、

「モイナちゃんもクリカも部屋に戻ってるぞ」

と言われ、僕は服屋で得た情報を伝えに2階へ駆け上がった。


そして、部屋のドアを開けて中に入る。



部屋の中央にモイナとクリカの姿が目に入り、髪の毛を肩ぐらいまで切ったモイナの姿に驚いた。

こんなにも髪を切っただけで、変わるのか?

驚きと共に、何か懐かしい感じを抱く。何だ、この感じ・・・

あれ?

自然と涙が溢れ出て来た。


もしかして忘れてしまった娘も同じ髪型だったのだろうか?


言葉を失った僕にモイナが話し掛ける

「どう似合う?」

と笑顔で僕を見た。


あれ?

また涙が・・・・

アイナ達との別れの時もそうだったが、また、涙が溢れだしてきた。


何で?


クリカが「マコト、そんな泣く程に可愛いと思ったのか?」


涙を手で拭いながら

「そうかも知れないな」

と笑顔で答えるのであった。


そして、僕から二人に先ほど買った服をプレゼントした。

モイナもクリカも大喜びで、アタッシュケースから服を出して並べている。

同じ種類の服なのだが、糸は同じ物を使っているが、服の布の色は違った。



店主が言っていた糸の色について説明すると、関心しながら聞き入っている。さらに服の長さの調整の仕方を教えると、お互いに交換出来る事を知り、同じ種類の服をお互いの好みの色に分け始めた。


二人で仲良く、選別している様なので、僕は先に店に降り、二人の選別が終わるのを、店で待つことにした。


店は段々と客が増えてきて、所々で笑い声が聞こえる。


僕は階段近くのいつも席に座って、二人が来るのを待っていると、クリカの母が横に座った。

「マコトさん。娘をよろしくお願いしますね。」

「いやいや、僕の方こそクリカさんが居てくれれば助かりますよ。」

「そういえば、スワの町って、ここから遠いですか?」

「そうねえ。「ター」を使えば、7日ぐらいで着くかしら」

「ター?」

「あら、知らないの?」

と言ってカウンターに行き、すぐに戻ってくる。

手には、ミニカーぐらいの大きさの馬車の荷台を持ってきた。


馬車?それとも車?


馬車の荷台の様な乗り物で、大きな車輪が4個ついている。


「これを貸してあげるわ。スワまで続く道で魔法を掛ければ、人が乗れるぐらいの大きさに変わるから、勝手にスワの町に行けるわよ。」

「勝手に着くんですか?」

「そうよ、勝手に進んでくれるわ。ただスピードは、イマイチだけど」

「これが、「ター」って言う乗り物なんですね」

「そうよ。使い方は明日の出発の時に教えてあげるわ」

「ありがとうございます。」


「そろそろ、食事を持ってくるわね。」

と言って厨房に入って行った。


本当に何から何まで教えてくれて、感謝しか出てこない。


すると、階段で足音がする。


えっここで?


モイナとクリカが舞踏会用の衣装で下に降りてきた。

モイナが薄い黄色で、クリカが薄い水色の衣装だ。


モイナ「クリカ!歩きづらいよ」

クリカ「ちょっと、スカートの裾を持つと歩きやすいわよ」

と話しながら降りてくる。


さすがにクリカの両親も驚きを隠せない。しかし店の客は二人の姿を見て盛り上がる。

「クリカちゃん。可愛いよ」

「二人共、お姫様みたいだぞ!」

等と声を掛けて来た。


クリカの両親もテーブルに近づいてきて

クリカ父「これはどうしたんだ?」

クリカ母「高かったでしょ?」


「今日、服屋で買ったんです。一緒に来てくれるクリカさんへの、僕からのプレゼントです。」


クリカ父「本当にいいのか?」

「はい。勿論です。」


そして、夕食を食べたのだが、案の定、モイナは血を衣装に垂らして、落ち込んだのであった。


この宿の最後の夜は、騒がしく、そして楽しく夜を過ごしたであった。


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