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妻のいる天国かと思ったら異世界でした  作者: 鈴月桜
第6章 血族(吸血家系)?
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血族(吸血家系)

入った宿屋らしき店は1階が100人ぐらい入れそうな大きな食堂になっている。

店の奥にカウンターがあり、その横から階段で2階に行ける様になっている。


カウンター横にいる女性店員に尋ねる「すいません。ここで宿泊出来ますか?」

「勿論、出来るわよ。1泊1人黒貨2枚よ。夕食と朝食を食べると1人黒貨5枚よ」


「では食事も2人食べるので、これでいいですか?」

と青貨を1枚店員に渡した。


すると店員が、「私は店長の娘のクリカよ。」と言って、先に階段を登って行ったので、モイナと後をついて行く。


2階に行くと、階段に一番近い部屋を案内された。

「この部屋の横の部屋がトイレで、その横がお風呂よ」

この世界にはお風呂もあるのか。

ここに来て、お湯に浸かっていない僕は、お風呂に入れる事に喜びを感じる。


あれ?


お風呂の先には、後1つしか部屋が無い。

「客室って、僕たちの部屋とお風呂の先にある部屋だけなんですか?」


「あそこは両親の部屋よ」


「両親?クリカの部屋は何処にあるの?」


「ここよ」

と僕たちの部屋を指した。


部屋のドアを開けると、大きなベッドが一つ置かれている。


「ここで3人が寝るの?」


するとモイナが「沢山で寝た方が楽しいよ」

とまるで、修学旅行のノリである。


でも僕は男なんだけどなあ~


モイナは子供みたいなのでいいが、クリカは僕より少し背が低く、顔立ちも二重の眼は切れ長でクッキリしている。

体型も痩せてはいるが、出るところは出ており、男としては魅力的な女性であるが、一緒の部屋で寝るなんて、あってはいけない。

いくら、違う世界だろうと僕は妙子以外の女性と同じ部屋で一夜を過ごすなんて事は、断じて許されない。


幸い部屋は広いので、僕はベッドの下で寝る事にしよう。

でも宿泊代を払っているのに、何で僕が床で寝なくてはならないのだろう?


モイナが「ねえマコト、ご飯食べに行こう」

するとクリカが「あら、あなたはマコトって言うのね。その子は?」

「私はモイナ。よろしくね、クリカ」


そして3人は階段を降りて、1階の食堂に行く。食堂は夜になると、酒場へと変わっていた。この世界のお酒って、どんなものだろう?


僕とモイナは階段に近いテーブルに座り、食事を食べる事にした。

「ねえクリカ、お酒を一杯貰えますか?それと適当におかずもお願いします。」


「モイナちゃんは何を食べるの?」


「う~ん。おいしい血って、何かあるの?」


周りが一瞬静まる。


「モイナ、血はここには無いよ。果物でも食べなよ」


するとクリカが意外な事を言ってきた。

「人間の血は無いけど、魚か動物の血ならあるわよ」


モイナが笑顔で、「じゃあ動物の血が飲みたい」


本当にあるのか?


クリカがグラスに入った血を持ってくると、モイナはそれを美味しそうに飲み干した。

「おいしい」


クリカが笑顔で、「良かったね」とモイナに言った。


この世界では吸血鬼は、普通に存在するって事なのか?


クリカが僕に向かって「マコトも血がいいの?」


「いや、血は飲めないです。」


その言葉に周りの客も「そりゃあそうだろ」と笑っている。


何で笑ってるんだ?

この世界で吸血鬼って、どんな存在なんだろう?


クリカが食事を運んでくる。

「ねえクリカ、聞いてもいい?」

「なに?」

「僕は街に来たのは初めてなんだけど、吸血鬼ってどんな存在なの?」


「吸血鬼?血族をどんな存在って言われても。40年前に起こった戦争の前は、人間の国は20国もあったの。今は2国だけだけどね。その20国全ての王の家系が吸血家系だったのよ。大昔は100血族があったのよ。多分、モイナもその家系の子だと思うわ。」


「へえ~、ではモイナは王家の家系なの?」

「まあ、そうかもね」


「今ではその家系は、どうなってるの?」

「どうって言われても、実は私のお父さんは、以前は国を治めていたの。いわゆる王様ね。ここのお客さんはお父さんの国の人達ばかりなのよ。勿論、私も吸血よ」


えっ!クリカも王家の人だったんだ。


何で王様が店屋をやっているのか?などと聞くのは失礼だと思って質問を止めた。


「後で詳しい事を教えてあげるわ」とウィンクをしてきた。


モイナはクリカが僕にウィンクをした事が気に入らなかったのか、

「ねえマコト、何かクリカと仲が良すぎない?」

と怒った表情をして言ってきた。


「そんな事ないよ。ただ歴史を聞いただけだよ。それより食べよう」


「うん」


ここで言う酒は、ワインであった。


僕は生ビールが好きで、ワインはあまり好きでは無かったが、ここのワインは少し甘い味がして、とても飲みやすく、ついつい飲み過ぎてしまった。


「あ~酔っぱらった」


「マコト大丈夫?」


「うん。じゃあ部屋に戻ろうか?」


「うん」


千鳥足で、階段を登って行き、部屋に辿り着いた。


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