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異世界でもぼっちになったので元の世界に帰ります。  作者: ゆーりぃ
1章〜異世界召喚 編〜
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5話~最高ランクの能力と最低ランクの能力~

 

 さて。

 移動も終えて今は修練場(体育館と言った方がいいだろうか)に来ていた。


 大勢の人達が剣や槍などの武器を使って訓練しているのが見える。

 ただそれだけではなくこちらの方をチラチラと伺っている連中が一定数いるね。


 あいつらは間違いなく……()()()()()()()()()()()()()()()()()()ここに来たのだろう。

 まぁ気持ちはわからなくもないけどね。人が混むってわかった時点で俺は来たくないけどな!


「それじゃあ、お勉強の第二弾♪ デバイスの使い方と異能力の確認と行くわよォ〜♪」


 オカマがそう言うと周りがガヤガヤし始めたな……

 どんだけ楽しみなの君たち。

 それを横目にようこそさんが指示を出す。


「まずはデバイスを取り出して、ロックを解除してくれ」


 指示通りロック解除。まぁさっきやったしつまづいたりしないけど。操作はスマホとほぼ同じだしね。

 画面に見ると触れそうなアイコンが六つほど。はて、人の表示とか魔物っぽい表示のアイコンとかがあるけど……


「まずは人の表示のアイコンを押してみてねぇん♪」

「先に行っておくと、それは登録した人のステータスを表示する画面になるね。とは言ってもゲームみたいに攻撃力とか防御力といった数値は出ないよ」


 ふむ。名前に……異能力の表記か?系統分けされてる?

 ちなみに俺のデバイスにはこんな表記が出ている。



 異能力『形状変化系統・武器』 Cランク



 こんな感じだ。形状……変化?文字通りなら物体を武器に変化させると言った感じであってる?

 どんなものでも思い通りの武器にできるんだろうか?

 だとするとすごくワクワクしてきた!


「なぁ! 自分の異能力、今から使って確認していいのか!?」

「あぁいいよ。試して見てくれ」


 ようこそさんが許可を出す。

 ラインも興奮を抑えきれず、自分の異能力を使いたいようだ。よしいいぞ、口火を切ってくれ! それなら恥ずかしくなく後からはしゃげる!


「オレのは『ウェポンマスター』ってやつみたいだな。なにか武器とかオレに貸してくれねぇか?」

「それじゃ、練習用の木刀でもいいかい?」


 ようこそさんが木刀を投げて渡す。

 それを受け取り、ラインは周りを見渡して近くの金属のボックスに目をつけた。


「ま、良くてもへこむくらいだろ……ふんっ!」


 片手で上から下へ振り下ろす。だが……

 俺の目には()()()()()()()()()()()()()()()。ということはだ。


「おいおい……マジかよ! ()()()()()()!」


 部屋中が驚きに包まれた。そりゃそうだ。木刀で金属……明らかに斬れなさそうな物が真っ二つだ。


「他のも試すぜ! 他のも使わせな!」


 そう言ってラインは部屋の隅にあった槍やら弓やらを勝手に使い始めてるし……まぁあれは放っておこう。


「次は僕がやろう。僕のは『アクアリムス』というようだ……だいたい予想はつくな」


 そう言って手をかざし始めるジェイク。すると周囲に水が集まってきた。その水を自由自在に動かしている。


「なるほど。このままぶつけることもできるし、霧状にしたりウォーターカッターのようにも出来そうだ」


 できることを一つ一つ確かめてますね……もう自分の世界に入ったようで……


「んじゃ、次あたしで。『オリジナルアトリエ』っていうやつです」

「それはどういう異能力なんだろうね?」


 そう言って天原さんが首を傾げた。ピンと来ないのは俺も一緒。アトリエって戦闘向いてるイメージ全くないね。

 しかしこの認識はすぐに変えられてしまうことになった。


「ふーん……ペンとか筆とか書いたりするものはすぐに取り出せますね……ま、絵を描くのは得意ですけど」


 ホントだ。何も無いとこから筆を取り出してる!

 そして何気なく、いつもやってるような感じで床に筆を走らせるあやみん。

 さっき誰かが使っていたであろう、練習用の剣を本物そっくりに書き上げた。そして変化が生じる。


 なんということでしょう。質感もそのままに、練習用の剣が一つ。()()()()()()()()()()()


「あれ?作れちゃいましたね。ほら、ちゃんと持てますよ?」


 剣を持ち上げ、確認するあやみんだが、こっちはそれどころではなかった。


 書いたものが具現化するだと……?

 正直一番ヤバイ能力ではないだろうか。ただ制限とか厳しそうな気がする。便利な能力にはそういったお約束がつきものですから!


 それにしてもその異能力、とても羨ましい……オタク的に! 伝説の剣とか書いて使ってみたい! いつか書いて貰えないかな!? 拒否られそうだけど一回お願いしてみたいなぁ……

 まぁできたら苦労しないけどね……うん。


 そんな事考えてたら天原さんがデバイスを使い始めた。次は君ね。


「私のは……召喚って書いてあるの。来て!アマテラスオオカミ!」


 すると天原さんの周りが光り輝く。眩しくて目を逸らさないと厳しいほどの光が広がる。それが収まると、和装の女性が現れていた。


『妾を呼んだのは主か?』

「あ、はい。私です。天原 唯って言います。よろしくね、アマテラス……でいいの?」

『うむ。問題ない。これからよろしく頼むぞ、主様』


 召喚ってそういうこと……アマテラスって元の世界の神様なんですが。あやみんもすげぇと思ったけど、この子が一番ヤバかったかー……


 なんせ神様召喚だしな。格が違う感じ半端ない。周りもアマテラスに圧倒されてる。


「すごぉい異能力じゃな〜い! アタシ気になるわぁ〜! ねぇねぇ、どんなことが出来そうなのぉ?」


 エイミィだけいつも通りか。ま、オカマだし。ようこそさんはかなり驚いてるな。固まってるままだ。


「えっと……アマテラス?この結界って言うの出来る?」

『造作もないぞ主様。試しに色々やって見るといいぞ』


 そう言ってアマテラスは結界を発生させた。オレンジ色に光るドームのようなものだ。

 でも試すって言ってもな……


「んじゃ、オレが斬ってやるよ!」

「僕も試してみよう。ウォーターカッターでいく」


 いやいやちょっと待て!もし結界破れたらどーすんだ!天原さん死んじゃうやろがい!


「ちょっと!唯先輩に攻撃すんな!」


 そんなあやみんの制止も空しく、剣と水が結界に向かって振り下ろされる。


「ふんっ!」

「はぁっ!」


 ドンッ!と音がした。そして恐る恐る見ると……先程は金属を切り裂いたラインの木刀があの結界に阻まれていた。その下には水が滴っている。どうやらウォーターカッターでも切り裂けなかったようだ。


『妾の結界はそんな物ではビクともせんぞ』

「す、すごいね……アマテラス……」

『当然じゃ!最高の防御性能じゃぞ?どんなものでも防いでみせるわ』


 勝ち誇ったように笑うアマテラス。流石神様。半端ねぇなおい。


「あと唯先輩、なんで着替えてるんです?」

「え? えっ、なんで巫女服!?」


 召喚したと同時に変わったし、正装みたいなもんでない?異能力が凄すぎて気にしてなかったけど。


「で、最後に俺ね……『形状変化・武器』って書いてあるけど……」


 俺だけ固有名っぽくないのよね。決まってないのか?

 うーん……そういえば元の世界でやってたゲームでサイスって言う、死神の鎌みたいな武器がかっこよくて使ってたんだよな。

 形はそれで……機械みたいな見た目がいいな。元はどんなものを変形させるかなんだけど……


「あの……」

「え?何?」


 天原さんが話しかけてきた。なんの用事でしょう?


「腕時計、光ってるよ?」

「あ、ほんとだ……」


 腕時計が光っていることに気を取られていると、俺も光に包まれた。眩しい!目が!目がぁー!


 しばらくして目を開けると、手にはさっき想像したようなサイスがあった。その代わり腕時計が無くなっている。


「腕時計が……変形した?」


 呆然としているとデバイスがチカチカと明滅した。

 見て見ると異能力の名前が変わっていた。今はこうだ。


 異能力『クロノサイス』Cランク

 ・腕時計を変形可能。それ以外では変形不可。



 固有名になってる!それに腕時計のみがこれにできるようだ。無くさないようにしないとな!

 そしてふと思う。みんなのランクってどうなんだろ?



「このランクって何です?」

「よく気づいたね!いいよ、その感じ!so coolだよ!」


 ……やっぱ頭おかしいよね、ようこそさん。話進まないから突っ込まないけどね。


「それは能力の強さを表すんだ。君たちは何ランクだったんだい?」


「オレはA+だ」とライン。

「僕はAだね」とジェイク。

「あたしはS+ですって」とあやみん。

「私は…SSです」と天原さん。

「……Cです」と俺。


「「Cランク!?」」


 やっぱ低いのねこれ。


「ちなみにランクは最高がSS。そして今までの召喚者の最低が……Bなんだ」



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