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異世界でもぼっちになったので元の世界に帰ります。  作者: ゆーりぃ
1章〜異世界召喚 編〜
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15話〜モンスター殲滅戦(1)〜

 

 時間が迫ってくる。作戦が開始される正午が。

 しばらく黙っていたようこそさんがデバイスの通信機能を立ち上げ、みんなに伝えた。


「現在時刻、正午。これよりモンスター殲滅戦を開始する!目標は巣の除去、モンスターの殲滅だ。みんな注意してくれ、無事に帰ってくるために。健闘を期待する!」

「「「了解ッ!」」」



 今回の作戦は巣があると思われる場所の周囲を十組のファイブマンセルで包囲し、周りの取り巻きから殲滅。繁殖しない内に巣を潰すと言ったものだ。


 注意事項は統率個体が存在する可能性があるということだ。巣が二つある可能性もあるので多くて二体だ。


 それを思い出しながら俺は前を見据えた。前回の戦闘でのスキルの使用感を踏まえて強化もした。


 まず、肉体(フィジカル)の強化。これは自分にヘイストをかけた時に生じる負荷の軽減が目的。


 次に腕力(ストレングス)敏捷(アジリティ)だ。腕力は顕著に影響が出た。クロノサイスがとても軽くなったし、握る力も強くなった。便利。


 敏捷は通常の生活を送る分には恩恵が無いが、戦闘の時に素早く動こうとするときの咄嗟の速度やトップスピードが上がっていた。反射神経も後で上げとかないといけないと思う。


 早く動けても反応出来なきゃ意味が無いんだよな。逆も然りってね。



 確認をしてたらようこそさんが声をかけてくる。ちなみに今回も同じチームだ。


「それじゃあ僕達も行こう。僕と下地君は前衛、天原君と才華君が中衛で、ケイトは後衛だ。今回は僕とケイトが適時サポートする。安心してくれ」

「中衛のお二人、よろしくお願いします」


 ()()()()()()。ホントに扱いがひどい。


「こら、もう一人いるからね?」


 ようこそさんが注意した。するとケイトは今気づいたような反応をして、


「ああ、そういえばこんなのがいましたね。せいぜい囮として役に立ってください……それくらいしか出来ないでしょう?」


 この人は()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ようこそさんの右腕のような人物なのだが、性格はご覧の通り、めっちゃキツい。


 まぁ特に返事をする必要も無いな。そう思っているとようこそさんがジェスチャーで謝っていた。ケイトには見えないように。まぁそれで許すとしましょうかね……


 若干のギスギス感を抱えながらも俺たち五人は作戦を開始。取り巻きの殲滅に取り掛かった。



 目の前には三十を超えるブラックスネークの群れ。

 "『神眼』を発動して少し遠い奴らは『スロウ』で止める。近くのは『ヘイスト』で加速して始末って所かしらね"


 スクルドの声が頭に響く。対処としては正しいと思うのでそうしよう。『ブラックアウト』は外からかけても気絶時間が短いからだ。

 早速離れた集団に『スロウ』をかけて動きを鈍らせる。やっぱ『神眼』は便利だわ!


 範囲指定で『スロウ』をかけたのだが、元の世界のゲームでよく円の範囲で指定する魔法があるが、ほぼ同じような感覚で使えるから楽!ありがとう『神眼』。マジで愛してる!

 強化もしてたから『スロウ』の範囲も広くなったしね。


 そして自分には『ヘイスト』を。効果が掛かり、速度が上がる。するとスクルドがまた話しかけてきた。


 "正しく言うと、『認識できる時間が細かくなったのよ。人間は一秒単位でなら認識するけど、百分の一くらいに細かく認識できないでしょう?今のあんたはそれができるの。だからあんたは細かく、かつ多く動けるし、それが出来ない相手はあんたから見て、スローモーションの様に見えるのよ"


 なるほど、細かい時間で長い距離を移動するから相手から見ると早く動いてるように見えるのか。


 納得しながらもブラックスネークに斬り掛かる。

 難なく十体を葬った。やっぱスキルは使いようですねぇ!


 他のメンバーを見ると、ようこそさんとケイトとあやみんは倒し終わったようだ。


 ケイトは弓を使うようだが、ブラックスネークを寄せ付けることも無く殲滅していた。実力はあるようだなぁ……『ヘイスト』と『スロウ』がなかったら完封されるだろう。

 しかも()()()()使()()()()()()()()。単純に腕で寄せ付けなかったということだ。


 周りを見渡す。あー……天原さんはまだの様だから助太刀するか。



 結界の外側に群がる蛇をクロノサイスで切り裂く。その時、横から錫杖が突き出されて最後の一匹が消えた。あやみんの具現化した錫杖の様だ。


「別に助太刀とかいらないんで、そっちに戻って貰えます?邪魔なんで」

「……そうですか」


 あやみんマジで辛辣ゥ……効くわー……

 近くではアマテラスが天原さんに注意をしてるし。


『主様、武器で突くだけなのじゃから頼むぞ?巣を潰すまではこれが続くのじゃからな?』

「うーん……やっぱり慣れないんだよね」

「大丈夫ですよ!私がやるんで!唯先輩は結界お願いします!」


 ……あやみん、俺にはすんごい冷たい声だったのに天原さんに話しかける時には戻ってるし。ってかどうやったらその切り替えできるんでしょう。女の子って相変わらず怖い!



「よし、先に進もう。下地君と僕とで前方を確認しながら行くから着いてきてくれ!」


 ようこそさんの指示が飛ぶ。

 集中しないと。下手したらケガじゃ済まないからな。

『神眼』で周囲を索敵しながら先に進もう。



 ――――――――――――――――――――――――


 Another View 『天原 唯』



 私は確信した。やっぱり……やっぱりあの人だ。

 あの日、講義を受けていた際に『神眼』を持っていて、そしてそれを使って私達を見たのは。


(あのスキルを持っている人が……Cランク?)


 今でも信じられない。

 私も一度『神眼』は使ったけど、相手の能力やスキルが見破れて内容が分かるなんて規格外だ。


 それにモンスターがどんな状態異常攻撃を持っているかや、見ようと思えば物質の材質なんかも分かる。木刀なら材質は『木』というように。


 "主様よ、一旦その事は置いておくとよいぞ。あの小僧とて今の状況では何かを企む余裕は無いじゃろうしの"

(分かった……でも、気にはしておくね)


 今は誰一人怪我をしないようにサポートしないと。

 それが防御性能が優れている自分の役目だから。



 ――――――――――――――――――――――――


 Another View 『スクルド』



 完全に気づかれたわね。時間の問題だし仕方ないけれど。

『神眼』を持つほどの存在は多くない。だからこそ分かるのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 あいつは気づいてないでしょうね……『神眼』持ちが近くにいるってこと。

 どこか抜けている現在の契約者に後で教えておく必要がありそうね。


『さて、どうなる事やら……死なれたら困るから頑張ってよね?わたしの目的のために』


 そう言って彼女はニヤリと笑っていた。





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