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異世界でもぼっちになったので元の世界に帰ります。  作者: ゆーりぃ
1章〜異世界召喚 編〜
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14話〜モンスターの増殖、巣の存在〜

 

 緊急会議とやらが開かれた。

 今は「モンスターとの遭遇報告」を纏めてるところだ。

 目の前の地図に赤いマーカーでバツ印が付けられていく。すると、円形上に遭遇箇所が広がっていた。

 そしてその中心に塗りつぶした赤マルが付けられる。


「決まりだね……ここにモンスターの巣ができているのは間違いない」


 ようこそさんが断定した。地図についているバツ印はここ最近の報告を全て含めると三十箇所を超えている。しかも()()()()()()()()()()


 俺が遭遇したのよりも数の多い群れもいたようだ。その数なんと二十匹。


 それがさっきの場所全部にいたとなるとざっと六百匹になる……もっと少ないかもしれないし、多いかもしれない。となると流石に無視できない数だ、という事だろう。


「へへ、全部倒してフィグメントにしたらどんだけ強化できんだろーな!楽しみだぜ!」

「僕も能力は強化したいと思ってた。ちょうどいいな、殲滅しよう。戦って見た感じそこまで強くなかったからな」


 ラインとジェイクは意気揚々としていたが、俺はそこまで楽観的になれない。

 単純に能力を強化できてないのもあるし、三匹は対処出来たけども……数が多いと処理しきれないかも。



「唯先輩は問題なかったんです?」

「問題はなかったんだけどね……アマテラスが完璧に防いでくれたから。ただ……」

『主様は攻撃が苦手のようでの。それも極度と言っていいほどにじゃ』


 天原さんも戦闘はしたようだが……攻撃できなかったようだ。苦笑いしてる。


『同行者に始末を頼む羽目になっての……主様よ。せめて自衛の手段は何とかせぬか?一人になった時どうしようもなくなったら……』

「あはは……あんまり好きじゃないんだ、傷つけるのって」

『むぅ……まあ仕方あるまいて。いずれは何とかせねばな』


 アマテラスは大変そうだな。まぁ関係ないけども。SSクラスに助言できることなど俺には無いのだ!多分。


「彩美ちゃんは倒せたの?」

「はい、バッチリ。唯先輩の持ってた錫杖のデザインそっくりのを作って叩きましたよ。もちろん一発でした!」


 という事は天原さんの武器自体の攻撃力も侮れないと。恐ろしいことで……ってかあやみん、ぶっ叩く事に遠慮はなかったのね。意外とバイオレンス?


「そこ!聞いてるかい?君たちも参加してもらう作戦だからちゃんと聞いてくれ!」


 ようこそさんに怒られた。すんません。


「流石に数が多いわねぇ……十隊に分けて外側から各個撃破になるかしらァ〜?」

「考えられる悪いパターンと最悪のパターンを考えておこうと思うんだ。三パターンくらいほど想定してるんだが……」

「当ててあげるわよォ。まず一つ目だけど巣があるのは大前提で、統率個体がいるパターンでしょお?」


 ようこそさんが頷く。あってるようだ。


「二つ目にぃ、巣が二つあるパターンかしらねぇ?そうだとすると数が多いことの理由になるんじゃないかしらァ〜」

「そうだね……正直に言うとそうじゃないかと思ってはいるけどね」


 確証は無いけどそう思ってるのね。オカマも案外ちゃんと考えてるようだな……代表の肩書きは伊達じゃないのか。


「そして最後に最悪だけどぉ……二つの巣があって、なおかつ統率個体が二体居るパターンが一番厄介ねぇ」


 ようこそさんが息を吐く。しばらく目を閉じていたが開くと同時に判断を告げた。


「その一番厄介なパターンを想定して動くよ。作戦は早いほどいい。これ以上数を増やされるわけにはいかない。作戦は明日の正午に発動する!」

「それじゃあ各員、明日に向けて英気を養ってねぇ〜♪明日は全員で殲滅戦よぉ〜♪」


 そうして会議が終わる。珍しく話しかけてくる奴がいた。ラインとジェイクだ。


「なぁ、Cランクとはいえ流石に何匹か倒したんだろ?なぁ、何匹だ?」


 すっげーどうでもいい。どうせ自分の方が多く倒したとか比べたいんだろ?


「……三匹だけど」

「はっ!その程度かよ。ジェイクはどうだ?」

「僕は九匹だ」

「同じかよ!つまんねーな……まぁこいつよりは上だったからいいけどよ」


 なんかもう二人で話してるし、そっとその場を離れますかね……明日に備えてスキルを見直そう。


 ようこそさんが倒したのも含めて五つの小さいフィグメントが手に入ったから強化しようと思うのだ。譲ってくれるとは思わなかった。


 "ヘイストにしときなさい。自分にかけて有利に立ち回れるようにしておけば数の不利を覆せると思うわ"

(んじゃまぁ……そうしときますかね)


 そうして部屋に戻って強化を行った。

 だがこの時は思いもしなかった。この殲滅戦が俺の今後を大きく変えることになるなんて。



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