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異世界でもぼっちになったので元の世界に帰ります。  作者: ゆーりぃ
2章〜帰還方法探索 編〜
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108話〜狙いの先は〜

しばらく間が空いてしまいました。申し訳ない。

 


「……っと、報告はこんなところかな。で?」


 何気ない調子で目の前の支部長様に聞き返す。


「でって?何が聞きたいのー?」


「襲ってきたアイツらの、()()()()()()()()()だよ。俺たちの報告を聞いた上でどう思う?」


 実際に戦ったのは自分だ。矛先がどこに向いていたのかなんてよく分かっている。ただ……懸念がある。


「姫様でしょ、そりゃあ報告を聞いた感じはそう思うけどね」


 俺の主観も含んだ上での報告を聞いた上で……その場にいなかったショーゴンがそう思うのなら、もう否定はできない。


 狙われてたのは姫様で……相手が『簒奪者』なのだから。それが指し示すのは一つだ。


(なんで姫様が能力持ちって知られた……?もしくは能力持ちかどうか判定する能力がある……?)


 姫様の能力。『レーヴァテイン』のことを知られている可能性……それが否定できなくなった。


「とりあえず今は余計に喋ったりしないことにしようか、城に戻るよー。王様に判断を仰ごうか……って聞いてる?」


 もう既に俺はショーゴンの声が聞こえていなかった。確認することが山ほどある……


 まずは一緒に戦った二人にどう思うか聞こう。それがひとつ目。後は……


「はぁ……聞いてないねー」


 横で盛大にため息をつかれていた。それを見ていた女子三人は訝しげにこちらを見ていたのだった。



 ――――――――――――――――――――――――



 セントリア城、王の私室。戻ってきた俺たちはその部屋に通されていた。もちろん先程の事を報告する為に。


 ……とは言ってもほぼ全部ショーゴンが報告したのだが。聞いている分には補足説明も要らなそうだ。ホントに優秀なのね。


 ちなみに天原さんとあやみんにも誰が狙われてかを聞いたのだが、二人とも姫様だとは思うとの事。天原さんは他にもなにか気づいてそうな気がするけど……それは後で聞くことにした。


「そうか……いずれは知られるとは思っていたが……だがそうだとしてもだ」


 言いたいことは分かる。知られるのが早すぎる。そして……


「『知られる』のはともかく、この数日の間で襲撃してくるのは余りにも『知られすぎている』と言ったところですか?」


 王様は首を縦に振るだけで返事をした。それもそうだ。


 公務に関しては、デバイス持ちならある程度情報収集できるし、公にしているので簡単に手に入る。


 問題は襲われたタイミング。


 俺達がクレープを食べに行くことを知っている人は限られているのだ。俺に天原さん、あやみんに姫様、エミリアさんに王様。それとショーゴン。


 俺の知ってる限りではこの人たちが漏らすとは考えにくい。むしろちゃんと口を噤んでくれそうな人達だ。


 ではほかにどんな可能性があるのか。


 ①隠密系のスキルで情報収集、及び尾行されていた

 ②予知系の能力などで事前に先のことを知られていた

 ③ショーゴンと同じような能力で見られている

 ④ドローンのような遠隔操作可能な物で見られている



 ……正直な所、②以外だとノルンか天原さんの『神眼』レーダーに引っかかると思うのだが。

 余程高度な隠密スキルでないと俺はともかく天原さんは騙されない。


 ③については俺でも集中すれば何かしらの能力で見られているのは分かる。

 これも天原さんの『神眼』の方が今のところ精度が上だから気づくのではなかろうか。


 ④については論外。能力製なら俺たちふたりが気づくし、もし本当にドローンのような物が飛んでいたとして他の護衛のメンバーや衛兵が見つけられないってのは無い。

 まぁこれも偽装工作(隠密スキル)が無かったらの話。


 俺たちが来る前にこれら駆使して情報を集めたりされていたらなんとも言えない。

 ただ、姫様の能力が『レーヴァテインを呼び出すこと』って言うのは知られてないとは思うのだが。


 人前で出したのなんて数える程だろうし、今じゃ念話が使えるからな。表に出なくても相談とかはできるのだ。


 俺が考えてる間、場は静まり返っていたようだ。それぞれ思う所はあるんだろうし、そろそろ聞いてみますかね……


「んじゃ、俺から質問。この国のスイーパーで『予知』に該当する能力者っています?もしくは精度が低くても似通った能力とか……」


「そういった能力であれば、真っ先に抱え込むに決まってるでしょー?」


 まぁ、そりゃそうだわな。俺でもそうするしね。


「あの……私からも良いかな?」


 天原さんが手を上げる。正直言って意外だった。


「『夢の内容で予知する』って感じの人はいないのかな?元の世界だと『正夢』って形で現れていたんだけど、こっちでは『能力』でそれが出来るとか……」


 ……こっちに来た時点で『能力』として開花する形かぁ……それは盲点。

 でも、それもどうだろうか。一度寝ないといけないことを考えると、デメリットもあるし……


 第一、ピンポイントで欲しい場面の予知が見れるものだろうか?それが出来ない時点でかなり使いづらい。


 ……どっちにしても、自分から能力として『予知』だとは言わないかな。俺だったらね。


 ここでショーゴンが代わりに答えてくれる形になった。


「聞いたことは無いかなー。もし自分の事だとしても、その能力だとしたら隠しておくね。正直、自分だけが得すればいいって思うよ?」


「……そうですか……」


 少しシュンとする天原さん。多分自分なら……という意見とは真逆だったのだろう。


 あやみんが何とか励まして、表情を切り替えることが出来たようだ。多少はわからなくもないんだけど……


「『予知』でない以上、情報がどこかから漏れているか、もしくは能力者を判定できるスキルがあると思っておくしかあるまい。場内の情報についてはこちらで探っておく。後はそなた達が喋らないように徹底してくれ。ユーティリアも良いな?」


「分かりましたわ、お父様」


「では、今回はここまでにしよう。良ければ食事をしていってもらっても構わないのでな、ゆっくりして行ってくれ」


 王様のその言葉で各々部屋から解散する。

 だが、俺と天原さんは残っていた。理由は同じだろう。


「どうした?帰らぬのか?」


 王様が俺たちに問いかける。てっきり帰ると思っていたのだろう。でもーーそうもいかない。


「いえ。王様には話しておかなくてはならないことが一点あります……ですので」


「私たちのスキルについて……ですので今この場でーー」


 その先の言葉は王様の手が遮った。まるで今はそのときではないかのように。


「食事後にするとしよう。誰が聞いているか分からぬしな……相応の場所を用意するゆえ、今日は泊まっていくがよい」


 ことが大きくなったが、その方が好都合。


『神眼』の事は出来れば不特定多数に知られたくないからね。でもーー


(この人にはそろそろ筋を通すべきだ。俺たちのような問答無用で相手のことを知れてしまう……そんなやつがもしかしたらいるかもしれないってことを)


 天原さんの方を見ると、少し困った顔をしながらも頷いてくれた。

 同じ考えであることを確かめつつ、その時を待つことにした。




閲覧してくださってる皆さん、いつもありがとうございます!


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