107話〜その後の対処、そして疑念〜
Another View 『ショーゴ』
「分かったー、そっちに俺が行くから。周りの警戒をよろしくー」
刻矢から連絡を受けた俺は現地に向かうことにした。それにしても王の懸念は当たった形になってしまった。
(ただそれが、姫様を狙ったものだったらそうなんだけどねー……)
ハッキリしているのは『襲われた』という事実のみ。『なんの目的があったか』が分からない以上迂闊に人員を出すのもよろしくない。
それ自体が陽動だったら?他の狙いがあったら?
考えることは山積みだねー。
「それにしても、あの三人の対応……」
聞いてた分では『襲われるかもしれない』と言う『目星』が付いてないとこの対処の仕方は無理だね。やっぱりまだ何か知らない力を隠してるかな?
(それも含めて、確かめに行かないとね)
まだ完全に疑念が払拭されたわけじゃない。そう、あの三人だってまだ完全に信用したわけじゃない。
だから俺が監視役なんだから。王直々の、ね。
「って言ってもー、二人ほどかなーりのお人好しみたいだけどさ。心配はそこまでないけど」
いい意味でも悪い意味でも、あの三人は人を騙すような事は出来ないだろう。だからお人好しの評価なのだ。
「ま、いいや。直接見て判断するし」
取り急ぎ、現場に向かうかな。取り押さえてる連中も居るようだしね。
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Another View 『????』
実力を見るために差し向けた、そこそこの連中が瞬時に完封、か。
それにしてもだ。
「あのスピード……それに、盾になった猫、妙な形の紋様……話にあった『結界』……」
想定以上だな……!いいね、殺り合える日が楽しみでしょうがねぇ……!
「テンション上がっちまうぜぇ……!」
だが、もうちょい考えとかねぇとなぁ。まずは……
「あのスピード、ただの『速さ』じゃねぇなあ……?話にあった『例の能力』か?確か……」
『時間干渉系能力』。あいつの説明はそうだった。
ただの『速さ』ではなく、時間単位の『早さ』。
「人は『1秒』を認識できても、意図的にはそれ以下……『0.5秒』や、ましてや『0.01秒』を感覚的に体感できてるわけじゃねぇ……それを可能にするのが『例の能力』」
能力による『時間干渉』。認識できなかったものを認識できるようにし、細かい時間単位で動けるようにする。その結果――
「『速く見える』と勘違いってとこか?だが、対抗手段はあるなぁ……」
要は素でのスピードがそもそも速ければ勝負に持ち込めるわけだ。
「クハハッ……なんだ、勝ちの目はありそうだなぁ……!」
あいつが何とかできるなら他なんてどうとでもなるだろう。経験を元にすればなんとでも。
「ホンっトーに、楽しみだねぇ……!」
さて、準備を始めるかねぇ……アイツらから何もかも奪ってやるために。
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