102話〜閑話・それぞれの視点で〜
2019年の更新はこれで最後となります。読んでくださった皆様に感謝を。来年も頑張ります!
Another View 『天原 唯&アマテラス』
"唯よ。気づいているじゃろう?"
もちろん。さっきまで視界に入っていた刻矢君が居なくなっている。
(多分、なにかに気づいたんだね……)
"で、あろうな。早速じゃがスクルドの『念話リンク』とやらを使わせてもらうとするかの"
(それって私も会話に入れるんだよね?)
"スクルドが許可しておればの。まぁ許可して不利になることなど無いであろうから、できるとは思うがの"
(……そっか。でもこの子達のことも放っておけないから、アマテラス――)
"分かっておる。妾が確認しておくのじゃ。安心せい"
(うん、ありがとう。お願いね)
私はアマテラスにお願いして目の前の子供達に気を向ける。
何かあれば私が守る。絶対に。
だから私はこっちに集中しよう。今の私の役目は姫様の周りを守ることなんだから。
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Another View 「ユーティリア王女&レーヴァテイン」
"ねぇねぇ、ティアナー!"
(どうしましたの?レーヴェ?)
彼女が話しかけてきた。念話が出来ると知ってからは結構な頻度で話しかけられていました。
もちろんレーヴェと話すのは楽しいし、お互いを知るのは大事なので、出来るだけ話すようにしています。
ですが、いくつか決め事がありました。
まず一つ目に、なにか緊急の連絡や要件でない限り神様を介しての念話をしない事。
スクルドさんの『念話リンク』にわたくしも繋がっていることが分かったのですが、念話しても聞こえないから大丈夫と思ったんでしょうね。実を言うと聞こえていたことがありました。
その事にスクルドさんとレーヴェが気づいてからは自然と繋がらないように気をつけてくれています。
とは言ってもレーヴェ曰く、
『ティアナとボク、後はボクとスクルド、アマテラスのリンクだから、片方だけ繋がるようにすればいいだけなんだ!意外と簡単だったから大丈夫だよ!』
という事らしいです。その他にも、刻矢さんや唯さんと神々の方を通して念話出来ると言われましたが……
"ちょっと退屈なんだー……刻矢と話してもいい?"
(用事がないのに念話してはいけませんよ?あくまでスクルドさんからの説明では、緊急時のリンクという話だったでしょう?)
"えー!?お喋りしたいんだよー……ホントならティアナと話すのも今はダメなんでしょー?"
二つ目は公式の場、今のような公務の最中はあまり話さないこと。意外と念話はハッキリ聞こえていいのですが、他の人の声が混ざると念話の方が良く聞こえるため、誰かと話している時は原則として念話はしないことに決めました。
(本来ならですけどね。でもそうじゃないんでしょう?)
そう。レーヴェはいい子です。約束は極力守ってくれるのです。
そのレーヴェが今話しかけている。ということは……
"うん。さっきまで姿を捉えてた刻矢が居なくなってるよね?多分だけど見つけたんじゃないかな?"
(簒奪者……)
やはりいるのですか……
"いつでもティアナの呼び出しに応じられるようにしておくから!いつでも呼んでね!今のティアナなら、子供達を守れるよ!"
頼もしい友人ですね、本当に。
(その時は、力を借ります!お願いね、レーヴェ!)
"うん!まっかせてよ!"
わたくしは顔に出ないようにしながらも、周りに注意し始めます。
願わくば、このまま何も起こらないことを祈って。
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