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異世界でもぼっちになったので元の世界に帰ります。  作者: ゆーりぃ
2章〜帰還方法探索 編〜
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99話〜スキルに名前をつけてもいいんですか?〜

 


 俺は盛大に困惑していた。

 冗談半分でいつも言っていた『神眼先生』が目の前にいるようなものだ。どうしよう。


(勝手に呼んでたけども!先生ってさ!だって頼りになるんだもん!)


 半ばやけくそ気味に思っていると、クスクスと笑っているのがわかった。くそぉ……先生に笑われてるぜぇ……


 "力になれていたようで何よりです。今後とも、『先生』とお呼びになっても私は構いませんが――"


(え?うっそぉ、マジで?そのうえ優しいとか、パーフェクトじゃん。大人の余裕すら感じるわ……)


 俺の感想を聞いてなおも笑っていた。

 しばらく笑ってから、柔らかな微笑は絶やさぬまま、本題に入っていく。


 "ふふ、冗談ですよ?さて、初めてお会いしましたが……わたしから見て、()()()()()()()()()()()()()()()。今後一緒に旅路のお供をさせて頂くにあたり、お願いがございまして……よろしいでしょうか?"


(オッケー!先生の頼みなら極力聞いちゃいますよ)


 もはや即決。それだけ神眼先生には助けられてきたのだ!

 そしてその先生が『お願いしたいこと』があると来た!


(聞かない訳にはいかないのよね!)


 むしろ叶えてもいいくらいだ!そのくらい、俺は『神眼』は信頼しているってことで!


 "極力って辺りが正直でいいですね。無理なものは無理と主張できるところはますます信頼できそうです。ではまず、一つ目ですが……"


 はいはい。なんでございましょう?


 "マスターには()()()()()()()()()()()それが一つ目です"


 マスターって……スクルドだよな?

 どうしてなんだろうか?そしてそもそもだが……


(あなたは何者なんだろうか?スクルドをマスターって呼ぶあたり、実はスクルドの従者かなんか?)


 "正確には違いますね。まずわたしの定義ですが、正確にはマスターの分身……と言った所でしょうか。契約者であるあなたを見つけるまで、『神眼』を発動できそうな適合者をマスターと共に探し、『神眼』の発動を観測する存在でした"


 分身……そして観測と。

 これだけ聞くと簡単そうだが……そういう訳でもないのだろう。何百年とか掛かってるんじゃないのかな?


 "あなたを見つけ、『神眼』の発動が観測された時にわたしは消滅しました……そう、思っていましたが。完全には消滅していなかった……"


 声には少しばかりの戸惑いが残っている。消えるはずだったのに、消えてない。完全には分からないが、少しだけ気持ちはわかるような気がした。


 "わたしには消滅しなかったことには意味があると考えています。そして、まだやるべきことがあると。それを調べるのが今の使命だと感じています。ですがマスターに知られずに今、ここにいる。この意味を見出すまでは言わないで欲しいのです"


 喋っていくごとに真剣になっていく先生。


 "それでは二つ目です。こちらは今すぐにというわけではありませんし、おそらくマスターもお願いしているでしょうが……"


 ということは、スクルドの目的と同じか。

『力を取り戻す』。これだろう、間違いない。


 "私の力をとり戻して欲しい。これが二つ目です"


(スクルドと同じか……!)


 やっぱりな。だが、この感じだと三つ目は想像がつか

 ない。


 "最後に三つ目。わたしに愛称を、名前をつけて欲しいのです"


 ふんふん、なまえ――


(え?)


 "ですから名前です。呼び名、愛称とも言いますね"


 名前をつけて欲しいとは驚いた。と言うかスキルに名前をつけてもいいんですか!?


 "ええ、是非!刻矢さん――いえ、新たなマスターはどんな愛称にしてくれるのでしょうか?楽しみですね!"


 うぉーい!ハードルたっけぇ!女神様といい先生といい高すぎるんだよ!


 でも、まぁ。いつもお世話になってるし……


(んじゃ真剣に考えますか……)


 なにか取っ掛りってないだろうか?

 うーん、神様の分身がスキルに宿ったんだし、なにかの神様の名前とか?それだと候補が幾つか。

 ただ、決め手がないなぁ。ちょっと聞いてみるか。


(どんな名前がいいとかある?候補はいくつかあるんだけどさ。決め手がなくて……)


 "どんな名前がいいか、ですか……神の名前でなくても構いませんし、それに思うんです。こうして縁があったのも、何かの運命じゃないかと……"


 運命。運命か……


 "それにこうなると決まっていたとして、この運命は読めませんけどね……あ、もちろん私が見たものに間違いはないですよ?その内容は神だとしても覆すことは出来ないでしょうね"


 まぁ隠されたり、偽装されたりはありそうですが……という言葉をボソッと言うのやめて!


 ……ふむ。神であっても覆せない、か。

 そして運命……よし、決めた。


(ノルン)


 "はい?"


(今日から、君の事は『ノルン』って呼ぶよ)


 "一応、由来を聞いても?"


(運命の女神の名前って言うのと、ノルンはスクルドのことを指すこともあるということ。それに……)


 "それに?"


(運命は神でも覆せない……って意味もあったはず。ピッタリかなって)


 "…………"


 どうだろう?気に入ってくれると嬉しいけど……


 "はい。今日からわたしは、『ノルン』と名乗ります。改めまして名付けのマスター、よろしくお願いしますね"



 そして今日から新しく一人、旅路に加わることになった。

 これが未来において意味することを、まだ俺もノルンも、スクルドも。


 この時点では、まだ、誰も知らない。





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