デート その2
何者かに路地裏に連れ込まれ引っ張られる
相手は…子供?人ではないけれどなんとなくわかる。しかも複数人?
「お前達、そこまでにしておけ」
ヴァルカードはそう言うと子供達の前にひらりと降り立った
「ちぇー!もうおしまい~?」
「驚かそうと思ったのに全然驚いてくれないしつまんないの~」
「驚いてやっただろう。さぁリリスを返せ」
「本気で驚いてないじゃん!!!!」
「そりゃあお前達からはイタズラ心は伝わるが悪意は感じられないしな」
「全然わかんないよー!」
ちょちょちょ…
「ちょっと待って!?この子達はアンタの知り合い!?」
思わず大きな声で叫ぶ。そりゃ命の危険を感じたし。
「あぁ、コイツらには町に来た時に何度かイタズラを仕掛けられている。先程も言ったように民には視察しに来ているのバレバレだからな!」
「…なんか…もう…どっと疲れた…」
でも確かにヴァルカードがあんなに油断するわけないか…
「そういやお姉さんは魔王様の何なの?」
子供の一人が話しかけてきた
「リリスはな、我の未来の伴侶だ!」
「まだそう決まった訳じゃないでしょ!!!賭けに勝った気になるな!!!!!」
すると子供達はざわざわし始めた。
「あの魔王様が…?」
「周りに『結婚しろ』って言われても『好いた者が居ない』と一点張りだった魔王様に…?」
「やっと…?」
すると子供達は私達を残し町に向かって走りだして
「「「皆ー!!!!!!!!大変だあああああああああああ!!!!!!!!!!魔王様に彼女が出来たあああああああああああ!!!!!!!!!!!!」」」
と叫び出した
「!!!?!?だからまだそう決まった訳じゃないって言ったでしょう!!!?!?」
「はっはっはっ!これはもう結婚するしかないなリリス」
「アンタ…これを見越して…!?」
「いいや?まさかこんな事になるとは…ふははっ」
「笑うな!!!!!」
これ何気に外堀埋められてない…?大阪城の堀みたいじゃない…
…それはともかく一つ気になった事があった
「…子供の口に戸は建てられないのはわかってるからもう良いわよ…でも、あの子達の中に…『人間の子供』が居なかった?」
一人、翼も尻尾も何も無いただの人間の子供が混じっていたように見えた。
「…リリスは鋭いな。本屋に行ってこの国の成り立ちの本を買って広場で一緒に読もうではないか」
「なんで広場?」
「本を読むのにそこが一番ふさわしいからだ」
ヴァルカードはそう言うと私を抱えて町に向かって歩き出した。
子供は無邪気