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強引すぎる




「はっ…はああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?」



突然の発言に私は思わず叫んだ

何言ってんのコイツ



「お前は聖女なのに聖女らしくないその振る舞い。魔王を前に問い詰める度胸。だが良いぞ!そこが気に入った!我の伴侶になるがいい!」


「いやいやいや!私達初対面よね!?初対面で伴侶になれとかありえないんだけど!?」


「我にそのようなことは些細なこと。…だがしかし、お前の名前がない状態で婚約はまだ早いか…」


「そんな問題じゃないわよ!それに私には…ちゃんと…名前が…あれ?」



何故だろう。名前を思い出そうとしても思い出せない。記憶にあるのは私がどういう性格でどんな人生を歩んだかだ。私の周囲に居たハズの人達の顔も思い出せない。



「…転生召喚された者は膨大な力を得る代わりに前世の記憶の一部と名前を無くすのだ。思い出せないのも無理はあるまい」


「そんな…」



名前を無くすなんてそれは人間の頃の私という人物が死んだと言う事と同じだ。転生したって事実を突きつけられてでもなんとなくだった実感が今になって湧きはじめた。



「しかし聖魔獣よ、転生召喚した身となって新しい生を送る事になるのだからどのみちお前の名自体は新しくせねばなるまいよ」


「…そうね…そうなんだけど…」


「…む?」


「とりあえず名前より先に服をちょうだいよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」



今の私は全裸に白い布一枚。今一番欲しいのは服であった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーー

数時間後



「さぁ!商人を呼んで我が見立ててやった服はどうだ!」


「…うん、さっきよりはマシね…マシなんだけど…」




「なんで下は際どいパンツみたいなの一枚なのよ!?」


「似合っているぞ!我の見立て通りだな!」


「上はまだ髪の毛も床に着く位だからツインテールにして洋服はちょいセクシーで合わせると可愛いセクシーな良い感じなのになんで下だけダイレクトにパンツ!?」


「我ら魔族はその位が普通なのだぞ」


「は!?………あー…わかった」


ヴァルカードを見ると腕や下半身はちゃんと服を着ているが薄めの生地で出来ており、胸はダイレクトに剥き出しであった。胸に描かれてる紋章のような刺青からは力を感じるから力の象徴なのだろう。確かに気温が暑い気がする、そのせいだろうか。アラビアンナイトの登場人物も暑いからこんな格好してたのだろうか。



「納得したか?」


「嫌だけどわかった…それに」


「む?」


「アンタが一番良いって感じた服なんでしょ?着てやるわよ」


「…!聖魔獣よ…!」


「かっ…勘違いしないでよね!?アンタの想いを無視出来なかっただけなんだからね!?」


「これは脈アリと見てよいのか?」



魔王はニヤニヤ笑っている



「…っ!確かに!アンタはカッコいいし守備範囲だけど!まだ伴侶になるって許した訳じゃないんだからね!?」



すると魔王は聞き逃さないように私の腕を掴み



「言ったな!?確かにこの耳で聞いたぞ!ならばこれは貴様と我の賭けだ。我は貴様を一年以内に落とす!その時は我の伴侶になって貰おう!だがそうじゃなかった場合!貴様をちゃんと元の姿へ戻す。それで良いな」


人間へ戻れる!?元の姿への未練がないと言えば嘘になる。これはお互いにとって賭けだ


「…良いわ!その賭けのったわよ!」


「威勢が良いな、約束だ『リリス』!」


…ん?


「『リリス』?」


「お前の名前だ。今決めた。これからそう名乗るが良い」


「…はぁ、本当強引なんだから…」



これからの一年間、どうなるのか今の私には想像がつかなかった。

聖魔獣改めリリスちゃんとヴァルカードの賭けが始まりました。まぁもうタイトルでオチがわかってると思いますがリリスちゃん頑張れ


※予測変換タップミスを見つけたので訂正

ヴァルカードが提示したのは元の世界ではなく元の姿です

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