プロローグ
はじめまして。斎藤一です。
はじめて書いた作品なので不出来かも知れませんが最後まで読んでくれれば幸いです。
「おい、起きろよ侑斗。もう昼休みになっちまったぞ」
その呼び掛けに僕は眠りから目が覚めた。
「ごめん、直也。昨日遅くまで星を見てたんだ。そしたら寝不足になっちゃって」
「ほんとお前、星好きだよなぁ。たまには俺が薦めるマンガやアニメを見たらどうなんだ」
このフレンドリーな感じの青年は、幼馴染みの鈴木 直也だ。僕の数少ない友達でよく僕に自分が気に入ったマンガやアニメを薦めてくる。その熱意に負けて僕は、いつもそれに付き合わされている。
でも、なんだかんだいっても気心の知れた仲だ。
「マンガやアニメを見て空いた時間に星を見るから寝不足になっちゃうんじゃないか」
「だったら見なきゃいいじゃん、星。」
「ダメだよ。それは僕にとっての死活問題、それに星だけじゃなくて星座も見てるとどうしても時間がかかるんだよ」
「ハァ、なぁ前から思ってたんだけどさお前子どもの頃から星や星座見るの好きだったけど、アイツが居なくなってからなんかエスカレートしてねえか?」
直也が言った"アイツ"って言ったのは3年前に行方不明になってしまったもう一人の幼馴染みの鳳城 凛のことだ。
凛は裕福な家庭の娘でお淑やかそうな見た目だが、女の子に言うのはなんだが男の僕から見てもとても正義感溢れるカッコいい女性だ。
そんな彼女がある日突然に姿を消したんだ。凛の両親は捜索隊まで使って必死に探したし、僕も直也と一緒に朝から晩まで凛のことを探したが見つからなかった。
そして僕は凛のことが好きだと初めて気づいた。失って気づくなんてバカみたいだよな。
それから凛は死亡扱いとなり、彼女の御葬式に僕も出席した。
その日から僕は、正確には彼女がいなくなった日から僕は望遠鏡を覗くとそこに彼女がいるような気がして眺められずにはいられなかった。
「………………うん、たぶんそうなんだと思う。星を見てるとそこに凛がいるような感じがしてさ」
「……なんか悪いな、湿っぽい話しちまって。とっとと昼飯食っちまおうぜ」
「そうだね」
ーーーーー放課後ーーーーー
「侑斗、一緒に帰ろうぜ。ついでに本屋でも寄ってさ」
「うん、いいよ」
そして帰り道の途中、歩道を歩いてるその時パトカーに追われて猛スピードで走って来る車がいた。
周りの人達が逃げようとしている中、僕は転んでしまった女の子が目に入った。
「クソッ。バカか僕は」
とっさに体が動いてしまった。
「やめろ、バカ」
直也が何か言ってるけど僕の体は止まらない。僕は女の子を抱え、そのまま車と衝突した。痛みを感じる暇もなく僕の意識は僕の手から落ちた。
バァーーーーーーーーーーン
「侑斗………………は、早く救急車を」
「あ、ああ」
僕を引いた車はそのまま逃げていってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ああなんで飛び込んでいったんだろう。わかってる、わかってるんだ。
あの女の子が視界に入った瞬間凛のことが頭にチラついてつい体が動いてしまったんだ。
あの子は、助かったのかな?せっかく僕が体を張ったのだから生きていてほしいな。
直也のことだからすごく心配しているんだろうなぁ。あとで謝らないとなぁ。
けど僕は結局死んでしまったのだろうか。まだやりたいこと色々あったのになぁ。
嫌だなぁ……死にたくないなぁ……。
でも死んだら凛、君に会えるのかな?
「残念だけど君は死んでしまったよ。」
その言葉で僕は意識を取り戻した。僕の前には、銀髪の美青年がそこに立っていた。少し威張っているように見える。
それにここはどこなのだろう?
「貴方は、一体何者なんですか?それにここはどこなんですか?」
「そんなに一変に聞かないでくれよ。まず、私は君たちが言うところの神だ。」
何を言っているんだこの人?ああそうかわかったこの人、神田さんていうんだ。なるほどなるほど。
「君は本当にその神田さんがいてこんなところで君と話しをすることができるとおもうかい?」
「僕の心の声を聞かないでください!ってことは、貴方は…ほんとに神様何ですか?」
「そういうことだ。それにさっき君が"ここはどこなのだ"と質問してきたが答えはそうだなぁ言うなれば神界といったところだ」
「ここが……神様ほかに質問していいですか?」
「いいけど手短に頼むよ。あまり時間を使ってられない」
「……そうですか。それじゃあ、あの女の子は助かったのですか?」
「ああ、それなりの大怪我を負ったが一命は、取り止めたようだよ。」
「それはよかった。それではもう一つなぜ僕は、ここによばれたんですか?」
「君が読んでいた本のような神様のドジや手違いで殺してしまったとかではないよ。単純に君の死は予定外ということだよ。つまり君は生き返るということさ。だけどもとの世界にはかえれないよ」
ちょっと期待したんだけどなぁ。流石に無理か。気持ちを切り替えよう。ていうか神様も冗談言うんだな。失礼だけど少し親近感が湧いてしまった。固い感じの人だと思ってたけど勘違いかな。
話しが脱線してしまった。
「では、どのような世界で生き返らせていただけるんですか?」
「そうだね、魔法が一般的なファンタジーな世界だよ。だから君も魔法が使えるのさ。どんな魔法が使えるかは、いってからのお楽しみにだよ」
つまりマンガやアニメのような世界だということか。直也が知ったら絶対羨ましがるだろうな。かくいう僕も少しワクワクしてる。
「そうですか。楽しみです」
「そろそろ時間のようだ。ついでに容姿はそのままだから安心して。じゃあね」