章のまとめ
・この章の内容
いまだに『バトラー』の過去話。
失意と無力感に襲われ次の『瀬野悠馬』は地球に送り返すと決めた。そのためには『転移石』が必要なので、『王都』へと向かう。途中『マサラ鉱山』へと寄るがそこはゴーレムの導入に遅れすっかりと寂れていた。
『王都』は『マサラ鉱山』と違って以前と変わりはなかった。そこで『転移石』を得るために『竜安寺富蔵』と会う。もはや他人となっていた二人だが、輸送手段として『船』の存在を教える代わりに発掘次第『転移石』を譲り受ける約束を果たす。
その後『バトラー』は武闘会に参加する。優勝賞品が『転移石』として利用できる魔晶石であることと北方蛮族の族長『カガチ・デ・ワノフ』が出場するからだ。武闘会には『スチュワート』も参加した。
大会では『ナウル伯ボルグ』などを蹴散らしながら順調に準決勝にまで進む。そして準決勝では『カガチ』と戦うことになった。そこで惑星の重力を軽く振り切る投石などを受けて勝利を諦め降参する。決勝戦は『カガチ』と『スチュワート』で争われた。建物を崩壊させるほどの戦いであったが両者は本気のレベルではなかった。そして『スチュワート』は「バトラーが負けた相手には勝てない」と降参し『カガチ』の優勝で大会は幕を降ろした。
『カガチ』は『バトラー』に非常な興味を抱いた。『バトラー』も賞品を譲って貰う必要があった。そこでカガチの領地でしばらく過ごすことを条件に賞品を譲り渡す約束が交わされた。
『カガチ』の住む『北の地』は『未来の世界』と異なり暖かで緑豊かだった。しかも『魔法力』に富んでいるため、人を含めて強力な生物が住む領域であった。その地に住む人々の強引な交流に巻き込まれ5年を過ごした。その日々は『幸子』や『節子』を失った心の傷を癒すには十分だった。
一方で戦うことが大好きな人たちであり「喧嘩」と称して襲われることも日常的な出来事であった。しかし『スチュワート』と戦う可能性を考慮すると歓迎すべきことでもあった。特に『カガチ』との「喧嘩」はバトラーに得難い経験と様々な試行錯誤を生み出させた。そこで生み出されたのが『虹色軟膏』である。他にも『散弾を利用したナノマシンの散布』、『血液を詰めた小瓶』や『分身』等々も考案した。
そして5年後、北の地に対する王国軍の侵攻が始まった。
・登場人物・用語等
バトラー:主人公。この章は全部この人の「夢」という名の「過去編」。心を病んでいる最中。この章が終わった段階で37歳。
竜安寺貴子:まだ生まれていない。美少女に育つ予定。主人公の命の恩人。一応はこの子が幸せな未来を掴むために頑張っているはず? いや、はずだった?
竜安寺富蔵:竜安寺貴子の祖父になる予定。竜安寺商会の会長。大金持ち。貴族のハーフ。未来からやってきた少年時代の主人公を保護した。
竜安寺権蔵:竜安寺貴子の父になる予定。富蔵の息子。ファームル伯領の僭主。噂ではファームル伯ザルグ家を追い出した。富蔵と共にファームル伯領の開発をしている。利益は他の貴族にも配っている。富蔵とは会っていないが一心同体の活動をしている。
竜安寺幸子・節子:富蔵の妻と娘。既に故人。権蔵がファームル伯領の僭主となった原因の一つ。主人公の心が壊れた原因でもある。
スチュワート:非常に強い。スチュワートは要注意人物に対して『執事の穴』から廻状代わりに付けられる名称。未来における貴子の仇。ファームル伯ザルグ家縁の者。故人であるザルグ家のアンリを主と仰いでいる。ファームル伯領を竜安寺家から取り返して以前の姿に戻すことに命をかけている。そのためには竜安寺家を徹底的に潰す必要があると考えている。現在浪人中で仕官先を求めている。
カガチ・デ・ワノフ:北方蛮族の族長。圧倒的に強い。戦うことが大好き。第一部にも登場した。一部、二部に出てきたルゥ・ドゥー・カガチの父親。大男だが闘気的ななにかでさらに人外なレベルの大男に見える。
ナウル伯ボルグ:サディスティックな変態。並みの貴族の中では強い方。別の世界では竜安寺家と縁を持ち結構な悪さをしたことがある様子。ナウル伯領は祖父の代からの開発でかなり豊かな土地となっている。ただしここ三代で豊かになっただけであり家格としては低い。本人はそれが不満。
バトラー(称号):一世代に一人だけ名乗ることが許される王国で最強・最高の称号。主人公はそれにふさわしい実力を持っていない。
竜安寺商会:竜安寺富蔵を主とする商会。ファームル伯領の僭主である権蔵と持ちつ持たれつの関係。多くの貴族に貸しを作りつつファームル伯領の利権を握っている。かなりの資本をもつ。
執事の穴:バトラー養成機関。バトラーが死ぬと新たなバトラーを育てるために開かれる。主人公もここで訓練を受けた。主人公の同期はスチュワート、ファロス、フローラ、マルス。バトラーが死亡した場合には残りの者で新たなバトラーを育てることになっている。そのためバトラー以外は殉死が認められていない。(詳しくは前章を参照のこと)
魔法力:色々な強化や不思議なことを起こす謎の力。
魔晶石:魔法力を大量に含む魔鉱石を精製したもの。電気代わり等々で様々に利用されている。
転移石:巨大な魔晶石のこと。タイムマシンに必要。他にも時空の狭間に消えた『瀬野悠馬』を呼び出すために必要(書いたつもりで書いてなかったのは秘密)。都合2個必要。
武闘会:この頃は普通に殴り合ったりしていた。今回の騒動でルールが変わり第一部のような魔法力の削り合いになった。
北の民:蛮族扱いの人たち。魔法は使えない。代わりに魔法力は肉体強化に全振り。
北の地:王都よりも北のナドヤ山を越えた地のこと。さらに北には海がある。一部では雪原だった。この時は火山や海からの空気で温暖な地。魔法力が豊か。九伯家に狙われている。
船:水に浮かぶなんて知られていなかった。
散弾:小さな球を散らすように飛ばすから散弾。主人公はナノマシンの散布に利用する予定。
血の入った小瓶:ナノマシンを周囲に散布するために蒸発させる予定。
分身:百人創って同時に練習すれば百倍の効率で訓練できるんだってばよ!(ナルト並みの感想)
ナノマシン:粒子レベルで操作する主人公の命綱。
時空コンピュータ:謎のデータベース兼、観測・分析機等々のなにか。なにかはわからないが主人公は利用できる。




