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怠惰 1 呪いの打ち消し


私は人里離れた集落で偉大な血族とされる“オラスタン”の嫡男である。

 我々の一族は必ず男が生まれ、とても権力を持つ代わりにここ2代は成人後に長生きできなかった。

 私の場合は両親がそろっていないが、母とその両親、曾祖父が一人息子の私を面倒見てくれた。


「お前は70くらいは長生きできる……いや、そもそも普通の人間の寿命だがな」


曾祖父は人間より長生きする種族で、父方の祖父や父は混血であまり長生きできなかった。

それでも成人できないのが大半なのに、こうして世代を繋いでいるのがすごい。


「おじい様、なぜ私は長生きできるのでしょうか?」


「二人はコルムだったからだ。お前は違う……」


コルムとは混血で成人できたら付与される称号のようなものである。

まだ成人してもいないうちに、判別ができるとは思えない。

まさか血を引かぬ養子だとか言わないよな。


「お前はクルムの花婿だ」


 クルムとは女の混血を意味する言葉である。混血の固有名詞はコルムで、男は本来キルムが正式名称である。

 父親が人外なら男児しか生まれない。逆も然りでクルムの一族の主が女だ。

これらは王をクルあるいはキル、コルと呼ぶことから語源がきている。


「それって……」


幼少期に一度、コルムが花婿か花嫁なら呪いが打ち消されるというのを聞いたことがある。


「明日、迎えが来る」

「向かえってどこから?」


「エルジプスだ」




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