誰にも届かないエピローグ
「あっは。アルルくんがやられたようだね」
「……」
「だが、奴は我ら四天王の中でも最弱。四天王の風上にも置けない、面汚しよ」
「……」
「ふん、次は私自らが出よう」
室内には、二人の男性がいた。片方は玉座に腰掛け、空気のように軽い雰囲気を纏っている。
もう片方の男性は、マネキンのように微動だにせず、その場に棒立ちしていた。
その棒立ち男は、まったくと言って良いほど特徴のない青年であった。強いて言うのならば、大きな眼鏡だけが特徴だろうか。
「もー、ノリが悪いなぁ。僕、そういうきみ、嫌いだよ。四天王ごっこ、付き合ってよ」
「……」
「はぁ。幾ら残り者といえど、もっと感情があっても良いじゃないか。彼は何をやっているのだろうね」
軽い雰囲気を纏った男は、がっかりしたように溜息を漏らした。
飽きたように、軽い雰囲気を纏った男は、手元のゲーム機に目を落とした。がっかりした態度を一変させて、ニヤニヤとゲーム画面を覗いている。
「……」
眼鏡の青年は、びくりともしない。ただ静かに、死んでいるように停止している。
「あ! 選択肢間違えた」
軽い雰囲気を纏った男が、地面に携帯ゲーム機を放り投げた。ゲーム機は音を立てて壊れてしまう。
その光景を見た眼鏡の青年は、初めて表情に変化を生じさせた。
「……壊れた」
「あは、そうだね。さて、本当は誰でも良いんだけど、僕はきみを使うのが一番面白いと思うんだ」
「……」
「だから、これからきみには強くなって貰う。目標はそうだね? 取り敢えずはミロン・アケディの能力の回収かな」
面白くなってきたぞ、と軽い雰囲気の男は口元を綻ばせた。




