誰も知らないエピローグ
無人となった廃工場では、ベルトコンベアが静かに稼働していた。無機質な音を奏でつつ、只管に人肉を運び続ける。
その肉が行く先には、巨大な穴が存在した。特に描写するに値しない、ただの巨大な穴である。
そこに、びちゃびちゃと肉片が落ちていく。肉の山が生み出されていた。
下の方にいくと、肉がすっかり腐敗し切って、実に悍ましい光景を生み出している。
「やあ、やあ、やあ、やあ」
残り者は悉く殲滅され尽くされた。ミロンたちは既に第二ドームに戻った。
無人だった筈の廃工場に、一人の男が現れていた。その男は、顔中を火傷していた。
爛れた顔の上に、馬鹿のように白粉を塗りたくっている。鼻には赤いボールのようなものを嵌めていた。
まるでピエロのような男であった。
「別に……大した施設じゃなかったけど。やあ、困ったなあ。これ、怒られるの、俺なのかな?」
困ったと言いつつも、男は喜悦に満ちた顔をしていた。火傷の跡が、生き物のように歪む。
「いいさ。いいさ。怒られるのも一興一興」
それに、とピエロ男は呟きを続けた。
「実に面白い『創り者』たちだったね。あの紅い目も気になったけれども、やはり一番はあの髪。『命ノ灯』!」
男の哄笑が廃工場を支配する。まるで『壊れ』たかのような笑い顔。狂気がピエロ男を覆っている。
やがて、笑い終えたピエロ男は、懐からフラスコを取り出した。
「さあ、大きくなるんだよ、俺らの可愛い、お友達」
フラスコから真っ赤な雫が一滴垂れた。




