女神と少年と師匠と国王
「まだまだ楽しめそうだな」
国王は笑みを浮かべながら見ている。逆に三人は余裕がない顔で国王を睨んでいた。
「すまないが俺は援護しかできない。攻撃したとしても俺の魔法じゃ歯が立たないからな」
その言葉にテトは驚いていた。
「師匠ですらかなわないのか」
シグはカリアと一度戦っているので少し手を抜いていたとはいえ本気を出しても国王にかなわないことは薄々わかっていた。
「なら援護お願い。先に私が先行してその次にテトそしてカリアで行くわ」
シグが行こうとしたところでカリアはシグをとめた。
「少し待ってくれ」
カリアはテトとシグ手を向け、魔法を唱えた。
「風よ」
するとテトとシグの手と足に魔法陣が出現しテトとシグの体を少し軽くした。
「軽くなった。師匠これは」
「これは風の力で少し体を軽くしている。かなり動きやすくなっているはずだ。そして打撃攻撃も風の力を利用して少し強くしてる。まぁ打撃攻撃が届きそうな相手ではないが」
説明を聞いた後シグは少しジャンプをして慣らした後「いくぞ」といい国王に向かって走っていった。その速度は先ほどの戦いよりかなり増していた。
「作戦会議は終わったか」
国王は立ち上がると雷の魔法を使いシグの上から雷を落としまくる。だがその雷はシグの後ろに当たる。
「ほう」
雷を交わし終えたシグは国王の寸前まで近づき剣を振るう。国王も剣を抜きシグの剣とぶつかる力は拮抗していてコンマ零秒国王の動きが止まる。シグはテトの足音を確認すると、拮抗していた剣を少しずらし受け流す。国王は受け流された途端左手を剣から離しシグに向け魔法を放とうとした。
「風よ」
魔法を唱えた国王の左手に風が集結していく。だが放つ瞬間シュワーと音を立てて集結していた風が消えた。
「な!あいつか」
風が消えた瞬間にシグは少し左に避けテトに道を開く。そして避けたところからテトが迫る。テトは黒いオーラをアーチ状に放ち捕まえようとする。
「魔法が使えないならこうするまでだ」
国王は剣を捨てテトに一歩近づき掌底打ちをする。だがその打撃はテトに当たったもののダメージが通るまでは行かなかった。
「は、まさか打撃まで消せるのか」
国王はすぐに後ろに下がろうとしたが後ろにある気配に気付く。
後ろにいたのはカリアだった。カリアはテトのアーチを繋ぐように風の壁を展開した。
魔法も使えない、打撃も効かない状況で捕まえたと思った3人の前で国王はすぐさま行動にでた。捨てた剣を拾いすぐさま風の壁に切りつける。幾ら風の壁とはいえ鋭い剣は防ぎきれずそのまま切れた。そしてそこからすぐに脱出し、カリアが驚いた隙を狙い蹴り飛ばした。
「風の壁は意外と薄い、まさか知らなかったのか」
カリアは壁の弱点を知っていたが知られているとまでは思わなかった。
シグとテトはすぐに距離を取る。蹴り飛ばされていたカリアもすぐに風になって距離を取った。
(さて、どうするか)
シグは考えるが絶好のチャンスを失った。それにまだ国王は全力を出してはいない。魔法を封じれば別だが、テトとシグにした風で軽くすることも普通にできるだろう。だがそれを使わないところからまだ油断しているようだった。
考えが思いつかないままシグは国王に迫った。次に国王は火球を出した。シグは右に避けるものの国王が手を避けたシグに向けて電撃を放つそれをかわしきれずに当たってしまった。その電撃は強く、気を抜けばすぐに意識を持っていかれそうなほどだった。
「ぐあぁ」
喚いているシグにテトが近づいた。そして国王の第二撃を防いだ。
「シグ、少し作戦会議するよ。師匠も」
師匠はすぐにテトに近づきテトはオーラをアーチ状に展開してぎゅうぎゅうだが3人を詰めこんだ。
「おいテト、めっちゃ狭いんだが」
「2人とも汗臭!」
シグは鼻をつまんで耐える。2人とも少しも戦意喪失していなく落ち着いていた様子をみてテトは安心していた。
「また作戦会議か」
そういって国王は椅子に座って肘を着いた。
その間ちゃくちゃくと鎧騎士が城を上がっていった。




