女神と少年と国王
テトが泣き終わるまでにかなり時間が掛かった。
「ごめんシグ、よし・・・・行くか」
テトはゆっくりと立ちあがり出口へ向かう。
「テト、覚悟はできてるの?」
シグは自分を責めていた。自分がでてこなければ、あんなところでテトに会わなければ、テトは人殺しをせずに済んだのに。
「なんでそんなことを聞くの?」
シグは少し俯いていた。
「テトがここまで来たのは少なくとも私のせい。私に出会わなければ実際国王とも歯向かうこともなかった」
だがテトはそんなことを思ってもいなかった。
「それは違うよ。ボクはどっちにしろ国王には逆らっていたと思う。ボクは他の生徒とは違い軍の誰1人尊敬など英雄視などしていない。この国にあるのは不満だらけだ。ただ、シグと出会って変わったのは国王を倒す力を、国を変える思想を、人を思う心が変わった。そのおかげで最高の日々を送れた」
その言葉を聞いてシグは泣きそうになっていた。
(こんなことを思っていたのは自分だけだったんだ)
次にシグが泣き出してしまう。けどシグはすぐに泣き止みシグはテトを守ると覚悟した。そして階段を上がる。上がった先には歌劇場より広い空間だった。
中央にイスが1つ置いてある。そこに国王は座っていた。
「使えない兵どもめ。まさか餓鬼1人も殺せないとは」
その姿はとても貫禄があった。大きな王冠に足まであるマント、腰には長剣を携え、右手には杖を持っている。
「あなたが私達に勝てるの?」
シグが長髪すると国王は笑った。
「は?あの防衛隊と神父を倒したぐらいで図に乗るなよ?防衛隊なんぞあんな名前を掲げているくせに全員掛りでも余を倒すことおろか、満足させることもできんかったわ。神父は悪知恵と加護があったからな利用できる限り利用したがまさか死ぬとは」
はっ、と鼻で笑いテトとシグを睨む。大層自分の実力に自身があるようだった。
「ふっ」
突然国王は笑みを浮かべるといきなりテトとシグの下に直径10mほどの魔法陣が出て炎の柱が一瞬でできあがった。シグはすぐに左に避けたがテトはオーラで少し防げたものの熱量は家を燃やした魔法使いのよりも数倍以上あり腕に軽いやけどをした。
「さすがだな」
「国王、私達が城に入るまでのあんな同様はしないようだな」
シグは国王の様子が変わっていることに気付くとまた国王は笑う。
「あれはあれで怒っていたが、それよりもここの兵の弱さで怒りすら失せたわ」
次に国王は雷を室中に落としまくる。ランダムに落ちてくるがテトたちは交わす。当てようと思えば当てれるようだが、交わしている様子をみて国王は楽しんでいる。
「なんだこいつ。異常すぎるだろ」
「国王は代々こんな感じよ」
国王の強さは異常だった。国王の言っていた通り防衛隊との実力と段違いだった。よくアリアは代々国王たちを一人で倒せたなと少しアリアの実力を恐れた。
シグの言葉で少し国王の顔が歪む。
「余をお父様達と一緒にするなよ?余はいままでの血縁の中で一番才能があり、さらに努力も惜しまずしてここまで上り詰めたんだ。あんな才能だけのやつと一緒にされては困るな」
国王も最初のころはしっかりしていたようだった。なぜここまで落ちたのか理由が全くわからない。
「なぜここまで堕ちたんだ?前の国王を不満がるのならこの国を変えようとは思わなかったのか」
テトが疑問に思ったことをシグが聞いた。思ったよりも国王が聞く耳があるようで素直にほとんど教えてくれる。
「逆だよ逆。お父様達の政策を変えることで戦うより、政策をより一層高めることでお父様達を利用したほうが得だろ?そのおかげで今の生活が手に入ったし、目の前になかなか骨のありそうなやつが現れたしこのまま突き進んでやる」
国王は変われると思っていたシグだが国王を変えることは不可能だった。根本的に考えが違った。
「さて、さらに難易度アップだ」
次に横に数本のレーザー光線などが出現する。そしてそれがテトやシグ目掛けて迫ってきた。
「さぁ、交わせ!当たれば焦げるだけでは済まんぞ?貴様の力でも防げるだろうがどんどんでてくるぞ~」
国王はとても楽しんでいた。テトは力を少しでも温存するために力を使わず紙一重交わす。シグも交わすがシグですらギリギリだった。
テトは交わすのに疲れ、足が床のカーペットに取られ転んでしまった。
「しまっ・・・・・」
レーザーが顔面まで迫るその瞬間突風が吹きテトはその風に飛ばされなんとか逃れることができた。
「そうか貴様がいたか」
そこには防衛隊のカリアがいた。カリアをみたテトは驚愕の顔をした。
「師匠!」
カリアのことを師匠と呼んだテトを国王はみて少し納得したようだった。
「ほう。なんか似ていると思ったが貴様の弟子か」
国王はカリアを少し過大評価しているようだった。カリアは国王ができなかった風の体になれることや教えることに関してはかなり高く兵士育成に貢献した人だった。
「師匠、なんでここにそしてその服!」
テトは信じられなかった。カリアが敵の1人だったことを。だがテトは助けてくれたことに味方だと思った。
「すまない。テト、私はテトにあうころからもう防衛隊の1人だったんだ」
「そんなこといっても貴様は敵だろ?」
国王やニヤリと笑い敵でも大丈夫なようだ。
「そりゃもちろん。弟子を守らない師匠がいますか?」
とテトの頭をポンッとたたく。
「半信半疑だとしても今は信用してくれ」
テトだけに聞こえるように小さな声でいった。
「わかった」
そして3対1となった。だがまだまだ国王には余裕の顔が伺える。
国王戦はできるだけ激戦を繰り広げたいのかなり伸ばしたいと思います!




