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女神の夢 後編

後編は一変してシグたちに危機が訪れます。

次の夢は寝室から始まった。


「あれ、私寝てたの?」


シグは起きて周りを見渡した。すると、アリアは座って本を読んでいた。


「ぐっすり寝てたわよ~。さすがにきつかった?4人対戦は」


シグは縦に頷いた。


「それより順番が悪かったわ。先に、テレスからしとけばよかった」


はぁ~、とため息をつくシグ。


「まぁ強さ的に低いほうから、テレス、サクマ、私、アルバだからね、今日のところ」


にゃはは、とアリアが笑う。その時、

_____ダダダダダガチャ


「シグ殿おりますか!」


とても急なのか、アルバがノックをせず入ってきた。


「いますよ」

「私もいるよ~ん」


「それはよかったです。はぁはぁ、反乱分子が動き出しました」


その言葉と同時に2人は動き出した。


「私たちは着替えるから先に向かってください」


アリアはすぐに指示をだし、部屋に向かおうとする。


「シグ殿、アリア殿、場所は、正門です」


「わかりました。御武運を」


アルバが向かった後、3分ほどで準備を終えた。


「まさか正門から堂々とやってくるとはね」


 この時代の正門はテトの時代と少し変わっていて、中心部はなく、外側から国外への門が正門だった。反乱分子たちは自ら、国を出て他の国と協力し、近くに住み着いていたのだ。

 城から門までは馬を使って移動することになった。


「サクマたちは大丈夫かしら」


シグは少し不安に思っていた。


「あの人たちなら大丈夫よ」


アリアはそっと励ました。

 城と門までの距離が中間あたりに入るとたくさんの負傷している兵士がいた。


「医療班が足りません!誰かいませんか!」


という叫び声も聞こえていた。途中重症だが手が回っていない兵士が3人ほどいた。


「シグっち、あの3人を治療してきてくれない?」


突然の指示にシグはアリアをみた。


「でもサクマたちが!」


「それなら私一人でも大丈夫。目の前に生きれる人をほっとけないわ。あなたたち名前は」


「カルです」

「シリアです」

「テラです」


「治ったら私に会いにきなさいね」


アリアは笑顔を向けて正門へと向かって行った。シグは馬に持たせてある応急キットを取り出した。


「あなた方は、私が助けます!」



 アリアは正門から30m離れた所で装備を整え正門へと走った。

そこには、正門から外側から放射線状に盾を構えている兵士たちと、アルバ、テレス、サクマの姿があった。


「大丈夫?」


アリアの声に気付いたテレスは、顔をアリアに向けた。


「意外とキツイかも、他の兵士たちは遠征から帰ってきている直後だから弓兵しか動けないらしい。だが、馬は俺たちの移動で弓兵側にはまだ向かっている途中だ。それに敵の数が思ったよりも多すぎる」


敵の数は、横30m、長さ30mにびっしりといた。そしてその敵たちが中央の門に集中して攻めて来ている。


「まずは弓兵が来るまでに、敵のリーダーを見つけなければ、見つけて弓兵が倒してくれたら敵の士気は一気に落ちるはずよ」


指示の後、敵のリーダーはすぐに見つかった。リーダーは固い鎧を着ているものの指示を出すため顔の鎧ははずしていた。


「いたわ!後は耐えるだけよ」


だがその時、右斜め前にいた兵士が押し負けた。そして1人敵が入ってきてアリアに剣を持って迫ってきた。

_____グサッ


「な!?なんで…」


「ご無事でしたか。アリア殿」


剣は、アルバに深々と刺さっていた。


「アルバァァァァァァ!」


テレスとサクマも驚愕としていた。




「よし、これで治療も終わり、あとはゆっくり休んでなさい」


「「「ありがとうございました」」」


治療を終えたシグは、正門に向かおうと馬に乗ったが少し胸騒ぎがした。


「急がないと」


シグは馬に鞭をうち、馬に限界ギリギリの速さで正門へと向かった。



「アリア殿…」


「アルバッしっかりして!アルバァ!!」


アルバの背中から腹にかけて剣鎧ごと貫通していた。


「なぜ、鎧が貫通する!」


「ヴッ…この剣は周りに黒曜石が混ぜてい…ま…」


「しゃべるな。これ以上しゃべると」


涙目になりながらもアルバの傷口を押さえていた。


「どうせもう持ちませんよ。騎士である…私が…仲間を守れて…本望ですよ…」

そして笑顔を見せて目を閉じた。


「ぐ…くそっ、くそ!」


アリアは泣きながら地面を叩いていた。


「アルバの分までがんばるぞ!」


テレスの号令に落ち込んでいた兵士たちの士気が少し戻った。


「お譲、シグさんがきました。先に報告にいってください」


シグを見つけたサクマがアリアに提案した。テトの夢の中では初めて言葉を発した。


「わかったわ」


アリアはサクマたちに背を向けて駆け出した。途中で鎧が重過ぎるので胴の部分を外した。そしてシグまで10mほど差し掛かったとき、敵の1人が3本矢を重ねて放った。後2本は前方の騎士の盾で防いだが、1本だけは騎士の頭上を越えた。


(まさかこの軌道は!)


テレスはすぐに矢の軌道を読み取った。


「アリア!!後ろ!!」


だが言うのが少し遅かった。


「えっ…」


アリアが後ろに顔を向けた瞬間矢が背中に刺さった。


「アリア!!!」

すぐにシグが駆けつけた。背中を触ると、大量の血がついた。


「私のせいで…」


アリアをシグの元へ行かせた自分のせいだと思ったサクマは動揺して、防御がおろそかになった。


「おい!気を抜くな!」


敵はその隙を見逃さなかった。サクマの盾を押し破り、倒れたサクマに一斉に剣を刺し、そこから敵が流れ込み、なすすべがなくなったテレスも刺されてしまった。


「クソッ…」



「な…」


シグはその光景を信じることができなかった。


(アルバは!)

入り口に視線を持っていくとアルバの死体が見えた。


(…!)

もう言葉すらでなかった。その間に敵が門を破り中に入ってきた。


「シグさん」


後ろから声がして振り向くと救護班の人だった。


「アリアさんを治療します。後ろから弓兵部隊が来てますので、あなたも乗ってください」


この時にはもうシグは決断していた。アリアはまだ生きていたが意識はなかった。


「アリアは任せる。…けど、私はここに残るわ」


その決断に救護班の人は驚いた。


「なんでですか!彼らの仇を取りたいのはわかりますが、この状況であなたが残ればきっとアリアさんは耐えられない」


シグは必死で止めようとする救護班の人を押した。


「大丈夫、私は死なない。今はアリアの命だけに集中して」


シグの決意は固く、敵はぞろぞろくるのでどうしようもなくなった。しかたなく救護班はアリアだけつれて、城へと帰っていった。

 そしてシグは敵へ向け放った。


「貴様らが!!よくも大切な…大切な仲間を!」


シグは持っていた盾を捨て、剣一つで、敵へ駆け出した。


 シグ1人に対して敵の数は約800人ほど残っていた。

 シグは一番近くにきた敵1人を剣で貫き、そのまま剣を捨て、即座に敵の剣を奪い切り捨てていった。その戦い方は前に見た稽古とは全く違っていた。

 シグは敵のリーダーめがけて一直線に走っていった。


「弓兵、早く射て!」

リーダーは、恐怖を感じ弓兵に指示を出した。

弓兵はシグに弓を放とうとした。

その時、シグは、狙っていた弓兵を睨んだ。すると、弓兵は少し怯え、手元が狂い放った。放たれた矢は、シグのわずか後ろを通り過ぎ切りかかろうとした兵士の脳天を貫いた。


「なにをやってるんだ!」

外した弓兵を怒るがもうシグは残り10mまで迫っていた。


「くそ!」

 リーダーは剣を握るがもう遅かった。シグは先に剣を持っている右手を切り捨てた。痛みで、左足を軸に倒れるが、60度ほど傾いた時に左足が飛ぶ。そして地面に倒れた。


「ぐああああああっ、貴様っ」


必死に抗うが戦う力が残っていなかった。


「殺せ!」


その指示とともに5人がシグの周り囲み切りかかった。

だがシグは一瞬にして5人の首をねた。


「なんだと…くっ…」


 死を決心し、舌を噛み切ろうとしたが、歯にある感触は液体だった。下をみると、自分の舌が転がっていた。


「!!!!???!?」


リーダーは泣いていた。そしてシグの顔をみると返り血だらけで、目が赤く染まり、その形相は悪魔のようだった。


「ただで死なせると思うな」


 シグはリーダーのわき腹を刺した後、10秒間ごとに刺していった。周りの兵士は、恐怖のあまりに見ることしかできなかった。


 100回ほど刺すと、門の上からシグの味方の弓兵がたくさん出てきた。


「シグ殿~、いますぐそこから離れてください」


弓兵のリーダーが警告するとシグは弓兵リーダーのを見た。


「私ごと放て、早くしないと逃げられるぞ。…どうせあたらん」


後半は小さくつぶやいた。


「ですが!」


だが弓兵リーダーは抵抗した。


「聞こえなかったのか!私はどうなってもかまわん」


その気迫に負けたのか弓兵リーダーはしぶしぶ指示を出した。


「放て」


 一斉に矢が放たれ降り注いだ。それは雨のようだった。


「うわぁん…うわぁぁん」


シグには一本もあたらず、仲間が死んだことを悔やみ、泣きながら門へと向かった。




 戦いが静まると、シグは教会に呼ばれた。入るといきなり歓声をがあがった・


「ああ、神よ」


中央に立っていた神父らしき人がいった。


「なんのことだ」

その後、神父は事情を説明した。


「あの状況を1人で覆されたのです。それに、弓の雨に1本もあたらなかったとか」


「ああ」

シグは頷くしかなかった。


「その力は神に等しい」


神父はシグを絶賛していた。


「なにが神だ。私は友も守れなかった」


その言葉は、シグ自身にも言っているように聞こえた。だが神父は首を横に振った。


「それなら、気が済むまで私たちの用意したところにいてください。少しは心が休まるはずです」


といわれ、シグは神父たちの用意したところに連れて行かれた。そこは建物の地下で奥になぜか泉があった。


「水の音がよく響くように作られております。水の音はとても心が落ち着きます」


「そうか」


そして、シグは神父の用意された所に居座った。

 外では、今回の戦いに命を落とした者たちへの葬式が行われていた。その中には、アルバ、サクマ、テレス、そして、アリアの棺桶もあった。アリアの棺桶の前には、アリアの指示でシグによって助けられた、カル、シリア、テラの姿もあった。その他20名ほどの棺桶も一緒にあった。



(ああ、どのくらいの時間がたっただろうか)


2000年たった今でもずっと心に残り続けていた。それは、苦しみ以外の何でもなかった。


「あ~、死にたい」


「じゃあ、死ねばいいじゃん」



 そこでテトは夢から覚めた。

いつもよりとても長くなりました。途中打ってて腕が疲れて2つに分けようかと思いましたが。なんとか打ち終わりました。

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