女神と修行
いじめっ子どもを撃退したシグはさらなる保険のためにテトに修行するように言うのだった。
翌日、テトは上機嫌で学校に行った。
案の定、テトの予想は当たっていた。廊下を歩くといじめていた連中がなにもしなくなっていた。そして、大柄Aたちを見に教室に入ると、テトは笑いをこらえた。なぜなら、顔がパンパンに腫れていて変顔しているように見えたからだ。
後に先生に聞くと親には恐怖でなにも喋らなかったらしい。
そして、テトはさらに上機嫌で家に向かった。
その週の休日にシグはある提案をした。
「いじめられなくなったんでしょ?でもおそらくいつかまたなにかしら嫌がらせしてくると思うのよ」
テトは少し俯いた。
「で、どうするの?」
「私がテトの魔法を少し鍛えてあげる」
テトはびっくりしていた。
「するの?しないの?」
シグは少しおちょくった。
「する」
「よし」
その声とともに、シグは机を移動させ、少しスペースを作った。
「まずは魔法の性質を見たいから、深呼吸した後に、自分の魔法を思い浮かべてみて」
テトは言われた通りに実行してみた。するとテトの周りを黒い煙のようなものが薄く覆った。
(やっぱり、あんな黒いのどう見ても電気じゃない)
シグはそう考えていると、テトは魔力が切れたのか集中を解いて寝そべった。
「疲れた〜、何かわかった?」
「わかったのは、その魔法は電気には属していないということ」
「え?!じゃー、これはなんの魔法なの?」
「一応重大な話だから覚悟してもらえる?」
シグの真剣な表情に、テトは唾を飲み込んだ。
「いいよ」
「テトの魔法は、人間には絶対に使えない魔法」
その言葉に驚いたテトは、シグに何者かを聞いた。
「ボクは人間じゃないのか?」
だがシグはそれを否定した。
「いや、おそらくは、人間と神のハーフ。もしくは、先祖が神だったか。それを確かめる手段はないけど。テトの両親は死んじゃってるもの」
テトは少し嬉しそうだった。
「ってことは、この魔法はシグと対等ってことなんだ」
「純血じゃないから私よりは劣るわよ?」
シグは澄ました顔で言った。
「なんなら試してみようよ」
「いいわよ」
肉弾戦かと思いきや、シグは机の上に置いてあったトランプの入った箱を取り出した。
「このトランプは、修行で使うトランプよ。スペア含めて、57枚入っているわ。テトにやってもらうのはこのトランプでタワーを作ること。5段が限界だから、5段まで積み上げることができたら、次のステップにはいる。ま、5段なんて私の手にかかると」
そう言って、シグはトランプの箱を開け、トランプを落とした。すると、落ちていく途中トランプが不自然に落ち、トランプが箱から出終わると、トランプの箱の下には5段のトランプタワーが作られていた。
「すげ〜」
テトは感心していた。
「これは魔法を使いこなせないといけないけど、トランプタワーは作るだけでも精神力をごっそりもっていかれるわ。まずは、精神力を鍛える修行から」
「こんなの簡単に終わらせてやる」
テトは、シグの作ったトランプタワーを崩し、回収した後、トランプタワー製作に取りかかった。たが
「全然立たない」
テトは、一番最初の2枚をも積み上げることができなかった。その後何度もやってもなかなか積み上がらなかった。
「精神力を鍛えるにはやっぱりこれね」
上機嫌はシグに対してテトはヘトヘトだった。
「やばい、頭痛くなってきた」
本日中に、2枚立てることはできなかった。
その夜、シグはテトの魔法の教科書を見ながら考えていた。
「んー、相手の魔法をジャミングすることのできる神は聞いたことがないわ。それに、テトの師匠もきになるし」
シグは、ペラペラとページをめくり、魔法の知識を深めていった。この時、教科書の一度読んだ魔法は全て使えるようになっていた。
そしてシグは寝る時に覚えた魔法を少し試してみた。
「明かりよ」
すると、テトの部屋の明かりが消えた。
(悪くないわね)
と思い、シグは眠った。
疲れ果てたテトはある夢を見る。




