七.
たすけるから 君を かならず
*** *** ***
「キールド、お城を出ていくって、ほんとう?」
「うん。十八になれば、だけどね。少しの間、遊学しようかと思っているんだ」
「そうなのっ? ……さみしくなるなあ……。でもっ、あと三年は、こちらにいるのよね?」
「そうだね。たくさん勉強して、すぐにかえってくるよ」
「……ゆうがく、しなきゃ、お勉強はできないの?」
「そういうわけではないよ。ただ、この国は、ずっと戦争をしてきたから」
「せんそう……」
「きっと、今が特別なだけなんだ。これからは、なにが起こるかわからない。だから、勉強しに行くんだ。いろんなことを、見てくるんだ。この国が、ずっと平和であるように」
「そうなの……」
「……ラヴェンナ、そのリボン、素敵だね」
「ほんとう!? これね、とても上手につくれたの。今までで、きっと、いちばん。…………わっ、きゃあっ!! すごい風っ。いたっ、いたい。落ち葉があたって、いたい」
「……ラヴェンナ、きみ。……あは、あははは。頭と顔に、落ち葉が、あははっ」
「えっ? な、なあに。そ、そんなに笑うことないじゃない」
「ご、ごめん。でも、きみが踏んで遊んでいた落ち葉たちの仕返しじゃないのかな。細かくなったのが、顔について……あはは」
「そ、そういうキールドだって、落ち葉まみれだわっ」
「じゃあ、おそろいだね」
「やだあ、なあに、それ」
――――諦めていればよかった
願わずにいれば
そうしていたならば、わたしたちは、なにか、かわっていた?
ねえ?
キールド――――