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落日の音  作者: もぃもぃ
8/22

七.

 


 たすけるから 君を かならず



*** *** ***


「キールド、お城を出ていくって、ほんとう?」

「うん。十八になれば、だけどね。少しの間、遊学しようかと思っているんだ」

「そうなのっ? ……さみしくなるなあ……。でもっ、あと三年は、こちらにいるのよね?」

「そうだね。たくさん勉強して、すぐにかえってくるよ」

「……ゆうがく、しなきゃ、お勉強はできないの?」

「そういうわけではないよ。ただ、この国は、ずっと戦争をしてきたから」

「せんそう……」

「きっと、今が特別なだけなんだ。これからは、なにが起こるかわからない。だから、勉強しに行くんだ。いろんなことを、見てくるんだ。この国が、ずっと平和であるように」

「そうなの……」


「……ラヴェンナ、そのリボン、素敵だね」

「ほんとう!? これね、とても上手につくれたの。今までで、きっと、いちばん。…………わっ、きゃあっ!! すごい風っ。いたっ、いたい。落ち葉があたって、いたい」



「……ラヴェンナ、きみ。……あは、あははは。頭と顔に、落ち葉が、あははっ」

「えっ? な、なあに。そ、そんなに笑うことないじゃない」

「ご、ごめん。でも、きみが踏んで遊んでいた落ち葉たちの仕返しじゃないのかな。細かくなったのが、顔について……あはは」

「そ、そういうキールドだって、落ち葉まみれだわっ」

「じゃあ、おそろいだね」

「やだあ、なあに、それ」








 


 ――――諦めていればよかった

 願わずにいれば



 

 そうしていたならば、わたしたちは、なにか、かわっていた?



 ねえ? 



 キールド――――

 

 

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