13話 アメリからの手紙
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親愛なる弟エルンストへ
その後、様子はどうですか。ぜんそくの発作はでていませんか? ローゼンハイム卿からのお薬が効いていること、毎日祈っています。
本当なら、初任務を終え、家路についているころなのですが。
なんというか……。もう、最悪というか……。ひどい、というか。
マクシミリアン王子は噂通りの悪いやつでした……。
彼のことを、誤解していた、とか、頑張っている人だった、とか、まあ、詳しくは言えませんが立場的につらい人だな、なんて……。
思った自分を殴りつけてやりたい気分です!!!!
目を醒ませ、アメリ、と!!!
こいつは自己中心的で、屍鬼のことで頭がいっぱいのわがまま王子なんだ、と。時間と食事内容と宿泊先にうるさい、小姑のような男なんだ、と。
ああ、ごめんなさい、エルンスト。
あの王子のことを考えただけで、怨嗟の言葉が無限に出てしまうのです。いくらでも悪口が書けます。もう、気が狂いそうです。
……でも、心配しないでください。
私はなんとか元気にやっています。ただ、精神衛生上とても悪いところにいるだけです。
サムソン領の任務が終わり次第、今度こそ。
今度こそ、お土産を持ってあなたの元に帰ります。
楽しみに待っていてね。
それでは。
日中暑くなってきたからって、薄着はだめよ。しっかりと保温して。
心はいつも互いの側に。
あなたの姉、アメリより。
☨ ☨ ☨ ☨
了




