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軽さと魅力

作者: sinohara779524

うん?この声は。


前に2泊同じ部屋でカーテン越しに過ごした声だ。


今回も2泊3日らしく、女性は業務で促した。

どこどこに行ってください

彼は

OK!とすぐに応じ、間髪入れずに私が初めて聞くセリフのような言葉、その場所に相応しくない言葉を耳にする。


「一緒に行こっ」


こんな返事の仕方もあるんだ、驚いた。


私は常にハイとか、わかりました、すぐ行きますとかしか言わない。


程なくして検査を終え、たまたま部屋の出入りで顔が合った。

私は気まずいのでとりあえず会釈して、彼を見た。見覚えのある顔だ。


身長180センチはありそうだ、175センチの私より高い。

肩まで伸びている長い金髪


お久しぶりっす!

また、一緒っすね!


うわ〜軽い、今でいうチャラいのがこれなのか?

61歳の私と20代に見える彼とのギャップか?


私はつい湧き出る言葉のように

どこからきたの?と尋ねてしまった。


横浜っす、と彼は答えた。


私は4人部屋の隅の方でカーテンを閉じながらベッドに腰掛けて小さな声で喋りかけたのだ。


彼はカーテンの下から俗にいうヤンキー坐りのまま、カニ歩きでやってきた。


痩せているがにこやかに喋りかけてきた。


待機者である私は、術前、術後の体験談などを彼に教えてもらう。


私は自分の主治医からいつも心に思う移植後に1番忘れてはならないことを彼に伝えてみる。


「2つの命だ大切にしないと」


彼は移植済み、私は待機。

今回、彼は明日カテーテル検査。前日に入院。最初に聞こえたのは看護師から検査前の検査(心電図やレントゲン等)を促されていたのである。


彼は病室の床に膝を着き揃えて


そうっすね、お医者さまからも常に言われてますと返事が帰ってきた。


そして手術痕まで見せてくれた。

その時、左手の薬指に指輪が。


結婚してるの?


ハイ、2児のパパです。


Vサイン、オーラさえ感じさせてもらえた。

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