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「あー、準備いいかい?」
こくりと頷く。
「何をすれば?」
「うん。それじゃあ、先ずは……」
顎に手を当てて少し考え込む。
「中和剤を作ろうか。ティア、やってみるかい」
師匠はそう言って、別の部屋に行って箱に何か詰めて戻って来た。
ポカンとか口開け、呆けてしまった。
嬉しいよりも怪しいが勝つ。
「え、いいのですか?……何か企んでますか?」
「ば、ばっか!そそ、そんな訳ないだろ!」
めちゃくちゃに狼狽えられた。何か裏がある。
むーっと膨れっ面で師匠を睨む。
それでもいい。絶対にこの人には言わないけれど、少しでも師匠に近付きたいのは本心で、いつか楽させてやりたい。