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第九話:耳は猫でも何を言っているかわからない。

 少しラグがあって、爆発音がした方向から、とてつもない熱風と細かくなった瓦礫が吹っ飛んでくる。

 だが、隣にいたミサキと名乗る何某が私を伏せさせたので、吹き飛ばされたりせずに済んだようだ。

 ニコも、杖から出る盾で、ギリギリ防いだようだった。


「よっ…と。」

 …ストン。


 しばらく伏せていると、吹き付ける熱風は止んだ。

 それと同時に上から何かが降ってきた音と共に、そんな声が聞こえてくる。


 顔を上げると、そこには先ほどのわからせられ猫耳ショタが立っている。

 明らかに人一人降ってきた音とは思えない軽い音だったが、これが猫要素なのか。

 ニコのドンガラガッシャーンとは大きな違いだ。


 というかまずニコは登れてすらいない訳だが。

 というかまだそこにいたのか、この子は…。


 とりあえず立ち上がりながら猫耳が飛んできた駅の方を見やると、果たしてそこには先ほどまで猛威を奮っていたドラゴンが横たわっていた。


 先ほどの会話の流れからして、あれを倒したのは猫耳だろう。

 しかも会話中に全く異音爆音がしなかったことを考えると一撃で倒したとでもいうのだろうか。


 だが、そんなことはどうでもいいことであるかのように、猫耳はミサキちゃん(仮称)と話している。


「ミサキ、これどう言うことなんだ?」

「わっかんないや。でも多分、第三種の契約ですよね。ニコちゃんだもんね。しかし、この転移した空間に入ってしまっている?」

「ま、この転送のシステムもたいてい杜撰だからな。」

「うぅむ。」


 また私の知り得ない話が展開されている。


 あと、ミサキちゃんのセリフがブレまくってるのが気になる。

 あと猫ショタがミサキちゃんのことを呼び捨てなのも気になる。

 私気になりますって感じだ。つまり、どう言う感じだ?


 何にせよそろそろこの感じにも飽きてきたので、新しい展開をプリーズしたい。シャバドゥビタッチしたい。

「えぇぇっと?」

 とはいっても何から聞けばいいのか微塵も見当がつかない。

 何せ異常と最も縁遠い生活を亜音速でブッチしてきた私のことだ。

 むしろボッチしてきたといっても過言ではないのだから、そもそも他人に話しかける方法がいまいちわからないで口ごもるのだった。


 何せわからないことは全て自分で解決してきた。

 我が人生に他人に聞かなければわからないことなどこれまで起こってこなかったのである。

 えっへん。


 しかし今回はどうやらそうもいかない。

 辞書を引いても教科書をひっくり返しても、文明の利器たるインターネットに頼っても、私の現状を解説してくれるものはないのだろう…。


 これまでの展開で、どうやら魔法を使うニコのような存在には相方が必要なのだろうということはわかる。

 それは現世に留まるための方法なのか、社会勉強や新人育成の一環なのか、魔力がどうたらこうたらとか、理由はわからないが。


 私はニコの相方と勘違いされている。あるいは、実際そうなのかもしれない。

 契約というのも、そういうことなのだろうか。

 この猫耳とミサキちゃんもバディなのだろうか。


 一つの疑問も解決しないままで、さらなる疑問が増えていく。

 流石の私も、この現状にはお手上げである。

〜次回予告〜

クロハ:「お前らぁ!黙っているからいい気になりやがって!」

カナコ:「突然に誰!?てか怖!?」

クロハ:「お前助けられておきながらなぁ!」

カナコ:「あ、お前さては猫耳ショタだな。」

クロハ:「ショタじゃねぇよ!」

カナコ:「にしてもテンション高いなぁ。苦手なタイプだ。というかこの二人で予告とかマジで嫌なんですけど。」

クロハ:「うわぁ、ヒロインがしちゃいけないくらいほんとに嫌な顔してるわ。」

カナコ:「てか女子三人に対して男子1の比率はダメだろ…。百合の間に挟まるなよ。」

クロハ:「好きでやってんじゃねぇよ。」

カナコ:「というか、素だと敬語じゃないんですね。」

クロハ:「あぁ。まぁな。」

カナコ:「年上を敬いなさい!」

クロハ:「唐突!?なんでそんなにさっきから上から目線なんだ…。」

カナコ:「てなわけで…。」

クロハ:「どういうわけだよ。」

カナコ:「細かいなぁ。女子にモテませんことよ!」

クロハ:「お前は何キャラなんだ…。」

カナコ:「てなわけで次回は浮かんだ疑問が解決したりしなかったりしなかったりする話。ついでに今度こそ私がショタ猫を懲らしめます。」

クロハ:「嘘つくな。嘘を。」

カナコ:「『第十話:わからないことってわからないからわからないんだぜ?』をお送りします。お楽しみに!」

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