第二十話:魔女が宅配便かっこ魔法かっこ閉じ。
「段ボールも腐るほどあるし、なんでも作れそうではあるよね…。」
「何がいいんでしょうか?」
ニコはそう言って、アカネちゃんが手放した特大段ボールに入り込もうとしているケセランパサラン達の方を見る。
部屋の隅に段ボールを置いたせいで、アカネちゃん自身が部屋の隅に封じ込められる形になっている。
「パサ!」
「パサパサ!」
「…それどころじゃなさそうですね。」
「いや助けてよ!?」
「えぇやん、ここのうちの子になれば…。」
「なんでそんなに当たりが強いの!?」
「住む場所は思った以上に気に入ってもらえてるけど、食べ物とか、排泄物とか、どうすればいいのかな?」
「あぁ、それこそなんでも食べますからね。昔の人は化粧の粉を餌にしていたらしいですが…?」
「えぇ…。」
当時がどの時代かはよくわからないが、それはなんだか色々気が引けるし、というか、当時の化粧の粉は有機物だったのか?
「一年に一度見ると幸福に、二度見ると一転して不幸になると言われていたので、ハコニ入れて置いて一年に一回だけ見ていたそうです。」
「えぇ…。」
何その新事実…。
幸福になる云々は聞いていたが二度見るとというくだりはまぢで初耳学なんだが?
「確かに、そういう伝承もあったきが…?でもただの伝承ですし…。」
と若干目を逸らし、遠い目をしつつ、ニコがいう。
人が人なら音の出ない口笛でも吹いているような状況である。
あの時ニコは、ケセパサたち自身ではなく、それを生み出すだけのエネルギーを持っている人間が幸福を呼び寄せているのだ、と言っていた。
能力を持った人間が必ずしも幸運を呼び寄せるだけではない、ということなのだろうか?
「まぁまぁ。ニコちゃんの言うとおり、それらはただの根拠のない伝承です。」
「そうだよね…と言うか、もうすでに今日1日で何回見てるかわからないしね?」
「あははぁ…。まぁ、あの子達はケセランパサランの中でも頭が良さそうなので、住む場所は問題ないでしょう。
食べ物は、まぁ本当になんでも食べますから、余ったご飯でもいいでしょうし、ウサギやモルモットみたいにキャベツの外側とか…。
それで、ケセランパサランの糞尿は野生だとヘビみたいな感じで、塊なので、処理は簡単な方ですよ。まぁそれこそハムスターやモルモットみたいに新聞を段ボールのそこに敷いておいて、それだけ変えるとか…。」
と、ミサキちゃんはこれまでで最も生き生きと話ている。
このままだと、話はまだまだ続きそうだったので、一旦申し訳なくもあるが、話が進まないので遮らせてもらおう。
私も、好きなものに対してテンション上がって早口になるその感じは非常にわかるんだけども。
「つまり、ケセランパサランは、小さめのモルモットってこと?」
「まぁそうですね。飼い方だけで言えば本当に、飼うのがちょっと楽なモルモットですかね…。」
「と言うか…。」
ここでせっかくなので、これまでしばらく気になっていたことを聞いてみることにする。
「そう言えばさ、ケセランパサランって幻獣なんだよね?魔法少女の子とは、やっぱり違うよね?幻獣と人間は対等って言う話だったけど…?」
「あぁ、それでしたら、幻獣にも種類がいるんですよ。と言うか、幻獣とか妖魔とか、まぁこちら側ではあまり使わないですけど、いわゆる妖怪とかモンスターみたいな類のものって、境が曖昧というか…。
人間も、人間が認識しているいわゆる動物も、それは一緒なんですけどね…。機構側は、魔法少女となる条件として知性や理性の有無と魔力保有量をあげています。」
「つまり?」
「妖魔と我々が呼んでいるもの達…例えば角谷さんとニコちゃんと初めて会った時に戦ったドラゴンもそうなんですが、あれらは破壊や基本的な欲求しかないとされる、最も危険な存在です。」
「だから戦って倒すなりなんなりしなきゃいけない?」
「せやな。魔法少女と契約者の基本的な仕事は、妖魔の掃討と魔道具の回収やからな。」
「魔道具?」
サトミさんが話に乱入し、とても面白そうなことを言うものだから、つい反応してしまった。
「魔道具の説明は…また今度でいいんじゃないですか?」
「まぁそうやな。この話の流れでする話やなかったかな?」
えぇ…何その生殺しな…。
「そして、幻獣ですがケセランパサランのような子達は、魔力の保有量が少ないんですよ。」
「そう言うことか…。」
つまり?
妖魔は掃討対象で知性か理性が足りない。
ケセパサ達みたいなちょっとペット感覚な子達は魔力保有量が足りない。
その両方を満たすと魔法少女になれると…?
なんだかその区別も差別と境が難しいところな感じがするけども、今のところは、そう言うことになっているのだと納得するしかないのか。
と、そんな話をしていると。
ピンポーンっとまたあの間抜けなチャイムの音が聞こえた。
だが今度は誰なのかを考えるまでもなかった。
チャイムのすぐ後に、こんな言葉が聞こえてきたからだ。
「すみませーん!マホタツです!ニコさんにお届け物です!」
いや聞くまでもあった。
まほたつってなんだ?
〜次回予告〜
カナコ:「今回のタイトルが次回のネタバレになってるっていう新しいパターンね?」
ニコ:「単純にたてたフラグが回収しきれなかっただけじゃ…?」
カナコ:「だんだんニコも言うことが厳しくなってきたね?」
作者:「グハァ!」
カナコ:「通りすがりの作者は死んじゃったし。と言うかすごい久々にあいつの声聞いたような…。」
ニコ:「と言うわけで次回は、私の荷物が届くと言うお話。」
カナコ:「もはや、ミサキちゃんもサトミさんたちもただ引っ越し手伝いに来た人たちになっちゃってるね…。」
ニコ:「あはは、確かに?」
カナコ:「次回は『第二十一話:狐の飛脚とフクロウ便に伝書鳩。』をお送りします。」
ホウ:「お楽しみにー!」
カナコ・ニコ:「「誰!?」」
幕




