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第二十二話:それでも私は知らなかった方が良かったなんて思わない。

「訳あって、守護者を解任されたのですが、先ほど彼が契約していたハクアさんとコクウさんの魔法の気配がしたので…。」

 とチサトが説明する。

 どうやら神使に監視される程度の事情があることは、その一言だけでも十分に予想がつく。

 というか、魔法に気配とかあるのか。

 便利な世の中である。


「それで何があったんですか?」

 今度はチサトがすごい剣幕で尋ねてくる。

 どうやら私たちの想像以上に、彼らはやばいやつだったのか?

 喧嘩している二人とコミュ障青年のイメージしかないが?

「あぁえぇっと?」

「あの人が…。」

 そう言ってニコがあのでしゅ野郎を指さす。

 そういえばやつがことの始まりだったのだ。

「ネクロマンサーですね。なるほど、死霊術の気配は彼が…。」

 チサトは、私たちを置いてそういえば道端で倒れているやつの元に歩いていく。

 それに、ミユキさんもついていく。


 道端に人が倒れている訳だが、大丈夫なのか?

 いやでもさっきから人も通っているのに人だかりになったりざわざわしていないので、大丈夫なのかもしれない。

 ご都合主義の結界でもあるのか、あるいは、世間で噂されている通り現代のひとびとが冷たいだけ?

 いや、流石に人が倒れてたら通報なりなんなりするだろ…。


「なんでこんなやつがこんな街中にいるんだろうねん?」

「えぇっと私たちが歩いているところで襲われて…管原さんが守ってくれたんですよ…。」

「何やって?なんでまたカナコちゃんとニコちゃんが襲われることになるんや?」

「収束点の話をしてましたが…。」

「収束点やからってなんで…。」

 ニコと私がたどたどしく説明していく中で、サトミさんとアカネちゃんの表情もだんだんと暗くなっていく。

 どうやら私たちは相当やばい案件に足を突っ込んでしまっているらしい。


「確かにネクロマンサーみたいだ。ミユキも死霊術の呪印の匂いがするって…。」

「…うん。」

「カナコちゃんは収束点やから狙われたっていうとったで。」

「収束点だから?そんなはずは…。カナコさんがやはり特殊なのか…。」


 チサトって家族と喋る時は敬語じゃないんだなぁ。

 というか、話の内容がすごく気になるんですけど?

 なんか不穏なんですけど?


〜次回予告〜

サトミ:「カナコちゃんもニコちゃんも契約早々訳のわからんことに巻き込まれて難儀やなぁ。」

ニコ:「そうかもしれないですね。」

サトミ:「でも二人ともえらい目にぎょうさんあっとんのに、あんまり驚いとらんっちゅーか、いまいち反応薄いっちゅーか?」

ニコ:「そうですかね?そう言われると、あんまり表に出ないタイプなのかもしれませんね。」

サトミ;「そうなん?まぁカナコちゃんはそうとしてもニコちゃんもなんかなぁ。」

ニコ:「まぁまぁ、そんなことよりも、サトミさんやチサトさんって、あのシノブさんっていう人とやっぱり何か関係があるんですか?私はあまりそういう世情は詳しくないのですが…。」

サトミ:「うぅんまぁそうやなぁ…。話せば長いっちゅーかなんちゅーか。」

ニコ:「今日、その言い回し多いですね?」

サトミ:「そうか?」

ニコ:「いやまぁ意識的でないならいいんですが…ということで次回は第二十三話:『兄弟とか姉妹とか因縁とか腐れ縁とか。』をお送りします。」

サトミ:「お楽しみに。」

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