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第二十一話:よくわからない他人の因縁には足を突っ込まない。

 すごいスピード感のある出来事だったため、こちらまで混乱してしまった。

 結局彼らは何者だったのか、助けられておいてなんだが、あんなに怪しい人物はそうはいない。


 救いを求めるようにまたニコの方を見ると、またも私となたような表情のニコと目があう。

 向こうはこっちのことを知っているが、私たちは彼らのことを知らない。

 まるでインターネット社会のようだ。


 いつの間にか、世界はまたいつものように色づき動き始めている。

 私たちは通勤通学の人たちの邪魔にならないよう歩道の脇に寄り、電柱の脇に立つ。

 私は電柱に寄りかかり、その目の前に立ったニコにあらためて目をやる。


「あぁ…。」

 とりあえずニコがわかることだけでも尋ねてみたいのだが、何から聞けばいいのかわからない。

 魔法少女界隈の人々は、いざ説明をし始めると長いのに、説明が足りないのだ。

 何がわからないかがわからない状態で放置なるにはれるため、問題が一向に解決せず、一方的に溜まっていく。


「…死霊術は難易度の低く便利な技だと言われています。ですがその代わり、道徳や倫理観の問題とともに、術者にも危険が及びやすく、使用は禁止されています。」

 ニコが、とりあえず、一番初めの疑問から解決しようと、説明をくれる。


「それを使うとどうなるの?」

「ゾンビって人間を襲うじゃないですか?そういう例もあります。操りきれず暴走すると言うのがほとんどですが。機構で定められた禁術なので、当然機構からも罰則がありますし…。」

 なるほど、それをあのでしゅ野郎は使っていたわけか。

 と言うことは出オチかませキャラっぽいわりに案外すごいやつなのか?


 だが、術自体は簡単、つまり始めるのは簡単だが続けるのは難しい的な?

 あるいは使うのは簡単だが使いこなすのは難しいと言うこと?

「どちらかと言うと後者ですかね。」

「つまりその術はダイエットじゃなくてスマートフォンってことか…。」

「なんの話ですか?」

 たとえ話である。


「と言うか、あの…アイツは人間なのにそんな術が使えるの?それとも見えなかっただけで魔法少女側?」

 なんとも形容し難いあのでしゅ野郎を指差しながらニコに尋ねる。

「そうですね…そもそも魔法も科学と同じで技術ですから、人間でも理論上は使えます。おそらくそこに転がっている…人も人間ではないかと。」


「え!?魔法って誰でも使える!?」

 これは魔法学校入学フラグかもしれないぞ?

 魔法学校に入るのとモンスターマスターを目指して旅に出るのは11歳を迎えた時点で諦めざるを得なかったが、もしやこんなところに抜け穴が?

「でも魔法にもいろんなパターンがあって、使えると言ってもいろんな種類が…。」

 と、ニコが説明しようとしているところで、騒がしい足音が聞こえてきた。


 遊びに行く小学生か部活へ向かう中高生だろうか?

 なんにせよ子供は元気が一番である。

 春の麗らかな朝日に目を細める。

 …。


「カナコっちー!ニコちー!」

 と思っていたんだが、どうやら違うらしい。

 私たちを二人とも知っていて、その声のトーンで、私たちをそうやって呼ぶのは一人しかいない。

 そういえばあの四人組も去り際四人の足音と言っていた。

 チサトの名前も出ていたことを考えると、チサトミユキさんペア、アンド、サトミさんアカネちゃんペアで四人だ。


 声のした方を向き直ると、予想を裏切らず、走ってくる四人の姿があった。

 チサトの名前も出ていたことを考えると、チサトミユキさんペア、アンド、サトミさんアカネちゃんペアで四人だ。


 声のした方を向き直ると、予想を裏切らず、走ってくる四人の姿があった。

 誰一人息を切らしていないところを見ると、流石プロなのか。

 あるいはツムギが遠くから走らされていたのか体力がないのか?


「シノブは!?」

 私たちの前にやってきて早々、サトミさんが私たちに聞く。

 その声はミサキちゃんの顔面をひっとらえていた時と同じかそれ以上に逼迫している。

「あぁ…えぇっと…?」

 そのえも言われぬ圧に気圧され言葉に詰まる。


「角谷さんとニコさんは大丈夫なようですね?」

「は、はいっ!」

 ニコも若干困り気味である。

「…管原さんもいたんですね?」

「はい。でも、面識があるんですか?」

 この状況でだいぶいい質問である。


「ええ、管原さんは、今花崎さんが担当している地区の元守護者でした…。」

 やっぱりただ地雷を踏んだだけだったかもしれない。

 核心を突く質問にはいつも裏目がつきものということだ。

 私たちは今、その裏目の方を引いた気がした。

〜次回予告〜

アカネ:「けっさかたぶり!」

ニコ:「けっさ?…今朝方…はい。また会いましたね?」

アカネ:「よく合うねん。アカネちゃんは嬉しよ!」

ニコ:「そうですね、地域の連携が取れていることはいいことですね!」

アカネ:「カナコっちとニコちーは面白いからね!」

ニコ:「面白い?というか、その呼び方なんですか!?」

アカネ:「あれ?ニコちーはニコちーだよ?」

ニコ:「だよってなんですか、だよって!まぁいいんですけど!」

アカネ:「いいならいいぢゃん!」

ニコ:「いいんですけど!」

アカネ:「そんなことより次回は、嵐のように現れ嵐のように去っていったシノブっち、ハクアっち、コクウちーの話をするよ!チサトとサトミが!」

ニコ:「自分じゃないんですね…というかその呼び捨てと『っち』と『ちー』の基準がわかりません…。」

アカネ:「細かいことは気にするな!ということで次回、第二十二話:『それでも私は知らなかった方が良かったなんて思わない。』をお送りするよん!」

ニコ:「お楽しみに!」

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