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第二十七話:久々の登校ですが何卒よろしくお願いします。

「じゃあ、こっから『学校』まで直通なのですか?」

「そうだ!すごいだろう!」

「そうですね。」

「えっへん。」


 だめだ。ツムギちゃんとニコとミョウガではツッコミ不在すぎる。

 そのうちボケとフォローの永久機関が形成されてしまいそうなので、そうなる前に話を前に進める。


「その場所って、みんなが通ってた…いや、ハクアとツムギちゃんは通ってないのか。」

 みんなというにはいささか含有率が低いことに気がついて途中で訂正する。


「それでは、長居しても無駄なので、さっさと行くぞ!」

「あぁ、頼む。」

「これ、何かしたほうがいいとかではないの?」

「大丈夫だ!この結界の中のものをそのまま移動するからな…。」


 相変わらずただのウサギにしか見えないミョウガは、そこまでいうと跳び上がる。

 その跳躍力は、野生のウサギのそれよりもはるかに上を行っているように思う。

 あるいは私が野生のウサギの真の力を知らないだけなのかもしれないが、それはこの際どうでもいい。


 私たちの大体顔がある辺りまで跳び上がったミョウガは、淡い白色の光を発し始める。

 その光はだんだんと強まり、いつしか目を開けているのか閉じているのかわからなくなるような、目眩に近い感覚が私を襲った。

 それこそ実際に経験しようもないことだが、例えば閃光弾って直撃するとこんな感じなのかなと。

 要はそれくらい強い光にまで一瞬で光が強まったということだ。


「月の使者の如く、いま参上つかまつる。」

 ミョウガがいた方向から、ミョウガが喋っていたのよりだいぶ大人な雰囲気の声が聞こえた。


 確かハクアが浄化魔法を使った時もそんなような口上を述べていたような気がするので、これがいうなら「呪文」的なものなのだろうか?

 魔法と呪文…ロマンではあるけど、いざ使うとなると覚えるのとかめんどくさそうだな…。

 そんな方向性から考えたこともなかったけど。


「ついたぞ。」

 眩い光に目を瞑っていた私だが、ミョウガの声で目を開く。


 足が地面から離れた感覚とか、浮き上がった感覚とか、風圧を感じるとか、そんなことは一切なかった。

 だが、目を開いた先に広がる世界は、完全に先ほどまでいた場所とは違った。


 派遣機構に行った時も思ったけど、なんかこう、移動ってこんなに簡単なんだな…。

 新幹線とか船とか飛行機とか、そういったものがバカらしくなるほど


 アニメの舞台になっていそうな感じの、山の中にポツンと立っているタイプの、雰囲気ある木製の学校の校舎。

 私たちが立っているのはその学校の前に広がる、だだっ広いグラウンドの中央辺りだった。

 本当に、なんのために使うんだこんな広さのグラウンド、って思うんだけど、まぁ通ってるのが魔法少女の卵となると、基準も人間とがかけ離れていて当然か…。


「よう、きたか…。」

 いつからそこにいたのか、そこには一人の女性が立っていた。

 年齢は、流教授や土岐野教授よりもさらに少し上くらいだろうか?


 ショートに切った黒髪、闊達そうな雰囲気で不敵な笑みを浮かべている。

 なんというか、ちょうどいい難易度の中ボスくらいの強者感を漂わせている。


「久々だな、管原君。

 あとは初めましてかな。角谷カナコ君、ニコ君にツムギ君だね?」

 私とニコは、顔を見合わせる。


 なんというか、こちらが知らない人に一方的に知られてるよな、私って…。

 そして私のことを一方的に知っている誰かは、大体シノブの昔の知り合いなんだよな…。

〜次回予告〜

リコ:「いやぁ、有名人っていうのも楽じゃなさそうだね。」

カナコ:「まぁ、別にメディアとかに露出してるわけでもないのに色んな人に知られてるって、軽く恐怖ではありますよね。」

リコ:「ちなみに私は新キャラの望月リコです…まぁ実はちょっと前にも名前だけ出てきてるんだけどね。」

カナコ:「初っ端からそこまで堂々とメタ発言した人は、多分望月さんが初めてですね。」

リコ:「まぁまぁ、どうせ本編と関係ないなら何いっても関係ないでしょ。」

カナコ:「えぇ…だからと言ってそんなに不謹慎な発言はしないでくださいね?」

リコ:「政治と野球の話とかね。」

カナコ:「まぁ確かに、宗教みたいなもんだから赤の他人とするもんじゃないみたいな話はありますけど。この話のフリでその方向性でくるか…。というか、式神だけじゃなくて、本人もそういう性格なんですね?」

リコ:「え?そういうってどういう?」

カナコ:「…いやまぁいいんですけど…ということで次回は『第二十八話:昇れ進めこの世界の真理へと!』をお送りします。」

リコ:「そんな壮大な話だったっけ?」

カナコ:「この話のサブタイトル大体タイトル詐欺ですからね…。」

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