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第七話:用事がある日の朝のソワソワ感。

 コクウの食事が終わると、私は荷物をとりあえず部屋から持ってくる。

 それさえやればあとはリビングなり洗面台での準備なので、コクウが食洗をしている間にも進められる。


 …と言うか、食器って、そんなに頻繁に洗うものなのか…?

 いや、うちは確かに食器が必要最低限しかないので、毎食食器を使うには、毎食食器を洗う必要があるわけだけど…。


 私とニコだけの時は基本、朝は食器を使わない栄養補給バーだけだったので、皿を洗う必要がなかっただけか…。

 とはいえなんと言うか、時代錯誤な言葉でだが、コクウはいいお嫁さんになりそうだね。

 私はその点失格だけども、まぁ、今の感じから考えると大学卒業まで生きていられるかも怪しいのでそれ以前の問題だね!


「悲しすぎませんか…っていうか、そう言うマイナス思考はやめてくださいって前にも言いましたよう…。」

「そっか…ごめんごめん。」

 早くも見落としていた「重要なこと」を発見してしまった。


 …流石にニコとの約束で他に重要なのってないよな?

 新婚旅行は国内でゆったりって言う約束は忘れてないし…。


「そ、そんな約束してません!冗談でも流石に照れるのでやめてください!」

 ニコにキレられた。

 こういうちょっかいの掛け方は最近反応が薄くて悲しかったので、久々に反応があって嬉しい。


「厄介な性格ですね…。」

 そう言うニコは私に対する言葉に躊躇がなくなってきたよな…。


「い、いや…別に嫌と言うわけでは…。」

 結婚が?

「そう言うことじゃないでしょ!もう!」

 …今更自分で言うのもなんだけど、なんだこのやり取り。

 誰のどこに向けた需要なんだ…。


「そう思うなら初めからやめてくださいよう…。」

 これ以上やるとニコが拗ねてしまいそうな気がしたので、この辺でやめておくことにする。

 いや、でもニコが拗ねてるところ見たことないから若干興味が…。

 しかし流石にセーブがない現実で好感度投げ捨てる勇気は私には…。


「なんの話ですかもう…。」

 ニコが頬を膨らませている。

 これが拗ねてる時の顔なのか…それはちょっと違うか…。

 どっちにせよ、どんな表情でも可愛いってほんと犯罪だよな…。


 とは言えこれ以上無駄なことを考えるとこじれそうなのは実際そうなので、これ以上は本当にやめよう。


 私が準備を終えると、ニコ、コクウが順に洗面所で準備をして、これで出発の準備は完了である。

 一瞬時間がないかと思ったが、いざ準備を終えてみるとまだ出発するまでにはかなり余裕があった。


「荷物おきに行きたいんだけど、いいかしら。」

「あぁ、そうだね…。わかった。」

 と言うことで、玄関に向かう。


「…ちなみに、今日は多分ハクアだからね。泊まり。」

「あ…。」


 寝ずの番を毎日できるはずはないので、言われてみるとその通りなのだが、言われるまでは気が付かなかった。

 そうか…つまり二日に一回しか美味しいご飯は食べられないのか…。

 と言うか、もしかして今日の分の食べ物もない?


 …もうカップ麺でいいか?

 あるいは、ケセパサのための買い物の時間があったらついでにスーパーにも寄って…?

 幸い今日は三限まで、つまり大体十四時半くらいには授業は終わるので、うまくいけば時間も作れるだろう…。


 まぁでも、正直、シノブとコクウの料理を一日食べたわけだし、今の私は健康だから、一色ぐらいカップ麺でもいいよな…。

 健康すぎるのも健康に良くないし…。


「あ…ってなによ?」

 私とニコが先に靴を履き終え、コクウが靴を履くスペースを作るために、狭い玄関から外に出る。

 するとドアを開けて早々ハクアにそう言われた。

 相変わらずの地獄耳である。


 そこには当然のように準備を終えたシノブとツムギちゃんもいる。

 初めは驚いたが、もはや慣れた光景なので、それが必然であるようにさえ思える…。

 とは言え、これも彼らの影での努力の賜物…だよな?


「いやぁ…大学でも一緒なのに、あんまり嬉しくないでしょ?」

「別に…まぁこれも任務だし。あんたも、見てる分には面白いしね…。」

 それは私が「面白え女」ってことなのか?

 今日はこれ系の発想になること多い日だな…。


「面白いって…。」

「まぁでも確かに、カナコは面白いですよね。」

「え?ニコまで…。」


 コクウが荷物をおきに行っている間、そんな案でもない話が展開される。

 実は、夢の話はともかく、ニコに出会ってから始めて、昨日は死にかけなかった日だった。

 それもあってか、私たち全員に、若干の余裕がある…。


 冷静に考えて、一週間死にかけ続けてるのってのもどうなのかな…。


 いやだがそれも今日までだ。

 今日、私は自分の杖をもらえる…。

 そうなれば、少なくとももう私も丸腰ではない…。


 と言うか単純に、魔法の杖を手に入れることができるって状態が楽しみで仕方がない。

 …この歳になっても、やっぱりこう言うのって嬉しいものなんだな…。


〜次回予告〜

カナコ:「さてやってまいりましたよこの時が!」

ニコ:「突然なんですか?杖の話…?」

カナコ:「すっとぼけないでください!そうです、次回は記念すべき第四百話ですよ!」

ニコ:「なるほど…。まだ本編、この章は大学に到着してすらないですけどね…。」

カナコ:「そうですねぇ、タイミングが悪いですねぇ。でもやります!」

ニコ:「でも、おめでたいことは祝っていくみたいな話は、第百話の前の時にも言いましたもんね、私も頑張ります!」

カナコ:「まぁ、そんな昔のこと誰も覚えてないと思うけどね!」

ニコ:「なかなか攻めたこと言いますね…。」

カナコ:「と言うわけで次回は『第四百部分特別編:リセリスなんでもランキング!』をお送りします。」

ニコ:「これまた、これまでのどの話とも傾向が違う感じですね…。」

カナコ:「内容は読んでのお楽しみ!それではまた次回!」

ニコ:「いや、大体タイトルでネタバレしてませんか…まぁいいや。お楽しみに!」

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