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第十五話:社会は僕らの手の中ただし悪い意味で!

「ま、まぁわかってもらえているのならば、それが一番でしょう。何か質問はありますか?」

 暫し、驚きなのか呆れなのか、間があったのち、ミサキちゃんが言った。


 質問といわれても。

 疑問点が多すぎて、何から質問していいのかわからない。

 逆に自分の身の上に関わることは今のところ全て説明してもらえているような気もする。


 ニコの話なのに、ミサキちゃんが説明しているのが、若干気になるくらいか。

 「魔法少女」というのに、クロハが含まれているのが、若干気になるくらいか。

 自分が負のエネルギーを集めてしまう体質であるというのが、若干気になるくらいか。

 …いや、結構あるな。


 だが、そういう流れなのだから、そういうものなのだろう。

 正直内容が現実離れしていて、質問どころではない。


 常識を超えた、理解できないものに出会った時、一般の人間はあるがままを受け入れるしかないのだろう。


「い、いやぁ…。」

 そしてコミュ障としては、これが精一杯の回答である。

「まぁ、いきなり言われてもあれですよね。正直、この話がわかりにくいのはわかっています。」


 わからないことがわかってもらえてなによりだ。

 普通の厨二病であれば、そこの部分が無配慮だったりするが。

 そこは流石イケミサと言わざるを得ない。

 この略語、流石にちょっと羞恥心呼び起こされるな…。


「とりあえず、私とカナコさんが契約しなくちゃってことですよ。」

 ニコちゃんが内容をさらに要約してくれた。

「まぁ、無駄な蘊蓄を除けば、そういうことですね。」

 ミサキちゃんもこう言っていることだし。


 とはいえ、そうなってくると当然気になることが出てくる。

 抽象的な内容だとわからないのに、具体的になると途端に意見したくなる。

 人間なんてそういうもんだろう。


 人間の脳は抽象的思考に向いていないとかなんとか聞いたことあるような内容な記憶もあることだし。


 だとしたら「共に行動する」の部分が気になるか。


 なんかこうやって言葉の端々まで気を巡らせて推測するのはTRPGの世界に実際に飛び込んだような気分なるな。

 まぁ、実際にやったことはないけど。コミュ障だからね、きららん。

 はぁ、しょーもな。


「その場合は…。」

「私が一日中一緒にいて、魔を祓いますよ!」

 私の生活ってどうなるんでしょう?

 って聞く前に言われてしまった。

 答えは予想していた回答だった。


 だがそんなことより、ニコの感情を読める能力はコミュニケーションに向かなすぎる。

 全部、こちらが口に出す前に言われてしまう。


「うっ。」

 ニコから呻き声が聞こえた。

 心に何かが突き刺さった音がしたような気もする。

 空耳かな。


 まぁ口に出そうとしても言語に難がある場合もあるのでありがたくもあるが。

 特にネタが通じないのは辛すぎるので、口に出す前に止めてくれるのは助かる。

 助かる。

 大事なことなので二回いました。


「うぅ、すみません。」

 だから助かってるって。今もね。

「そうですか…。」


「お二人さんっ。」

「「すみませんでした!」」


 いく度目かもわからないこのやりとりも手慣れてきた。

 というか、案外ミサキちゃんは仲間外れが嫌いなのかな?


 また属性が一つ付与されかけている。

 属性過多でもうわかんねぇよ!

 いや、それはそれで可愛いよね。知らんけど。


 それにしても、魔を祓うってどういうことなのだろうか。

 一日中一緒にいる意味はあるのだろうか。


 例えば、神社のお祓いなどは一度祓えば神社から帰ってしまう。

 でもそんなお祓いも強すぎる邪気には逆効果と聞いたこともある。

 社会の中の悪いエネルギーが集まってくるとしたら?


 なんか、だいぶ胡散臭い話になってきたな。

 あれだけ連続で、非現実的な理由で死にかけてなかったら、絶対信じていなかっただろう。

 でも流石に、ドラゴンの火で焼け死にそうになったら信じざるを得ない…。

〜次回予告〜

ミサキ:「なんか今日、だいぶ疎外感ありましたけど…。」

ニコ:「ごめんなさいぃ…。」

ミサキ:「まぁいいんですけどね。ユニコーン族のサガではありますからね。」

ニコ:「はい。すみません、本当に。」

ミサキ:「というか角谷さんちょっと疲れてきてますよね。大丈夫ですかね?」

ニコ:「そうですね。でもそれもこれもみんな社会の負のエネルギーが悪いんですよ!」

ミサキ:「なんか字面だけだと愚痴言っている中年親父みたいですねぇ…。」

ニコ:「ひどい!?」

ミサキ:「まぁでも、本来は私はこの場にいないはずだったんですから、ニコちゃんと角谷さんが話できるならそれでもいいのかな?」

ニコ:「でも、いてくれて助かりましたよぅ。ミサキさんの家はミサキさんの担当地区じゃないですし…。」

ミサキ:「え?」

ニコ:「え?」

ミサキ:「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

ニコ:「ミサキさんも大概おっちょこちょいですね…。」

ミサキ:「ま、ま、まぁ、これは地域の守護者である前に、一人間として、一契約者として、当然のことですし?お寿司?」

ニコ:「しゃべりかたがカナコさんに似てきてますよ?」

ミサキ:「それはさておき次回は『第十六話:二人一緒でみんないい。』をお送りします。やっと、ニコちゃんと角谷さんが契約成立ですかね?」

ニコ:「お楽しみに!」

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