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第三十一話 時間も経てば周囲も成長する

…故郷の村は、辺境のコレデナイト領にあるだけあって、田舎の村という感じの場所だったはずだ。

 ハクロが住んでからの影響も、公衆衛生や治安向上、温泉採掘などのことはやっていたのだが…


「…久しぶりに帰ってきたら、村から街へと変化していたね」

【凄いですね…あちこちに、王都で見るようなお店も建ってますよ】


 ちょっと見ない間に大きな変化が起きることはあるが、まさかそれを自分の故郷で体験することになるとは思いもしなかった。

 まだ離れて半年も張っていないはずなのに、一体何がどうなっているのだろうか。



 色々と気になることが多く、まずは情報を確認するために家にさっさと向かって、両親に問いかけてみたところ、理由がすぐに判明した。


「え?温泉の熱を利用したの?」

「そうよ、この領地の伯爵様が自ら動かれて…」


 かくかくしかじかと話を聞いたところ、村の大きな変化の原因は、この地を治めるコレデナイト伯爵が動いたことにあるらしい。

 村にある温泉が気に入ったようで、しばらくの間暇があれば入っていることが多かったそうなのだが、そんなある時ふと、温泉の熱を利用できないかと考えたそうだ。


 毎日ごぼごぼと沸き上がる温泉だが、ただ浸かるだけではもったいない。

 遥か北の国では、マグマの熱を利用して野菜を育てられる施設を作ったところもあるらしく、流石に温度は比較にならないとはいえ、かなり温かい温泉の熱を似たような感じで使えないかと試行錯誤してみたそうだ。


「元々、ハクロちゃんが来て色々とやってくれたから、豊かになってきたけれども、その状況に甘んじていてはいけないと考えていたそうなのよ」


 ハクロがルドを番として求めてきたわけだが、この村に一緒に永住するとは限らない。

 いつの日かいなくなる可能性を考えると、頼りきりにしてしまうようなことはダメだろうと考え、依存度を下げる方法を模索していたらしい。


 その方法の一つとして、温泉の利用を推進した結果…北の地ほどの効率はないとはいえ、それでも南国の珍しい食材を栽培することに成功し、客を呼び込めるようになった。

 その結果、よそでは珍しい食材を求めて商人たちがやってきて、商売を始めてそこに人々が集って良き、どんどん人が来て発展していった結果、この状況になったそうだ。


【ほへぇ…私の作った温泉一つで、まさかそこまで行くなんて、驚きですよ】

「まぁ、結局はハクロちゃんが主な原因となったようなものでもあるから、微妙なところもあるけれども…おかげで、さらに村は豊かになったわね」


 領主様が取り組み、その行動に村の人たちも引っ張られて動き、いつしか街へと発展していた。


 手紙で連絡はなかったのだが、帰ってくる子供たちに対して親たちがサプライズのつもりでこっそりと隠していたらしく…おそらくは、同じように帰郷してきている人たちもまた、驚愕しているだろう。


 たった一つのことがきっかけで、良い方向に大きく変わった。

 それは中々、面白いことだなと思えるのであった…


「あ、そうだ母さん。ハクロと一緒に休みの間、ちょっとプチ旅行をしたいんだけど、良いかな?」

「あら?そうねぇ…ええ、良いわよ。子供だけで行くのはだめだけど、ハクロちゃんが一緒に行ってくれるのよね?」

【もちろんですよ!!あ、せっかくならお義母様やお義父様方も一緒に来ませんか?】

「んー、残念ながらちょっと無理ねぇ。村が豊かになってきたら、私たちもやることが増えて少し忙しいのよ。夫婦、水入らずでお土産も忘れずに行ってきてね」

【はい!!】


…あれ、そういえばいつの間にか大分外堀を埋められているような…うん、気にしないでおくか。

 なんかもう、完全に引き返せないぐらいまでやってきた気がするけどね。



親の許可ももらい、問題なくプチ旅行はできそうである

まぁ、帰ってきたら村が発展していたのには驚いたが、良いことのはずだろう。

何かこう、引き返せないところまでやってきたような気がしなくもないが…

次回に続く!!



…下手に探られまくるよりも、より目立つものを用意できないかという思惑もあったとか無かったとか

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