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第十九話 対策はできてこそ

…結局、あの誘拐事件の後、犯人だった貴族は引き渡された。

 平民に手を出して無事でいられるとでも思っただろうが、そんな貴族特権はこの国にはなく、法律にによってしかるべき裁きを受けたようである。


 まぁ、何やら見せられない形というべきか、活け造りとかいう状態になっていたようだが、そこまで姿を見るようなことはしなかった。

 聞いた話では、捕縛された状態のほうで何やら裁く人たちが震えあがるような状態だったので、その時点で相当罰を受けているとの声もあったようだが…ここで甘くしたらどうなるかわからないということで、処分はかなり厳しいものになったようだ。


 そして、その貴族に襲われたルドたちは、治療を終えつつも、精神的部分での負担のケアも考慮され、一週間程度の間休むことになった。

 授業の遅れを取りたくはないので、ルンバたちから授業の進み具合を聞いたり自主学習をしつつ、ルドたちは聖女預かりの教会の一室で過ごしていた。


 そんな中で、今回の事件の再発を防ぐために、ある方法がとられることになった。


「…平民の身だから護衛を与えたりは難しいから」

【私が、聖女様の養子にですか…」


 元々、ハクロを利用するためにルドを人質のような形で扱おうとしたのであり、平民であるルドを守るための方法として、護衛を付けるとか、爵位を与えるなどの方法もあったようだが、一介の平民の少年に過ぎない彼にたいして、そうたやすくはいかないもの。

 だからこそここは、あえてぶっ飛んだ解決策を取ればいいということになって、魔獣であるハクロを聖女の養女にして後ろ盾にしてしまえということになったのだ。


 

 魔獣から国を守るための結界を張る聖女に手を出すことはできず、その家族も例外ではない。

 手を出して聖女が結界を張らなくなれば魔獣から国を守ることはできず、死活問題になりかねない。


 流石にルドはしっかり両親がいるので、養子にすることは厳しかったが…魔獣という元々が天涯孤独のような身である魔獣の彼女であれば、手続きはそう難しくはない。

 聖女の養女になるのは彼女だけだが、そんな彼女と結ばれることが決まっているらしい身であれば、同じ家族としてみなされる。


 魔獣を祓うべき立場としてみなされる聖女が、その魔獣を養子に迎え入れて良いのかという意見も出たようだが…聖女の一声で決まったそうだ。


「貴方たちは、国の益を逃して、自ら滅びの道を歩む愚者になりたいかしら?」


 ハクロが味方になれば、かなり心強くなるだろう。

 しかし、敵になれば絶望的なものがあるだろう。


 その言葉の重みを理解し、すぐにハクロは聖女様の養子として迎え入れられる手続きを取ることが出来た。

 魔獣の身でありながら、聖女の養女。

 それは色々と混ざらなさそうな組み合わせだが、出来てしまったものはしょうがない。


 よって、その手続きを経て、無事にハクロは聖女の養女なったのだ。



「これで、一応立派な後ろ盾が出来て、狙われる可能性は減ったか…」



 まぁ、これでもその場しのぎに近いところはある。

 聖女の威光を笠にしても、それを潜り抜ける手段はあるだろうし、どんな分厚い壁でもぶち抜こうとする愚者が出るのはどうしようもないこと。


 それまでに、より根本的な部分からもっと対策を立てていく必要がある。


 今回のことで、身に染みてわかった。自分は弱いと。

 もっと強さがあれば、あんな虐待を受けることなく、反撃できた可能性がある。

 まだ十歳の身とはいえ、それでもハクロがそばにいるためには、知恵も力も技術も何もかも足りないのだと。


「…」

【ん?どうしましたか、旦那様】


 ふと、そこまで試行を考えたところで、ルドはハクロを見た。

 いつの間にか、そこまで彼女のことを考えて行動しようとしていて…出会う前だったら、まだ何も思わなかったことだと気が付いたからだ。


 転生者とはいえチートも何もなく、単純に過ごすだけの平凡な一般人に過ぎなかったはずの日々。

 けれども、ハクロが現れてからはぐいぐいと押され…気が付けば、一緒にいるこの時間が心地いいとすら思い始めている。



…ああ、そうか。突然ある日、旦那様とか言われて受け入れが難しかったけれども、いつしか彼女だけではなく、俺自身も彼女を思うようになっていたのか。


 この気持ちが本当に彼女を思ってなのか、それとも毎日ぐいぐいと押されて毒されているからなのかは、まだわからない。

 でも、そばにいたいという気持ちに関しては…彼女と同じように、偽りなく持っている。


「…いや、何でもないよハクロ。それよりも、授業に遅れが出ないように、しっかり勉強しないと…教科書、別の授業のものを取ってほしい」

【わかりました、旦那様】


 今はまだ、その思いを伝える必要もない。

 それでもいつか、お互いに思えると確信を持てるようになれば、伝えて良いのかもしれない。


 本当の気持ちなのかそうでないか…それを確かめる時間は、まだたくさんあるのだから。


 とりあえず今は、しっかりと知識を蓄えて行って、必要なものをどんどん吸収していこうと思うのであった…



【ふふふ、旦那様のためにも、授業で講師の方々が出していた内容を得てきましたので、こちらで私が再現して授業もできますよ!】

「お、それはそれで助かるかも」

【しっかりと教えるためにも、形から入ってみました!!どうですか、この格好!!立派な先生みたいでしょう!】


…形から入るのは良いし、授業の内容もきちんと取ってきているのは良いことだよ。

 でも、ちょっとその格好はアウトじゃない?何を参考にしたの、ハクロ。


【え?上級生の男子生徒から人気の高い女性教師の恰好をお聞きしまして、こういうのが良いと…】

「…素直なのは良いけど、少しは疑ってほしい。それ、絶対に俺の目の前以外でやらないで」


 これはあれだ。俺自身の知識云々以前に、彼女の人間の中での常識の補完も必要になるやつだ。

素直なのは良いことだ

しっかり話を聞き、細かい部分もメモができている

でもね、ちょっとは人間を疑ってほしいなぁ…

次回に続く!!


…ルーター交換完了!!これでようやく無事に、ネットがつながって投降が楽に…

と思ったら、今度は無線の方かよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

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