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プロローグ

…原点回帰、久しぶりの魔物シリーズです

どうぞ、興味があればぜひお読みください。

…あたりの地形が変わるほどの激しい戦闘があった。

 大地はひび割れ、焼け焦げ、すでに崩壊している場所もある。



ジバァァァン!!


【グギャァァァァァ!!】



 そんな中で、断末魔を上げ、地に伏せる巨大な竜。

 内部からの攻撃によって突き破られ、その巨体はゆっくりと倒れた。


 そんな腹がはじけ飛んだ龍の中から、ごそごそと影が出て、竜へ向き直る。


【…キュル、ありがとうございました、滅びの谷の黒竜様。これで私はより強くなれました】

【うぐぐぐ…き、貴様は、この我を倒して…強さを求めるとは、何が目的だ…】


 腹を食い破られて瀕死の状態だが、それでも竜は竜。

 並大抵の魔獣…獣から魔へ落ちた存在以上に強い生命力を持つがゆえに、腹に大穴をぶち抜かれても、かろうじてまだ息はあるようだ。


【強さを得て、何になりたいかって?そんなの、決まっているじゃないですか】



 魔獣以上の存在であるはずの竜を打ち破るほどの力を持ち、まだ力を求めるというのか。

 何のために求めていくのか、死にゆく身でありながらも自身を討った存在の目的が気になり問いかけると、その影はゆっくりと竜に目を向け、目的を口にする。


【何者にも負けることがない、最強の魔獣になって…私は、まだ見ぬ未来の彼の、そのそばにいるお嫁さんになるという壮大な目的があるのです!!】

【そうか、最強のま…いや、ちょっと待、ごべぶぅっ!?】


 途中までは、まだ納得できた。

 魔獣が強さを求め、最強の座を目指すというのはある意味生物としては正しい様な理論。

 竜を撃ち滅ぼせるほどの力を持ちつつも、最強というのにはまだまだ先があることを理解しているからこそ、目指していくのは同意できるだろう。


 だがしかし、そんな目的の中で何やらおかしなものが最後のほうにあったのを聞き逃さなかったが、すでに限界を迎えていた身はツッコミをするだけの力をなくしており、無理にやろうとしたがゆえに負担が強くかかってしまい、竜は血反吐を吐いてそのまま息絶える。

 


 これが、この滅びの谷という場所で主と呼ばれた黒竜のあっけない最期。

 情けない様な、無理もない様な、何とも言えない幕引きであった。





 後日、人間たちがこの場所の争いの形跡と黒竜の亡骸を見て驚愕したのは言うまでもない。

 けれども、その惨状を引き起こした主は既にいなくなっていたのであった…


本日は3話まで投稿予定!!


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