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実験A エピローグ
「……ん?ここは?お、おい!だ、出してくれよ!」
缶詰めにされて、次に目が覚めた時には、長細い透明の筒の中に閉じ込められていた。
『貴方は、本日のくじによって、引かれることなくその場所にいます。所謂売れ残りですね』
間違ってはいないが、勝手にやられた上に、そこまで言われるのはなんだか癪に触るというかなんというか。
「んで。家には帰してもらえるんだよな?」
ちょっと口調が荒くなってしまったが、多少は仕方ない。拉致られた上に、帰せとしか言ってないのだから。
『ふふ。何を言ってるんですか?貴方は売れ残りですよ?売れ残りの生ものは、その日のうちに廃棄処分しないと腐ってしまうじゃないですか』
……え?
『え?みたいな顔しても、面白いだけですよ?ふふ』
……こいつ、腹抱えて笑ってやがる。
『因みに、気付いてないんですか?』
「気付いてないって、何が……?!」
『ふふふふ。ふふふふ。ふふふふふふふふふふ』
な!?
「ここからだせ!……くそ、ここ、から……だ、せ……」
キューーーッと筒に手を滑らせながら、意識が遠のいて行った……。