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作家志望愛詩輝の私小説  作者: みらいつりびと


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おまけ小説 愛死鱒の恐怖のチョコレート

 愛死家は愛詩家の親戚筋に当たる。

 愛詩方は、又従姉妹の愛死鱒に誘われて、愛死の家、通称「愛死館」を訪れた。

 2月14日のことである。バレンタインデーだ。

 年下の女の子、鱒はチョコレート作りに奮闘していた。

「ちょっと待っててね。本命チョコを作っているから」

 方は困ったことになったと思った。彼は妹の愛詩輝を愛している。義理ならともかく、本命は困る。

 しかし面と向かって断ることはできず、仕方なくリビングで待った。

 キッチンからは異様な臭いが漂ってきた。

「市販のチョコレートを溶かして、型に入れるだけじゃつまらないわよね。胡椒を入れてみるのもいいかしら。オレンジの皮も捨てがたいわね」

 愛死鱒の手料理を食べたら、寿命が縮むと言われている。輝は鱒のカレーライスを食べた後、ひどい下痢に悩まされていた。それを方は目撃している。

 怖い!

 鱒の手作りチョコレートが怖い!

「ららら〜愛のチョコレート〜ららら〜死のチョコレート〜♪」鱒が歌いながら、チョコを作っている。異臭が耐えがたいほどになってきた。アンモニア臭に似ている。本当に死のチョコレートかもしれない。

「おおっと、いい匂いになってきた」

 鱒よ、おまえの鼻はおかしい。

「できた!」

 ついにできちまったか。

 愛死鱒の手作りチョコレート。

 鱒がそれを可愛らしくラッピングし、方に手渡した。

「死ぬほど愛してます」と彼女は告白した。

「あ、ありがとう。チョコは帰ってから家でいただくね」

「はい」

 方は愛詩家に帰り、チョコレートを一口だけかじった。

 鱒に感想を伝えなければならないと思ったから。

 失敗だった。致命的な失敗。

 方は瀕死の腹痛に陥った。入院した。

 恐怖のチョコレートが彼の部屋に残されていた。

 愛詩輝がそのチョコを拾った。

 臭いで鱒が作ったチョコだとわかった。

 兄貴、これを食べたのか。死ぬかも。

 彼女は合掌した。

 愛死鱒は愛詩方を愛している。彼が重度のシスコンとも知らずに。

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