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作家志望愛詩輝の私小説  作者: みらいつりびと


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33/48

イジられる愛詩輝

 ボクが映画撮影でへそ出しゴスロリを着ることを話したら、綾乃が強烈に食いついてきた。

「なにそれ見たいんだけど。見たい見たい見たい見せて」

「映画を見てくれれば見られるよ」

「生で見たい。今日見たい」

「今日かよ」

「輝ぅ。ね、見せて。お願い~」

「仕方ないなぁ。ボクの家に来る?」

「行く行く。やったぁ!」

 というわけで、ボクは空鳥綾乃を連れて帰宅した。

「お茶とお菓子でも出そうか?」

「そんなの後でいいから。衣装を着て、見せて!」

 ボクは今着ている服を脱いだ。下着姿を綾乃が凝視している。その目はうっとりしていて、頬は赤らんでいた。

「輝、肌キレー。きめ細かー。透き通るような白さっ!」

「恥ずかしいから、ドアの方を向いてて」

「いいじゃん、同じ女の子同士、恥ずかしがる必要はないよ」

「綾乃はバイセクシュアルなんでしょ。その目、なんかいやらしい」

「腰のくびれがたまらない。綺麗だ、輝。押し倒したい」

「着替え見るの禁止!」

 綾乃がやっとボクから目を逸らした。へそ出しゴシックロリータを着た。チェーンや鎖がついている黒い服。革のベルト。おへそ丸出し。スカートは短く、白のニーハイソックスとの間に絶対領域が露出している。新品の黒いブーツも履いた。

「着たよ」

「きゃーっ、カワイー。エロ格好いい!」

 綾乃が興奮して叫んだ。目を輝かせ、頭のてっぺんからつま先までを鑑賞された。ボクに抱きつかんばかりに急接近して、お腹をつん、を指で突かれた。つんつんつん。

「きゃんっ、やめてよ!」

「やわらかいー。たまらん」

 次に彼女はボクから少し距離を取り、許可も取らずにスマホで撮影しやがった。

「やめてよっ。撮影禁止!」

「どうせ映画撮影するんでしょ。よいではないか」

 ボクは写真を消去するためにスマホを奪おうとした。綾乃は猫のようにするりと逃げた。

「お宝写真だ。待ち受けにしようかなっ」

「だめぇ!」

 ボクと綾乃が部屋の中で追いかけっこしていると、手世姉さんと川島ルビーさんが入って来た。ボクと姉は同じ部屋で起居している。

 二人もボクをガン見した。

「輝、なんて格好してるんだ。エロいぞ」

「きゃあああ。輝ちゃん、かわいいですぅ」

 川島さんが自分の両手で頬を押さえた。瞳がキラキラしている。彼女もボクに接近し、躊躇なくハグした。

「あああっ、わたしもっ」

 綾乃が川島さんごとボクを抱きしめた。

「やめてぇっ」

 ボクは叫んだが、二人ともしばらく離れなかった。

「何を騒いているんだ?」

 ぎゃあっ、方兄さんまで部屋に入ってきた。えっ、今日はお仕事じゃないの?

「て、輝! その格好は!」

 兄貴はシスコンである。ボクを愛している。綾乃以上に凝視された。

「かっ、かっ、かわいい……」

 鼻血がつーっ、と流れた。妹を見て興奮しないでよっ。

「おまえの縦長のへそが美しい。太ももの太さが絶妙すぎる」

 変態だっ、ボクの兄は変態だっ。

「みんな出てって!」

 兄はさすがに出て行った。綾乃はすました顔で「お茶でも出してよ」と言い、姉と川島さんは「アレンジしよう」「そうしましょう」とか話して離れた。

 ボクは緑茶とカステラを綾乃に出した。

「はぁ、眼福」

「なんかクランクインが怖くなってきた」

「覚悟決めなよ。似合ってるから」

「ありがと。やるしかないんだよね」

 姉さんと川島さんはパソコンで音を鳴らしている。DTMで映画音楽のアレンジをしているのだ。「シンセでウラメロを足したい」「あんまり音を足し過ぎるとメロディが際立たないです」「ドラムは派手にジャンジャン鳴らしたいよな。ハイハットで16ビートを刻んで、シンバルシャーン、キックはドドド」「だめですよぉ」

 きっといい曲ができるよね?

「お姉さんはミュージシャンなんだね」

「うん。『女神ーず』っていうバンドのボーカル。『インディーズの姫君』なんて呼ばれてる。格好いいでしょ?」

「わたしは輝の方が好み」

 綾乃がまたボクのお腹をつんした。

「出禁にするよ」

「にひひ。もうしないよ」

「写真消去して」

「美少年のイメージがあったけど、ゴスロリ着ると女の子だねぇ。はあぁ、色っぽい」

「消去」

「輝は『ワルキューレの姫君』だ」

 綾乃はあくまでも写真を死守する構えだ。ボクはあきらめた。

 クランクインは明日。

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