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気味の悪い娘

掲載日:2021/07/09

僕には好きな女の子がいてさ。

不良だとか、気味が悪いとかって、そういう噂のある娘なんだけどさ。

本当は優しい娘なんだ。

それに、顔もなんというか、凛々しくて可愛い。


この間も、夕方に繁華街で見かけてね、迷子を見つけて相手をしてあげてた。

彼女は小さい子に優しくてさ、そういうところも、素敵に思える。


えっ、告白はしたのかって。

いや、実はまだなんだ。

できれば、告白とかそんなのなしで、一番仲の良い友達から、恋人になれたらいいなって思ってる。


ちゃんと、遊びには誘っているよ。

今のところ返事はもらえていないけどね。

いつかは何とかできたらいいなぁ。

来世とかでね(笑い)


それに、あの娘は、夕方になると色々徘徊するんだよ。

家に問題があって、帰りたくないのかなって思ったんだけどさ。

そうじゃないみたい。


結構遅い時間も出歩いていて、補導されたことも見かけたよ。

どうして、そんなことしているか聞いても、返答はもらえなくてね。

理由がわかればいいなって思って、ある時、あとをつけてみたんだ。


違うよ。

ストーカーじゃないよ。

心配だったからさ。

皆は気が付いてないかもしれないけれど、あの娘には悪い噂があったからさ。

何とかしてあげたかったんだ。


それでさ、僕は見ちゃったんだ。

公園のベンチの下で。

繁華街の路地裏で。

薄暗い道の電柱の陰で。


彼女は何かつぶやいてからさ、大きな声で「みーつけたっ」って言うんだよ。

そこには何もいないんだけどね。

周りの人も、吃驚してしまうよね。

こういった奇行をするから、気味が悪いとか言われてしまうんだろうね。


けれど、その場所からは、なんとなく子供が笑ったような、そんな気配がするんだ。

なんだか暗い雰囲気だったその場所がさ。

明るいっていうか、色が鮮明に見えるようになるんだよ。

良くわからないんだけど、それはきっと意味があることなんだろうね。


何日か、僕は、彼女の様子を見ていたんだ。

彼女は素晴らしく、可愛かった。

だから、全然苦痛じゃなかったよ。


ある時さ、目をこすりながら、彼女が僕を見つめてきた。

ドギマギしていると、彼女が言うんだ。


「もーいいかい」って。


だから、なんとなく僕は、答えた。


「もぅーいいよ」って。


そしたらさ、彼女がすごい笑顔で言うんだ。


「みーつけたっ」って。


僕は、それが嬉しくて、天に昇ったんだよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 彼女は除霊(?)していたんですね。主人公が無事に昇天できてよかったです。
[良い点] 思わず二度読み、三度読みしました。 どこか違和感がある主人公と、可愛いんだけれど風変わりな女の子。 すべて読んだときの「あっ」という感じが、なんとも面白かったです。ありがとうございました。…
[良い点] 最後詩的で素敵ですね。 [一言] にゃけるっ(´;ω;`)
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