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「もうそんな時間か。リィナと一緒にいると時間が過ぎるのを早く感じる」
そう言いながら席を立ち、私の手の甲にキスをする。
「早くまた君に会いたい」
こんなセリフを去り際さらっと言えちゃうなんて…イケメンて恐ろしい。
「はぁぁぁぁぁ」
「リィナ様、そんな大きくため息をつかない!」
「だって疲れるんだもん、婚約者だけど結婚しないし、王太子だから蔑ろにもできないし…」
クッキーを口にし、机に寝そべっていると
「リィナ様!お行儀が悪いですよ」
「はぁーい」
私に注意をしてくれているのは侍女のカティー。
カティーの母親もうちで働いていて、私が5歳のときに侍女見習いとして働き始めた。3つしか離れていないのにすごく物知りで色々教えてくれる姉のような存在。
私なんかよりよっぽどお妃様が似合うよねぇ、当たり前だけど。
そんな私も婚約破棄後の人生をしっかり楽しく生きていけるようにある計画をたてているのだ。
読んでいただきありがとうございました。