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第14迷宮 モンスターハウス


 マッピングしなが薄暗い道をゆっくりと進んでいく。

 最初のモンスターを倒してから30分ぐらい経っただろうか。

 その間に4体のゴブリンと接敵したが、問題なく全部殴り殺すことが出来た。


 自分でも気が狂ったかのように殴りつけ、青い花が咲き乱れたが、それがトラウマになってしまっているような様子もなかったので大丈夫。なのか?


 むしろ自分の身体能力が想像以上に高く、ワンパンで敵を沈められるという事が楽しく感じ始めていた。


 命懸けの戦闘のせいで出てるだろうアドレナリンと精神強化のせいだろう。

 こんなバトルジャンキーな性格ではないはず。


 モンスターが現れる時の感覚。感知する感覚にも慣れてきたので、これからはもっと早く進んでいこうと思う。


 あれ?僕魔法使いやろうとしたんだけど、これじゃ戦士か蛮人だ。装備間違えたかな。

 

「次はちゃんと魔法使おう!」


 自分にそう言い聞かせる。木魔法を使ってはいるんだけどもっと魔法っぽいことがしたい。

 それに、せっかく取った火魔法のスキルが勿体無いから。


 魔法、火属性魔法、ファイア、とぶつぶつ言いながらさっきよりも足速に進んでいくと、先にモンスターを感知した。


 思考がバーサーカーだけど、走って接敵するとそのまま殴り殺しそうなのでゆっくり近づく。


「キュー?」


 ゴブリンが視界に入ると、エメラルドがなんでいかなかったの?

 みたいな戸惑った声を出した。


 そんなに僕嬉々としてサーチアンドデストロイしてたかなぁ。


 火魔法が十分効果的だろう距離まで近づくと、流石にゴブリンもこちらに気づいたようだ。

 ギャーと叫びながらこちらに向かって走ってくる。


 と言っても十数メートル先なので余裕を持って狙いを定める。


「ファイア!」


 僕の掛け声と共に、ゴブリンの胴に向けて野球ボールぐらいの火の玉が杖の先から飛んでいく。


「ギャー!」


 それがゴブリンに当たると、その箇所は焼けてその体を抉った。

 一撃で倒すことは出来なかったようで、まだこちらに向かってくる。

 自分でやっておいてだけど、見た目がグロい。


 その後少し躊躇したが、さっきの爆散で慣れてしまったのもあって、ゲームの世界が本当になったらこんな風になるのかと、達観してしまっている自分がいた。


 そのおかげで、敵のゴブリンが体制を持ち直す前に頭を撃ち抜いて倒すことが出来た。


 あたりどころが悪いと倒し切れないけれど、ヘッドショットをすれば確殺が取れるみたいだ。


 そのままドロップした魔石を拾って先に進む。


 それからは10分に1回ぐらいのペースで敵モンスターとエンカウントした。

 道中現れるモンスターは大体が棍棒を持ったゴブリンで、たまに棍棒じゃなく違う武器を持ったゴブリンが出てきたが、鑑定結果は変わらない。


 途中で休憩や食事を挟みながら、適当に進んでいく。

 どのくらいこのダンジョンにいるのだろう。

 魔石もEランクのものが30個以上手に入っている。


 これ全部で3000DP以上にもなるんだから悪くはない。

 最初に稼ぎすぎたせいで、少し金銭感覚麻痺してるかもしれない。


 そんな調子でダンジョン内を順調に進んで行くと、先に開けた大きめの部屋があってモンスターが集まっているのがわかった。


 ゆっくりと中を覗ける距離まで近づく。


 ゴブリンの群れなのかな、ゴブリンがその部屋には10数体いるようで、さらに中には1まわりサイズが大きいのがいる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

種族 ゴブリンリーダー D

レベル 12

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ランクが1つ高いゴブリンみたいだ。レベルもこれまで現れたゴブリン達よりも5つほど大きい。


 どのくらい強いのかわからないが、ゴブリンぐらいなら何体でも相手どれそうだし、ダメだったら逃げれるぐらいの能力と体力があるので退路を確保しておけば大丈夫だろう。


 そんな安易な考えで突っ張る事にした。


 エメラルドには離れておいてもらって、入り口付近のゴブリンを魔法で吹き飛ばす。


 そのまま部屋に少し顔を出すとゴブリン達はギャーギャー叫び、面白いぐらいに集まってくる。


 ファイアボールを適当に打ち牽制しながら、近くに来たゴブリンの頭を殴り倒す。


 初めて多数の敵を相手にしているが、思ったよりも上手く戦えている。

 ダンジョンマスターのステータス強化がえげつない。


 周囲のゴブリン達の棍棒の動き一つ一つすらはっきりとわかるのだから。


「おらっ!」


 それに、杖の一振りでゴブリンがバッタバッタと薙ぎ払われていく。

 無双系のゲームをしているような高揚感。杖ってなんだっけ。


 そんなことを思っていたら、向こうのほうから火の玉が向かってきた。

 調子が良いせいで油断してしまっていたのか、冷静に居れば見切って避けれたはずのそれをジャージしかない腕で受けてしまった。


 僕の魔法のように当たって肉まで抉れるようなことは無かったけれど、当たった腕はジャージが破れたし、そこから覗く肌は焼けて赤い。


 腕は動かせないほどでは無いが、衝撃はくらったし焼けてヒリヒリする。

 初めてダメージを食らった。

 今メニューが開けないから残りHPが確認できないんだけど、どのくらい減っただろうか。


 奥に魔法を使える個体がいたらしい。確認不足だったし、油断していた。


 魔法を撃ってきた個体には、直ぐにファイアボールを撃ち返し倒した。

 幸い杖を持ったゴブリンは、それ一体しか居ないみたいなので一安心だろう。

 

 そのまま問題なく部屋のモンスター達を倒し切った。

 ゴブリンリーダーもゴブリン達と共に頭を殴った事で倒せたのでそこまで強くなかったのだろう。


 周囲には、魔石やゴブリンが使っていた棍棒などが転がっていた。


 これ拾ったら、エメラルドにポーション貰って今日は終わりにしよう。



ーーーーーーーーーー


所持 100


獲得 越日 200 

   魔石E 100×43

   魔石D 1000×2


差引 6600




これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。

                 平和な松ノ樹

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「どのくらい強いのかわからないが、ゴブリンぐらいなら何体でも相手どれそうだし」 そのうち、同じくらいの強さのmob敵にリンチされないか心配
[一言] ゴブリンからしたら主人公が理不尽の権化なんよなぁwww 鋼鉄並の硬さの杖による近接攻撃と魔法による遠距離攻撃に加え、魔法を当てても肌が赤くなる程度の耐久性とか無理ゲーwww 真のダンジョン…
[一言] ゴブリン視点...需要は...ある...のか?
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