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第9迷宮 ダンジョンという名の箱庭


 あれから数時間。

 なんと目の前にびっしりと広がるかなりの密度を持つ果樹園が。


「どうしようかな、これ……」


 「キュー?」


 マスタールームの入り口を完全にふさいでしまったこれをどうにか出来ないものかな、と困った時のメニュー画面を弄ることにする。


 木だけ売却はもったいないし面倒くさい、この果樹園を別の場所に……。


「おっ!ダンジョンエリア操作でなんとかなるみたいだ。せっかくだから10000DPを消費してこのエリアにダンジョンスペース(小)を追加して。ダンジョンエリア操作で、この木々をダンジョン内にランダムに配置。……よし!実行!」


 ダンジョンエリア操作を実行し、ダンジョン内の木を等間隔に配置するように操作すると、目の前の果樹園は一瞬にして、きれいさっぱり無くなった。


 ダンジョン内に散り散りになったのだ、これから散歩する時には果物を探してみるといいかもしれない。

 沢山の種類があるので、今日のラッキーフルーツは?みたいな感じで占いぐらい出来そうだ。


 でも今の操作のせいで、気のせいかな?

 なんだかダンジョン内が少しだけど鬱蒼とした気がする。


 さっきまではもうちょっと見た目が明るかったのだが、今は少し地面の影が目立つようになった。


「問題ない。大丈夫でしょう!」


「キュイ?」


 だってダンジョンだもの。

 暗いぐらいが丁度いいと思います。


 さっきまでは人類の敵のダンジョンというよりも、管理された秘境みたいだったから。


 それと同時に、少し勢いが良すぎた気もするが、ダンジョンスペース(小)を追加した。

 1万DPを消費したが、それによってダンジョンが2倍のサイズまで大きくなった。


【ダンジョンコアがランクアップしました】


 「コアのランクアップ?」


 コアのランクアップというのが知らされたので、早速調べてみる。脳内辞書。


 エリアの拡張によってコアが成長したらしく、日付超えで貰えるDPも2倍になったみたいだ。

 毎日100DP貰えていたのをラッキーぐらいにしか考えていなかったが、スペース(小)の分だったのを今知った。


 さらに、僕の中にあるコアが成長したおかげで、僕のステータスも上昇しているらしかった。

 そもそも、コアのおかげでステータスが盛られているなんてことも今知った。


 ダンジョンスペース(小)が1㎢なのだけど、これまでそれが一つだったのが、二つ分のサイズまで成長したので、単純に倍だ、まだ全部を見てないけれど結構広がったことだろう。


 前のサイズをダンジョンとしてはどうかは知らないけど、森というには流石に小さい気がしたんだよね。

 DPに余裕があればまだ全然大きくするけど。


 あれ?今結構DP余裕あるよな……?やるべきか、やらざるべきか。

 とりあえず保留で。


 それと同時に、第一スペースのボスとしてモンスターが一体置けるようになった。

 これに登録したモンスターはそのスペースにいる限り体力が倍になるみたいだ。


 ダンジョンスペース毎の区切りみたいなのは目には見えないがちゃんとあるみたい。

 スペースのボスにはそこから出ないように命令しておかないと。


 とりあえずエメラルドをそれにしておくけど、エメラルドは僕について回るから後でちゃんと考えないといけないな。


 なんか調子いい気がするから、このテンションでパッと強いモンスター手に入らないものかな。


 なんかガチャみたいなので、いきなりBランクのモンスターが出たり……しないか。


 他にも、エリアごとにボスを配置できるようだ、エリアのボスはダンジョンマスターみたいな感じで突破しないと先に進むことの出来ない自分だけの空間が用意できる。

 そのモンスターがそこにいる限り、全能力2倍!さらに体力2倍!である。

 破格過ぎる。


 HP 4倍なので、元々HPが高いモンスター置いておけば鉄壁になるだろう。


 因みに、最終エリアにはラスボスとしてダンジョンマスターがいるためにそんな中ボス的な部屋は配置できないらしい。


 さらに言うと、ダンジョンマスターとマスタールームにはそんな効果は全くない。

 なんでさ!マスターが1番弱い説があるのに。


「今思ったんだけど、なんか寂しいから小動物でも追加しようかな」


 思いがけず大量のDPを入手してしまったので、今のこの森の状況を見て、何も音がしないのは寂しいと思ってショップを見てからずっと気になっていた、生物の購入をしようと思った。


 DPショップの生物の項目を見ていくと、うさぎや蛇、コウモリなどの動物やバッタや蝉、カブトムシなどの虫など色々な生物が売っていた。


「今の僕は金持ちだから、10000DP分の動物達を雌雄で生態系根付く位まで買ってやろう!」


「キュイ!キュイ!」


 森に居そうな生物を思いつく限り買っていく。


 モンスターとか別世界の道具じゃないのでそんなに高くなく、高くても一体100DPぐらいだし、虫なんて10DPで100匹は買える。


 適当に買っておけば環境にあったやつは増えるだろう。

 という雑な考えで目についたものをどんどんと買っていく。


 リスや鹿、ミミズクなどの動物、蝶や蜂、又は小さな虫達、湖には魚も放った。


 10000DP以上きりが良いところまでこの作業が終わった頃、森には少し活気が出てきたように感じた。


 これからはモンスターと生物達でこれまでにない新しい生態系が生まれるだろう。

 そんな風景を想像した。


 そんな妄想に耽っていると、いつものように脳内に声が響く。


【レベルアップしました】

【新たな称号を手に入れました】


 それを聞くと、すぐにステータスを開いて新たな称号を確認した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

称号

箱庭の世界new


ダンジョン内で確かな生態系を作った証

ダンジョン内でモンスター自然発生が起こるようになる

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お?……おぉ!!これはやったんじゃないか?だって、これ絶対凄いやつじゃん!」


「キュイ!!」


 箱庭の世界の効果によって今放った動物達が成長して、モンスターに進化する事が可能になったのだ、そして、この効果によってスライムなどが自分から分裂したりして増えることも可能になるってことだろう。


 スポーンエリア以外でモンスターを増やすことができるこの称号は、大きいアドバンテージになるんじゃないだろうか。


「ダンジョン内はこんなもんで良いかな?思ったよりもちゃんとしたいいダンジョンになりそうで、良かったぁ」


「キューイ!!」


「いえーい!!」


 ここに後の世にその名を轟かせる恐ろしいダンジョンが誕生した。

 のかもしれない。

 名前はまだ無い。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

無名ダンジョン

ランク 4

主属性 木

副属性 光

種族 樹霊


エリア1

スペース(小) 森

スペース(小) 森


モンスター

リーフスライム E

プラント F

シード F

ウィスプ F


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

生産者new


ダンジョン内での植物系の生産スピードが上がる

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


所持 5580DP


獲得 果物×6000 +60000DP

   越日 +200


消費 果物の木×300 −15000DP

生物 −10580DP

ダンジョンスペース −10000DP


差引 30200DP



これからの執筆活動、少しでも応援して頂ければ幸いです。

                 平和な松ノ樹

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