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骸骨魔術師のプレイ日記  作者: 毛熊
第十八章 建設ラッシュ
417/688

殻上の建築

――――――――――


種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【杖】レベルが上昇しました。

【召喚術】レベルが上昇しました。

【付与術】レベルが上昇しました。

【符術】レベルが上昇しました。

【死霊魔術】レベルが上昇しました。

【呪術】レベルが上昇しました。

新たに武具の呪いの呪文を習得しました。

【罠魔術】レベルが上昇しました。

【降霊術】レベルが上昇しました。

新たに荒御魂召喚の呪文を習得しました。

【言語学】レベルが上昇しました。

【指揮】レベルが上昇しました。

【死と混沌の魔眼】レベルが上昇しました。

従魔ヒュリンギアの種族(レイス)レベルが上昇しました。

従魔ヒュリンギアの職業(ジョブ)レベルが上昇しました。


――――――――――


 アン達の依頼を受けてから早数日、私は回遊島海獣(アスピドケロン)の殻の上にいた。その目的は無論、アン達の依頼である拠点作りのためである。


「A班、そこのアイテムを運び出せ。B班は伐採を切り上げて、粉砕作業を再開しろ」

「「「ガチガチガチ」」」


 拠点作りに際し、私はいつもの黄色いヘルメットを被って新たに作った不死(アンデッド)を指揮していた。用いた素材は『餓魂の錆砂海』で即死させて無数に入手することが出来た金属の骨である。


 そう、やはりあの金属の骨は不死(アンデッド)製作の素材として利用可能だったのだ。あれを【錬金術】などを用いて形状を調整しながら、以前に作った不死傀儡(アンデスパペット)と同じ要領で完成させたのである。


 種族(レイス)不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)と見たままであり、不死傀儡(アンデスパペット)と比べると体力と防御力のステータスが高い代わりに器用と敏捷のステータスが低く仕上がった。就ける職業(ジョブ)の面では全く違いはなく、本質的には同種と言って良いようだ。


 ただ弱点の能力(スキル)の面では少々異なっている。不死(アンデッド)らしく【光属性脆弱】があるのは共通しているものの、骨を素材にした不死傀儡(アンデスパペット)は私と同じく【打撃脆弱】を持っていた。だが、不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)に【打撃脆弱】はない。その代わり【雷属性脆弱】の能力(スキル)があったのだ。


 金属製であるが故に、感電するとただではすまないらしい。いくら体力と防御力に優れているとしても、二つの属性に弱いのは大きな欠点だ。その欠点を補うべく、それぞれの属性の耐性を持つ装備をアイリスに作ってもらうことになっている。まあ、この建築ラッシュが終わってからの話になるがね。


 ちなみに不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)を作ったいる時、他にも色々な不死(アンデッド)も作っている。創作意欲の赴くままに作ったが、中々の力作になったと自負していた。


「王様ってか、主任って感じだねぇ」

「アンか。相変わらずヘルメットを被ってはくれないようだな」

「当たり前だろ?ダサいんだから」


 ヘルメットのことを指摘したものの、アンはハッキリと拒絶している。ううむ、この良さがわからないのか。他の団員にはノリノリで被ってくれる者もいるのだが…無理強いするようなことでもないからこれ以上は言うまい。


 現在、作業は順調に進んでいる。好きにやれと言われたアイリスは、回遊島海獣(アスピドケロン)の上に堅牢な要塞を築く構想を練った。そのために先ず必要になったのは殻の上の整備であった。


 大木のように見える殻の突起は非常に固く、簡単に折ることは出来ない。不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)達はその性質から重武装をさせており、その力で無理矢理叩き折らせていた。


 両手剣や大斧よりも鎚による打撃が最も効果的だったので、三つに分けた班には鎚を武器として与えてある個体を入れて折る作業に当てている。初期の能力(スキル)で鈍器を設定した個体はそこまで多くないので作業のペースはそこまで速くないものの、少しずつ切り拓かれていた。


 ただし、本拠地となるであろう殻の頂点の部分は最初に切り拓いたので広い空き地のようになっている。今はそこで基礎工事が行われていた。凹凸だらけの殻の上を例のセメントで均しているのだ。


 その作業を行っているのは建築チームではなく、海賊団の団員である。建築チームがいないのは港町の建設に忙しいのもあるが、回遊島海獣(アスピドケロン)の上に行くのを怖がったからだ。


 海洋に出るだけでも彼らには馴染みがないのに、私達が見たことのある中でも上から数えた方が早い大きさの魔物の上に乗るのは抵抗があるようだった。アン達のことは嫌いではないが、それとこれとは話が別らしいな。


「ウチの連中だとやっぱり時間がかかっちまうね。海に強い素材ってのがすぐに見付かったから良かったけどさ」

「ああ。まさかこの殻の突起そのものが素材として最適だとは思わなかった」


 この突起は回遊島海獣(アスピドケロン)という魔物から採取される素材である。採取ポイントのように一定時間後に再び採取可能になるようなものではないが、その分アイテムとしての効能は高い。【鑑定】した結果は以下の通り。


――――――――――


回遊島海獣の擬森棘 品質:可 レア度:S(特別級)

世界最大級の海洋生物、回遊島海獣の殻に生える棘。

樹木のように見えるが、殻の一部である。

一般的な金属よりも遥かに固く、水の魔力と親和性が非常に高い。

加工は困難を極めるが、優れたアイテムの素材となるだろう。


――――――――――


 説明文にも記述されているが、一本をへし折るのにも苦労する代わりにアイテムとしての有用性は素晴らしかった。しかし、素材として利用するまでの試行錯誤は大変だった。


 最初、エイジに採取してもらったのだが、何本採取しても品質が『可』であった。彼はせめて『良』にしたいと色々と工夫したようだが、一向に品質は『可』のまま。エイジは自分が不器用だと落ち込んだのだが、そこでアイリスが待ったをかけた。採取の方法が悪いのではなく、加工しなければ品質は上がらないのではないかと主張したのである。


 そこで彼女が表面を研磨したところ、その予想は大正解だった。樹皮のような表面を内側の白色の部分が露出するまで研磨したところで、ようやく品質が『良』に上昇したのである。


 ただし、アイリスはそこで終わらなかった。そのまま無心で磨き続け、芯の部分だけになったところでその品質は『優』にまで上昇した。この芯材は最初の見た目とは完全に別物で、螺鈿のような艶のある棒状の素材へと変貌したのだ。


 この芯材には様々な使い道があった。さらに研磨すれば刃となるし、棒状のまま使えば槍などの芯としても使える。今ではアン達全員がこの芯材を研磨した剣を装備しているし、棒のまま使って源十郎の槍やセイの棍、エイジの斧や鎚にも使われていた。


 だが、使い道があるのは芯材だけではない。研磨するときに大量の端材が出たのだが、この端材を磨り潰して粉にするとセメントに混ぜるのに最適な状態になったのだ。


 折った突起はアイテムとして回収した後、その日の終わりにアイリスへと届けられる。そして研磨が終わり次第端材を受け取ると、殻の上に設置された巨大な石臼に放り込んで粉にするのだ。


 今も我々の側で不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)達が石臼を回して粉にしていた。巨大な石臼についたハンドルを握り、グルグルと押して回す姿は某世紀末漫画のワンシーンを彷彿とさせる。


 あれは発電をさせているのだったか、それとも無意味なことをやらせ続けて心を折るのだったか?どちらにせよ働かせている私はさしずめ鞭を持ったモヒカンである。救世主に秒殺されるのは勘弁して欲しいものだ。


 下らない妄想はともかく、端材をこうして粉にしてからセメントに混ぜていく。こうすると物理的な強度が上昇しつつ、水属性への耐性も極めて高くなるのだ。万が一にも海中で強力な魔物に襲われたとしても耐えられるだろう。


 アイリスの工夫はそれだけではない。今は基礎工事の最中だが、建物を作る時にはこの端材を混ぜたセメントに芯材を仕込むことで鉄筋コンクリートのようにするらしい。既にしいたけの手を借りた実験によって強度の向上は確認されているので、後は実際に建築するときに仕込むだけだった。


「それにしても、どんな仕上がりになるんだい?好きにしろとは言ったけど、完成形を知らないってのは困るんだけどね」

「何?アンも知らないのか…」

「『も』ってことは、王様も知らないのかい!?」

「うむ。私が持っているのは、あくまでも基礎工事の設計図に過ぎないからな」


 驚きから声が引っくり返っているアンに私は設計図をヒラヒラと動かしながら頷いた。私が与えられたこの設計図とは、これを使うことで生産関連の能力(スキル)がなくとも正確な作業が可能にする補助をしてくれるアイテムである。


 職業(ジョブ)能力(スキル)のレベルをかなり鍛え上げた生産職でなければ作成不可能らしく、アイリスもここ最近でようやく作れるようになった。素人でも綺麗に仕上げられる設計図を引ける者は、その道を極めた者だけということだろう。


 それはともかく、これがあるからこそアイリス達がいない状態で、しかも作業をするのが生産職でなくても当然のように工事が出来ているのだ。私は設計図があれば下僕を使って一人で様々な作業が可能なので重宝している。まあ、あまりにも捗り過ぎて普通の魔術よりも【指揮】の経験値ばかり稼いでしまったのは微妙な気分になるが。


 今、私の手元には基礎工事の設計図しかなく、完成予想図などは存在しない。だからどんな仕上がりになるのかわからないのだ。


「芯材を鉄筋のように使えることがわかってから新しく図面を引くと言っていたし、まだアイリスの頭の中にしか完成図はないと思うぞ。どうしても気になるのなら聞きに行けば良い。港町にいるだろうからな」

「そうかい。じゃ、そうさせてもらうよ」


 そう言ってアンは数人の団員を連れて工事現場から去っていく。彼女を見送った後、私は再び不死(アンデス)鋼傀儡(メタルパペット)達の指揮に集中するのだった。

 次回は2月12日に投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 世紀末発電www
[気になる点] 前から思ってたけど、邯那にしろ作成したアンデッドにしろ作った後、光属性脆弱があるのに、なんで日光の下で活動できるの?克服早すぎない?
[一言] これ、次の進化の時に金属骨使えば打撃脆弱とれんのかな。雷脆弱は時間かかっても魔導具使えばいいだけだし。
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