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骸骨魔術師のプレイ日記  作者: 毛熊
第一章 不遇なる魔物達
4/688

続・本を読んでみよう

――――――――――


種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【杖】レベルが上昇しました。

【魔力制御】レベルが上昇しました。

【土魔術】レベルが上昇しました。

【水魔術】レベルが上昇しました。

【火魔術】レベルが上昇しました。

【風魔術】レベルが上昇しました。

【忍び足】レベルが上昇しました。

【奇襲】レベルが上昇しました。


――――――――――


 帰還しました。いやはや、やっぱり色々な属性を使えるってのは楽しいね。それぞれに長所と短所もあるから、それを考慮しつつ使うのこそ魔術師の醍醐味って感じだ。


 それにしても小鼠男(レッサーラットマン)には感謝の言葉しか無いな。各属性の試し打ちの的になって性能の把握に貢献してくれたのだからな。まあ、狩り続けるのに変わりは無いのだが。


 あ、そうそう。狩りと言えば、一個だけレアドロップらしき物を手に入れた。それがこれだ。


――――――――――


魔石 品質:屑 レア度:C

 魔物の体内で生成される石。

 周囲の魔力を吸収・蓄積する。

 吸収効率は品質に、最大魔力量はレア度に比例する。


――――――――――


 これはバッテリー的なものだな。品質もレア度も最低だからありふれたもの、と言うより屑石なのかもしれんが。まあ、捨てるつもりは無い。後々役に立つかもしれんからな。


 それよりも【鑑定】レベルが上がったことで、レア度の低いアイテムの詳細情報を閲覧出来るようになったのは有難い。どうせしばらくはレア度が高いアイテムなんてお目にかかれないのだ。


 狩りの成果確認はこれでいい。魔力が回復するまで時間がかかるし、それまでは読書の続きと洒落込もう。まだまだ入門書は何冊も残っているのだ。では…この『召喚術入門』にしようか。



◆◇◆◇◆◇



――――――――――


これまでの行動経験から【召喚術】スキルを獲得しました。


――――――――――


なるほどね、理解した。どうやらFSWにおける【召喚術】は少々特殊な仕様のようだ。


 第一に前提として【召喚術】によって喚び出される存在を召喚獣と呼ぶ。召喚獣はパーティーに数えられないので好きなだけ喚び出せるが、喚び出している間は術者の最大魔力量に制限が加わる。具体的に言えば召喚に使用した魔力と同じ量が最大魔力量から差っ引かれるわけだ。


 第二に召喚獣の強さだが、これは【召喚術】レベルと喚び出す時に消費した魔力量に比例する。魔力をケチっても雑魚しか喚べないということか。ま、当然だな。


 第三に召喚獣の種類だが、【召喚術】レベルの上昇ではなく実際に術者が遭遇した獣や魔物だけらしい。更に魔物の中でも喚び出せない者もおり、その辺は【召喚術】に対応した魔物であることを祈るのみである。


 第四に【召喚術】レベルの上げ方だが、これには三種類の方法がある。一つ目は【召喚術】を使うこと、二つ目は召喚獣を帰還させずに召喚状態を保つこと、そして三つ目は召喚獣を残したまま戦闘に勝利することだ。要するに【召喚術】を上手に使え、という話だな。


 最後にこれが一番重要なのだが、何らかの属性魔術を取得していると召喚獣に属性を付与出来るようだ。必要な魔力が増加するが、常に相手に優位をとれる味方を呼び出せると考えれば非常に有用である。


 そして誤解してはならないのが、【召喚術】はあくまでも下僕を喚び出す術である事だ。召喚獣には単純な命令に従うだけの簡易AIしか搭載されておらず、成長もしない。もし獣や魔物を仲間にしたいのなら、【調教】の能力(スキル)によって従えるべきだ。此方は従えた時点で疑似人格AIが搭載され、共に戦って絆を深める程に成長するようだからな。


 私の場合、召喚獣は壁役だ。敵の属性を【鑑定】し、それに対応した属性を付与した召喚獣に粘って貰い、後方から魔術で仕留める。この流れでいいだろう。それで、私が召喚できる魔物はなんじゃろなっと。


――――――――――


召喚可能

 動く骸骨(スケルトン)


――――――――――


 まさかの同族オンリー。まあ、自分以外に遭遇した魔物は小鼠男(レッサーラットマン)だけだから仕方がないな。では早速召喚してみよう。そうだな、折角なら属性の付与も試してみよう。


召喚(サモン)動く骸骨(スケルトン)(ダーク)


 教本通りの詠唱を行うと、私の身体から魔力が抜けていく。そして目の前で黒っぽい動く骸骨(スケルトン)へと変化した。


――――――――――


【闇魔術】レベルが上昇しました。

【召喚術】レベルが上昇しました。


――――――――――


 成功だ。消費した魔力は一割なので決して強くは無いだろうが、次の狩りには連れていくとしよう。


 それよりも、属性を付与すると付与した属性のレベルも上がるのか。これは良い発見だな。積極的に付与は行おうか。


 ふむ、魔術を使ったせいで魔力がまた減ってしまった。なら回復するまでもう一冊読めるか。次は何にしよう。付与繋がりで『よくわかる付与術』にするか、はたまた魔石の使用法っぽい『作って使おう、便利な魔道具!』にするか…。悩み所だ。


 よし、もう新しい術は手に入ったのだから次の狩りではその検証に集中したい。だから『作って使おう、便利な魔道具!』にするか。どうでもいいが、このDIYの手引き書っぽい題名はどうにかならなかったのか…?



◆◇◆◇◆◇



 ふぅ、終わった。魔道具も興味深い。魔道具とは、魔石に宿る魔力で魔術を発動させる道具だ。これと魔石さえあれば、魔術の能力(スキル)を持たずとも魔術が使えるのである。この本には載っていないが、戦闘に使えるものもきっとあるだろう。戦士職垂涎の品かもな。


 しかし、読み進めていって初めて知ったのだが、製作するためには【魔法陣】と【細工】の能力(スキル)が必須であるらしい。基盤に描かれた魔法陣に魔石の魔力を通す、というのが魔道具を使用するプロセスなのだ。魔石が燃料で魔法陣がエンジン、と言えば分かりやすいだろうか。


 しっかし、此方を先に読んだのは正解だったな。この本のお陰で、私はある修行法を思い付いたのだ。狩りから帰ってきたら早速試してみよう。では、召喚獣と共に狩りへと出発だ!



◆◇◆◇◆◇



――――――――――


種族(レイス)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【杖】レベルが上昇しました。

【魔術制御】レベルが上昇しました。

【闇魔術】レベルが上昇しました。

【召喚術】レベルが上昇しました。

【鑑定】レベルが上昇しました。

【隠密】レベルが上昇しました。


――――――――――


 よしよし。能力(スキル)の成長は順調だ。一つ問題があるとすれば私の【召喚術】レベルが低いせいで召喚獣の能力(スキル)が少ない事だ。


 この動く骸骨(スケルトン)の持つ能力(スキル)は五つ。【暗視】、【状態異常無効】、【光属性脆弱】、【打撃脆弱】、そして【闇属性】である。これはあくまでも予想だが、『召喚術入門』に記されていた『【召喚術】レベルに応じて強くなる』とは、『【召喚術】レベルによって能力(スキル)を追加出来る』という意味なのかもしれない。帰ったら試してみよう。


 それよりも注目してほしいのは、召喚獣には【隠密】も【忍び足】も無い点だ。このせいで奇襲が失敗しやすいのだ!こんなところで人員増加の弊害が出るとは…!そのせいで狩りに出発するまでは小鼠男(レッサーラットマン)二匹相手は安定するだろうと践んでいたのに、むしろ一人の時よりも危うい場面がある。


 悔しいが、【召喚術】レベルが上がるまでの辛抱だ。それまでは足手まといの下僕を引き連れて戦闘を継続だな。今回も魔力が半分前後になったら引き返そう。



◆◇◆◇◆◇



――――――――――


【土魔術】レベルが上昇しました。

【水魔術】レベルが上昇しました。

【火魔術】レベルが上昇しました。

【風魔術】レベルが上昇しました。

【無魔術】レベルが上昇しました。


――――――――――


あ、危なかった!まさか小鼠男(レッサーラットマン)三匹にこちらが奇襲されるとは!まあ、相手が馬鹿だったのか声を上げながらの奇襲だったからボーナスダメージどころか普通に反撃が間に合ったんだが。


 二つ目の魔石が手に入ったのは不幸中の幸いだったが、召喚獣がかなり消耗してしまった。次の狩りに行く前に帰還させ、新しい個体を喚び出した方がいいだろう。今帰還させないのかって?【召喚術】の経験値のためだから、仕方がない。自分のレベルは何よりも優先されるのだ!


 では読書、の前に先程思い付いた修行を試すとしよう。それで目的のものは私室の机の上に置いてあるこの『魔力ランプ』だ。【鑑定】の結果は以下の通り。



――――――――――


魔力ランプ 品質:劣 レア度:C

 魔道具の一種。

 魔石をセットすることで光属性の灯りを発生させる。

 セットする魔石の品質で強弱が変化する。


――――――――――


 最初、私は【暗視】があるのでランプなど無用の長物だと思っていた。実際、これからも読書や作業にランプを必要とする事は無いだろう。


 しかし、注目したのはそこではない。それはこのランプが()()()の灯りを発するという点だ。これ、恐らくだが私に微弱な光属性ダメージを与えてくれるのではないだろうか?


 もしそうなら、読書中に私の弱点を少しずつ克服させられるかもしれない。そうなれば光属性の魔術を使えるようになる日がぐっと近くなるだろう。


「ええと、ここに魔石を入れて…よし。『起動』」


 私は早速、小鼠男(レッサーラットマン)から手に入れた魔石を入れてランプを起動させる。すると、蛍の光のようにか弱いものの、確かに魔力で生成された光が部屋を淡く照らしだした。


 うお、肌ってか骨の表面がチリチリするぞ。肌?ねぇよ、そんなもん。これは、成功だな。私の視界の片隅にある体力を表すバーが減っては戻るのを繰り返している。さらに嬉しい事に、光のダメージと自然回復量では後者が勝っているらしい。これならば読書中に死ぬような間抜けな死に様を迎えずにすみそうだ。


 光属性に関してはこれでいいな。殴打の方は…思い浮かばない。後衛職なんだし、物理攻撃を食らった時点で諦める感じでいいや。


 次は何を読もうか。さっき迷った『よくわかる付与術』か、はたまた『魔法陣学』か。どちらも捨て難いな。


 よし、両方にしよう。いや、どうせならじっくり読んで【光属性脆弱】が緩和される位に粘ってやろうじゃないか。何、読書そのものは私にとって苦行でも何でもないのだから。



◆◇◆◇◆◇



――――――――――


これまでの行動経験から【付与術】スキルを獲得しました。

これまでの行動経験から【魔法陣】スキルを獲得しました。

これまでの行動経験から【薬学】スキルを獲得しました。

【光属性脆弱】スキルが緩和されました。


――――――――――


 まさか三冊分も掛かるとは…。出来ることが増えたから良かったと考えよう。では、獲得した能力(スキル)を見ていこう。


 【付与術】はあらゆるモノを強化する魔術だ。身体能力の向上や属性への抵抗力の向上は勿論のこと、武器や防具に特殊な効果を与えるのにもこの術が必要になる。火属性を帯びた剣、みたいな武器を使いたければ必須の魔術だな。


 また、こっちも【召喚術】と一緒で何らかの属性を付与したければその属性が使えなければならない。ただし、武具の作成ならば後述する魔法陣を上手く活用することでどうにかなるようだ。


 そして【魔法陣】だが、これは簡単に言えばあらゆる魔術の強化が本質だ。物体に魔法陣を描くか刻むことで、魔道具や【付与術】付きの武具を作成出来るというのは効果の一端でしかない。むしろ戦闘用の技能と言っても過言ではないぞ。


 具体的に言えば、魔法陣を展開することで魔術の発動速度を上昇させたり、逆に発動タイミングを遅らせたり、更には複数の魔術を同時発動なんかも出来るようになるのだ。


 ただし、此方も問題がある。陣を展開するときに魔力を余計に消費するのだ。魔力の消費が増えるのは、継戦能力の低下を意味する。能力(スキル)のレベルを上げることで軽減出来るが、レベル上げはとても厳しいものになるだろう。


 さらにこれも類に漏れず獲得済みの魔術しか魔法陣を描く事は出来ない。火球(ファイアボール)の魔法陣を使()()のは魔力さえあれば誰でも可能だが、火球(ファイアボール)の魔法陣を()()のはその術を使える者のみなのである。


 なんというか、【付与術】と【魔法陣】は戦闘に於いてだと魔術に特化した者でないと役に立たないものになりそうだ。生産職なら必須になりそうではあるが。私?魔術特化だから何も問題ないな。


 それよりもかなり長くログインしている。一旦、休憩にしよう。あ、そうだ。確かベッドの上かテントの中以外でログアウトすると、再ログインするまでアバターがその場に残り続けると公式HPで言及されていたな。それは拠点の内部でも一緒のはずだ。ならこのままにしておこう。少しでも【光属性脆弱】の経験値稼ぎがしたいからな。

主人公は基本的にしっかり準備をする慎重派。

なので知識を溜め込もうとしてます。

必然的に話の進み具合が亀の歩みになってしまうジレンマ…。


――――――――――


名前(ネーム):イザーム

種族(レイス)動く骸骨(スケルトン) Lv4 up!

職業(ジョブ):見習い魔術師 Lv4 up!

能力(スキル):残りSP 104

   【杖】Lv3 up!

   【魔力制御】 Lv3 up!

   【土魔術】 Lv2 up!

   【水魔術】 Lv2 up!

   【火魔術】 Lv2 up!

   【風魔術】 Lv2 up!

   【闇魔術】 Lv3 up!

   【無魔術】 Lv2 up!

   【召喚術】 Lv2 new!

   【付与術】 Lv0 new!

   【魔法陣】 Lv0 new!

   【考古学】 Lv5

   【言語学】 Lv3

   【薬学】

   【錬金術】 Lv0

   【鑑定】 Lv4 up!

   【暗視】 Lv-

   【隠密】 Lv3 up!

   【忍び足】 Lv2 up!

   【奇襲】 Lv2 up!

   【状態異常無効】 Lv-

   【光属性脆弱】 Lv9 down!

   【打撃脆弱】 Lv10


――――――――――

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― 新着の感想 ―
[一言] ヨコモジ(英語)使うなら、誤用を避けるべくその意味を調べ、正確に使いましょう。 能力=アビリティ 技能=スキル 両者は全く異なる意味を持ちます。
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