予感
「進路希望調査
2-2 日和 幸
・就職希望
希望職種
・魔法少女
動機
・ 魔法の力でみんなを幸せにしたいから」
◆◆◆
はぁ、一年経っても職員室のこの雰囲気は慣れないな...
「失礼します。先生、何かご用ですか?」
「あぁ日和、用って訳じゃないんだが...」
先生が言葉を濁しながら言う。
「進路希望のことなんだが...」
何かおかしなこと書いたっけ...
記憶にはないので質問してみる。
「何か不備があったんですか?」
すると先生は戸惑い混じりに、
「この魔法少女に就職希望って...ネタ?」
あぁ、この人もか...
「魔法少女になって、みんなを幸せにすることの何が悪いんですか!?」
◆◆◆
私、日和幸はちょっと変わっているらしい。
私自身はしたいこと、当然のことしているのにそう言われる。だからだろうか、魔法少女になりたいと思うのは。小学生までは同じことを言っていた友達も中学生になると周りと一緒にバカにした。おかげで友達はゼロ、 only1、でもいいもん、友達なんていらないもん!、ほんとだよ?
何故か心の中で強がりをしつつ、暗くなってきたので帰路に着いた。だが今日は夜予定があるのだ。そう考えると少し楽しみになってきた。だがその時の空は光が夜に呑まれるようにも見え、少し不気味に感じた。