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世界を救うため、悪の組織やることになった

作者: アリエ
掲載日:2015/02/23

 何処かで聞いたことのある設定だな、と思いながら聞いていた。

 目の前にいるのは神で魔王を倒すために協力してほしいという。

 何処かで見たことあるような気がすると何か引っかかっているが、了承した。

 では、お願いします、と知識と力を貰い、そこですべてを思い出した。

「ちょっと、待った!!!」

 だけど、それはすでに手遅れで気づくとよくわからない場所にいた。

 いや、よくわからないではない、よく知っている。

 これは昔、無駄にやりまくったゲームの世界だ。

 どうやら、俺はこの世界に召喚されたようだ。

 悪の組織のボスとして。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 このゲームは6人の天使の生まれ変わりを育てて、復活する魔王を倒すというゲームだ。

 この世界は元々いた現代世界に近い感じだ。けど、魔法があるし、魔物がいる。

 普通、ゲームの主人公は勇者とか倒す側だろうけど、このゲームの主人公は敵側のボス。

 敵側のボスとは言っているが、ただのレベルの調整役で生まれ変わり達には隠しているが政府のトップと協力している味方だ。それもラストルートでやっと向こうに判明する内容だが。

 まぁ、単純に言えば、生まれ変わり達の強さに合わせた敵を生み出しつつ、レベルを上げさせ、魔王を倒せる実力を身につけさせようというゲームだ。

 ただ、問題があるとすれば一つだけ、生まれ変わり達にはそれぞれリミッターとなっている問題が存在する。

 しかも、リミッターの解放にはことごとく主人公であるプレイヤーが死ななければならないという酷い仕様。もちろん、解放されたリミッターはそのままだ。

 そして、最初に戻って別の生まれ変わりのリミッターを解放する。

 それを繰り返し、死んで、覚えてのトライアンドエラーでクリアするしかないのだ。

 ちなみに俺がプレイした時の死亡回数は3桁に届くぐらいだった。

 変なテンションでやり続けてやっとクリアしたのを覚えてる。

 俺の中では、もう一度やれと言われてもやりたくないランキングの上位に入っているゲームだ。

 調べてわかったが、魔王が復活するのが今から3年後ということがわかっている。

 そして、異常を感知した政府に保護された俺。

 どうやら、魔王が復活することはわかっているらしい。

 まず、俺がやることは信用されることからだろう、がんばるか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 あれから、1年経過した。

 とりあえず、ゲームと同じ時期にスタートをしようと思う。つまり、あと1年で生まれ変わり達を探し出し、育成の準備を整えなければいけない。

 それぞれのリミッターとなっている問題は覚えているので、そっちは随時解決していかないといけない。

 名前と性別は分かっているので、それを政府に伝えて保護してもらっているから問題ないだろう。

 こっちも仲間、と言ってもほぼ俺が動くことになるが、ができた。

 サポート用の人員を回してもらった。


 団員1号、表の仕事は事務員をしているらしい。こっちでも同じく事務員をしてもらっている。政府公認とはいっても金はかかる。

 団員2号、傾向などのデータをまとめてもらっている。

 団員3号、モンスターの製造を手伝ってもらっている。


 ちなみに2号と3号は夫婦だそうで、1号はその子供らしい。

 以上の俺を含めて4人で悪の組織だ。……虚しい。

 モンスターは神から貰った機械、『インスタントモンスター』で作る。

 うん、ふざけた名前だけど、ゲームでもそんな名前だ。

 使い方は簡単、ただ、モンスターの種類と能力値を設定して決定をするだけ。

 使えるのは俺だけだ。神がそう設定したらしい。

 テストで何体か作って試したが、強いらしい。

 らしいというのは、軍隊相手では手が出なかったからだ。

 俺も確認のため戦ったが、思ったより神から貰った力が凄かったのか簡単に倒せた。

 ぶっちゃけ、俺とモンスターで魔王を倒せばいいと思うのだが、どうやら、倒せるのは生まれ変わり達だけらしい。

 とにかく、準備を進めよう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 残り1年になったが、まだ合流してない生まれ変わりがいるらしい。

 ゲームと少し違うがそこに『インスタントモンスター』で作った戦闘員を大量に用意して生まれ変わりのいる街を襲わせる。

 ちなみに襲われた街や人に対してはちゃんと援助資金が出ることになっている。

 もちろん、その資金は俺が出してる。

 医療用モンスターを利用して稼がしてもらった。ゲームでも使った稼ぎ方法だ。

 とにかく、事前に政府には襲撃を連絡しておく。

 怪我人が出た場合に対応できるようにそれ専用のモンスターも作っておく。

 あと、同時に進行できる生まれ変わり達の問題も解決も視野に入れよう。

 最低でも6回は死ななくてはならないのだし……。

 最初は簡単な戦隊でいうレッド的立ち位置のやつからやっていこう。

 そうして、俺は戦闘員を放ち、無事、残りの生まれ変わりを合流させることと簡単な戦闘を経験させることに成功した。


 生まれ変わり達はだいたいが高校生ぐらいの少年少女だ。

 ほとんど、俺と変わらないがそれぞれには問題がある。

 それは家族関係だったり、友人関係だったり、様々だ。

 中には俺が協力しないとダメなやつがいたりする。

 そして、俺は順調にそれぞれの問題を解決していった。そして、すでに5人のリミッターを開放してある。

 残るは1人で、終わりも近いと思い、俺は油断した。

 確かにそれぞれはリミッターが解放されて強くなっているが生まれ変わり達にとっては初めての戦闘だ。

 うっかり、最強の能力で最強のモンスターを初戦闘に出してしまったのだ。

 やばいと全員で焦った。

 すぐに俺はアジトを飛び出すと現場に向かう。

 何とか見つけると、そこにはモンスターが今にも少女を襲おうとしている現場だった。

 何も考えず、飛び出し、少女を抱えて飛び去る。

 その時に蹴りを入れてモンスターを吹き飛ばしておく。

 それで倒せればラッキー程度だったが、さすがにうまくいかなかったらしい。

 吹き飛ばされたモンスターは何も問題なく、起き上がってきた。

 とりあえず、少女を離れた場所に置いてくることにする。

 小柄な少女だった。どこかで見た気がするが、今はモンスターだ。

 少し擦り傷ができていたので魔法で治しておく。

 泣きそうだったので頭を撫でてからモンスターの方へと向かっていった。

 なんかヒーローみたいだなと、普段やっていることとは逆だなと苦笑を浮かべる。

 その後、全力を出してモンスターを倒してアジトに帰還した。


 政府のお偉いさんに叱られたりしたが、今後無いように気を付けよう。

 少女のことをすっかり忘れた俺は他のメンバーと作戦の修正のための会議を始めるのだった。


 この時、気付くべきだった。

 助けた少女が生まれ変わりの少女で、リミッター解放の条件が恋をさせることだったということを。

 すぐにこの少女とまた会うことになるとはこの時は思わなかった。

たぶん、続かない

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