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泡沫の恋を  作者: 美桜
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カミーユの過去:③

だんだんと苦しくなってきました。


あのあと りょうしである えりくは かみーゆのことを うみへ もどしてくれました

やくそくも してくれました 「おれは ほかのやつに おまえのことを はなさないよ」と 


そして かみーゆもまた 「あなたに あったことを けっして いわないわ」と いったのでした


それは ふたりが いっしょに いるための ゆいいつの ほうほう だったのです




えりくと かみーゆが であってから すこしだけ ひが たちました


あれから ふたりは いっしょに いることが おおくなり

いろいろな はなしを するようになりました


かみーゆの はなす ないようは 

にんげんである えりくにとって おどろくことばかり でしたが

にんぎょである かみーゆもまた えりくの はなす ないように

おどろきと あこがれを いだき

はなしをききながら おたがいに あいての ことを もっともっと しりたくなるのでした



ふたりが わかれるのは まっかな おひさまが 

うみの むこうに しずむころ

えりくは いえに かえらねば なりません


なごりおしそうに あかく そまってしまった ふねから みを のりだして

てをふる そのすがたに かみーゆは なぜだか とっても なきたくなるのでした



(――どうして ?

 どうしてなの ?

 さっきは あんなにも たのしかったのに


 どうして こんなに むねが せつなくなるのかしら ……)



うみのそこへ もどって だいすきな 

おとうさまや おかあさまや みんなと はなしているのに

こころは どこか おおきな あなが あいたように くうきょな きもちに なるのでした


ねむれないよるを すごすうちに かみーゆは いてもたっても いられなくなり

とうとう おきてを やぶって ひとり うみのうえへ いってしまいました


ひとびとのすむ “まち”には よなかだと いうのに 

いまだ あかりが ともっています

かみーゆは そのまぶしさに しばし みとれてしまいましたが

その まぶしさの おかげで みなとの はずれに とめてある

いっそうの ふねが みつかり いそいで ちかづいていきました


そう それは まちがいなく えりくの のっていた ふねに ちがいありませんでした


ちかづいていくと ちょうど だれかが ふねのうえから おりたところでした

そのすがたが だれのもので あったかが わかると 

かみーゆは じぶんの こころのなかが みたされていくのを じっかんするのでした


(みているだけでも ……)

そう おもって みていたのですが 

うんのわるいことに てをおいた ふなつきばの きへんが くずれおちてきました


「――っきゃ!」



過去、続きます><

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