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泡沫の恋を  作者: 美桜
2/6

カミーユの過去:①

※読みづらさMAXでお送りしております。

童話のつもりが……どんどんダークな方向に……。

ん?

カミーユの過去を知りたい?

……うん、じゃあその前に寝る支度をしてホットミルクでも飲もうか。

ぐっすりと眠れるように……彼女の夢なんて見ないくらい。

ん? 何か言ったか、だって?

大丈夫、何も言ってないよ。





あるひのことです いつものように

かみーゆが ひとり うみのうえの ひみつのばしょで

あそんでいると さっきまでの せいてんが うそのように くもり

おおあめが ふってきました


「ああ そうだわ 

 きょうは おばあさまが くるひだったわ」


「いそいでもどらなくちゃ」と かみーゆが うみのなかに もぐろうと したときです

らいめいが とどろき あれくるう うみのなかを なにか しろいものが みえます


「あれはなんだろう」


かみーゆは 「すこしだけ」と おもいながら しろいものに ちかづいていきました

“しろいもの”のしょうたい それは ふねでした


ふねといっても そんなに おおきいものではなく どちらかというと こぢんまりしていて

けして ごうかだとは いえませんでした


しかし かみーゆは がぜん きょうみをもって 

しろいふねの まわりを くるくるとまわってみるのでした


「すてきだわ !

 にんげんたちは これにのって “たび”とか いうものを するのね」


かみーゆは にんぎょの おひめさま


にんげんの ことなんて すこしばかり きいたことがある 

くらいか ときどき うみに すてられた 

“ざっし”なるものを よんだことが あるだけ

もちろん かみーゆは にんげんの もじを よむことが できなかったので

おうさまである おとうさまに すこし よんでもらった のでした


にんぎょは にんげんが だいきらいなので おうさまである おとうさまも

かわいい かわいい ひとりむすめに にんげんの はなしは したくなかったのでした


しかも おうさまたちは かみーゆが 『ひみつのばしょ』と よんでいる

ばしょが どこだかなんて まったく しりもしませんでした


かわいい かみーゆは “こうきしんおうせいなこ”で しらないことは 

「なんで ?」と すぐに ききにくるのです

そんなこが にんげんの ことを 

うみのそとの ことを すこしでもしって

もっともっと しりたくなったら きっとすぐに くるだろうと

おうさまも おきさきさまも みんなも かんがえていました

「それまでは にんげんの はなしなんて きかせるのは よそう」と


だから かのじょは しらなかったのです


かのじょが うれしそうに くるくる まわりを まわっている “ふね”が

なんの “ふね”であるか


にんげんとは どんな いきものであるか なんて

かのじょは まったく しりもしないのでした



いつでも無知が物語を不幸にしてしまうのです。

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