ジャージ
秋が寒々しくと感じる夕方の道路脇の歩道
ジャージは流石に寒くて、だが悴む程でもない
立ち寄ることのない店の看板が錆び付いていて一層、寒さを感じる。
―狭い世界はどこにだってある―
やはり、僕の視界には限界があって全方位を見れる訳なく
世界が広く感じる事もない、見える範囲でしか分からないし
それに意味を勝手につけて勝手に諦めているし
その先の一歩を踏み出す勇気もない
このまま、僕はずっとこのままがお似合いだって
だから、切り取った狭い世界に浸る事しか出来ない。
前にもう、何十年とあっていない同級生に言われたことがある
丁度、高校生の時だ。
放課後、夕日が差し込む教室で将来の事を話していた
「俺は将来ミュージシャンになって、大金持ちになって女優と結婚して大物になる!」って
同級生が熱のこもった言葉に少し圧倒されたが同時に、「無理だろ」って
脊髄反射的に言ったのを覚えている。
その時の同級生の表情は、苦笑いをしていつものくだらない話に変わって
それ以来二度と同級生は、将来の話をしなくなった。
卒業式の時にその同級生から言われた一言が、時折チクリと胸を刺す
―お前って狭い世界で生きてんだな―
言葉が出ずに立ち尽くすしかなくて、苦笑いをした。
以来言い聞かせるように、狭い世界はどこにだってあるのだから
いいじゃないかって言い訳がましく呪文のように思うようになった。
40歳も目前の歳になって、新しく仕事はもうする気も起きないし
学ぶこともしたくないし
構われたくないけど、時々寂しくなるし
ジャージのポケットに手を突っ込みんで肩をすぼめた
コンビニ帰り。
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